29年度下期 「トークサロン」 第2回

                   

『医師より“一年後いないかも  肺がんから九年』

〜肺がん宣告をきっかけに猛勉強。栄養学のこと、

遺伝子のこと、ひいては老化防止の最新情報まで〜

スピーカー:大貫玉美さん(S52 理工)

 

平成29年度下期第2回のトークサロンは、平成30221日(水)、レンブラントホテル厚木内の中華レストラン「トルファン」にて開催されました。参加者17名。

 

 2008年秋、咳がとまらないので受診したことから、肺癌が見つかり、「一年後いないかも…」と言われる。そこから始まった普通では考えられない闘病記。がん克服をした大貫さんの現在に至るまでの、副題にあるような幅広いお話しでした。

 

 2008年頃、大貫さんの生活環境は、両親の介護・学研教室の60名ほどの生徒の指導、これらのストレスと更年期障害とで、体調不良に悩まされる日々でした。咳が止まらないことから、近所のかかりつけ医を受診。その結果、東海大学循環器科を紹介され精密検査をしました。結果は、『肺がんで一年後いないかも』とのこと。

それまで更年期症状の改善に役立った健康食品を紹介してくれた方に相談。その方の勧めで、仙台市にお住いの東洋医学研究所の所長さんに会いに行きました。その先生により、一般的な治療方法ではない、特別な方法へと導かれて行きました。

 

@  呼吸法(朝日を浴ながら20分)、A食事療法(玄米菜食・禁肉食・無農薬野菜食・サプリント)B毎日1万歩以上歩くこと C超微力電流によるケア

 

以上を、4か月間続けた(家族全員の協力あり)ところ、ピンポン玉位の大きさの病巣がなくなり、以後手術することなく現在に至っているそうです。大学病院の医師は「あれは何だったのでしょうね」と首をかしげていました。簡単そうに見える上記の療法は、出会った医者との信頼関係がなければ出来ないことですし、その決意を貫くご本人の意思の強さとご主人のサポートの強さに心打たれました。

 

 大貫さんのこの大きな試練、体験から、元来の探求心が芽生えます。

 先ずは、食事療法。それには、栄養学の研究。昔の三大栄養素は時代と共に発展し、今は7大栄養素→活性酸素の無毒化、更には遺伝子理論へと拡大していきます。  

 遺伝子理論の発展は、“ヒトゲノム”・“DNA”など聞いたことはあってもなかなか理解できないのですが、世界の研究者の成果など時間を追いながら、図表などを使って詳しくも易しく説明し、現代の研究の中心が「病気の原因・老化の原因を知るにはDNAに向かって追及すること」すなわち、遺伝子の一つ一つを調べ、その働き方を調べることであるとしました。

誰もが持っている病気の遺伝子を、発症する働き方レベルもすでに測定可能になり、発症させない、あるいは治療に有効な方法が明らかになっています。となると、不老長寿も夢でなくなり、150才まで生きていくのも可能かとまで言われているそうです。

 

老化防止メカニズム(抗酸化保護・解毒作用・etc.)と呼ばれる6項目は、細胞内で相乗的に働き、加齢と共に機能が低下することが明らかになっています。 私たちも日々の暮らしの中でそれらを心に留めながら、健康寿命を延ばしていきましょう! と。

 

ご自身の実体験から、これからの人生を明るいものにする道を語ってくださいました。

科学誌「Newton」の愛読者でもある“リケジョ”ならではの探求心の深さに感銘を受けました。

 

                                   堀 美知子 (S41 文)