女性のキャリアアップ・キャリアチェンジと資格

 

第3回厚木稲門会トークサロンが2月20日(土)、17名出席のもと、レンブラントホテルの中華レストラントルファンにて開催された。

スピーカーを担当された草薙さんは、昭和57年第一文学部卒で、在学中から携わっていた編集プロダクション勤務を卒後も続けられ、その後結婚され専業主婦となる。一般的に女性は、結婚、出産、夫の転勤などでキャリアが中断、中断後の再就職では好条件の仕事はなくキャリア形成を断念することが多いといわれる。

草薙さんはこの専業主婦の時期を自らのキャリア形成、次のステップへの準備期間と捉えたという。結婚、出産、その他家庭の状況を抱え込まざるを得ない環境下で、学習時間を作り出し実践されたその非凡さに驚かされた。この時期に通信制で法学を勉強(中央大学法学部卒業)、司法試験、税理士試験にチャレンジされている。その後、この期間に培った知識を活かし、野村證券勤務、LEC(東京リーガルマインド)講師、ユーキャン講師を勤められ、DCアドバイザー・プランナー、FPCFP)、宅建などの資格を取得されている。田原聡一朗氏と一緒に仕事をされた経験もあると伺った。現在、金融機関での講師、JAでのセミナー、公共機関等の講座、タウン誌のライター等でご活躍されている。さらに、司法書士試験に熱烈チャレンジ中である。世間一般ではキャリア形成に不利といわれる子育て期間を、女性のキャリアアップの起点とされたことに感銘を受けた。

女性のキャリア形成のヒントとして3つ示されている。@無理に流れに逆らわない(ストレスで病気になったらつまらない)A将来を見据えて今できることを行う(目標を持ち、それに向かい可能な努力を続ける)B諦めず雌伏の時をへてジャンプ!(腐らない、諦めない、チャンスは必ず来る)。環境を受け入れ、そのなかでのプラス要素を見いだし、未来への布石を打つ努力を続ける草薙さんの積極思考に、女性だけではなく一般に十分通じる成功の要素が含まれていると感じた。

ご本人は、自分のやりたいことを素直に行ってきただけとおっしゃる。自分の経歴とはまったく異なることに関心を持ち、その知識の井戸を深く掘り下げる。当初の目標達成に至らずとも、諦めることなく次の井戸を掘る努力をやめない。結果、それぞれ深く掘り込まれた知識が、自らのキャリアのなかで仕事の幹として大きく蓄積・形成され、枝葉をも育んでいくものとなった。プロとしてのアウトプットを継続されてきた素晴らしいキャリア人生である。常にBe positive そして、努力を惜しまぬ姿勢の継続が、今日のキャリアを形成してきたと感心した。早稲女のキャリア形成の見本となるお話であった。

             (S53社会科 江原)