WS-9

1960年代は外国からの技術導入が中断し研究開発も順調に進まなかったため、中国製Jet Engineの開発、改良が遅々として進まなかった。19711226日周恩来は航空Engineの技術向上のためイギリスRolls Royce社のSpey MK202 Turbo Fan Engineの導入を決定した。Spey Mk202, 元々はBAC1-11向けに開発された民間用のSpey Mk505を軍用に転換しイギリスバージョンのF-4 Phantomに搭載されたTurbo Fan Engineである。1972年中国イギリスはSpeyの売却に基本合意し、1975812日次の契約を交わした。@軍用Speyの専門的利用契約 4150万ポンド ASpeyの整備品目の購入契約 3097万ボンド BSpeyの補機に関する利用契約 432万ボンド 合計7679万ポンド。本契約では3年以内にイギリス製部品を使用し中国国内でSpeyを製造、5年以内に中国製部品を使用しイギリスと同等の品質のSpeyを製造するもので、この期間内イギリスからの専門技術者の派遣、技術的問題の解決立案の要求が含まれている。 この契約に基づきSpey Mk202を中国でライセンス生産したEngineWS-9である。四安航空原動機製造工場での製造が決定し、1976年から42万件の技術資料の翻訳作業を行い、1979年末には4台のWS-9が完成、11月に中国国内で150時間の試験運転を行い、19802月から5月にかけてイギリスでの高空チャンバーでの試験、各種部品の疲労試験も実施、WS-9が完成した。WS-9は中国初のTurbo Fan Engineであり、それまでの中国Engineに比べ、構造は複雑、部品点数は多く、各部品は精密緻密に加工され、外部に装備されるTube類も形状が複雑、難加工材料を多数使用したEngineであり、そのため電解加工、電子ビーム溶接、精密鋳造、精密鍛造等の1970年代の新技術を多数学ぶこととなった。WS-9JH-7 Flying Leopardに装備され、現在でも現役についている。

Fig1 19751213日中国-RR正式契約[2

Fig2 WS-93

                        

 Fig3 Test Cell内でのWS-93]                                    Fig 4 イギリス高空チャンバー内でのWS-93] 

 

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参考Web

1]中国航空史 大象出版社

2]中国航空 北京航空航天大学出版社

3]当代中国的航空工業 中国科学社会出版