H28年度「トークサロン」 下期 第2回
『地域福祉について』
~厚木市役所に38年間勤めた中から、
社会福祉協議会の事業を中心として~
スピーカー:小澤秀通さん (S50 商)
平成28年度「トークサロン」の下期第2回が、2月25日(土)、レンブラントホテルの中華レストラン
先祖代々の地、厚木に生まれ育った生粋の厚木っ子。大学を卒業後も地元に住まい、38年間を厚木市役所に勤務された小澤さん。その中で経験された部署は、社会課社会係(現在の福祉総務課)に始まり、財政関係などを経て、老人医療関係部門からさらには社会福祉協議会へと地元出身者ならではの担当をされました。
主題の「地域福祉について」の初めに:
厚木市社会福祉協議会の基本理念は「誰もが安心して、共に生き、共に暮らせる地域社会づくり」です。「ふ・く・し」を子どもたちにも理解しやすいように、「㋫だんの㋗らしの㋛あわせ」と社会福祉実践家のメッセージが込められていることの説明もありました。
私たち世代にとっては当たり前のこの理念は、平成28年7月26日の津久井やまゆり園の事件を受けて神奈川県が平成28年10月14日に「ともに生きる社会かながわ憲章」を定めたように、地域福祉は“福祉教育に始まり福祉教育に終わる”ことであります。
”共に“の持つ意味。それは「ノーマライゼーション」すなわち”障害者が障害のない人々と一緒に普通に生きるようにすること、あるいはそのような理念“に繋がります。
何度も何度も繰り返される、“共に”のフレーズは、「ふだんのくらしのしあわせ」を実現していくのには、一人ひとりが自立していくことが大切ですが、いろいろな人たちと支え合っていく必要があると痛感させられました。
地域福祉を担う中心として「社会福祉協議会」(非営利の民間団体)、厚木市内の地域福祉推進委員会などの具体的な活動の説明がありました。
とくに興味を持たされたのは、厚木市では当時高齢福祉課が担当していた厚労省のゴールドプランの施策の一つを担っていた「寝たきり老人ゼロ運動推進委員会」が地区社会福祉協議会と統合して地域福祉推進委員会となっているとのことでした。
団塊の世代が高齢者として社会でカウントされる昨今、健康で生きることの重大さは大きな社会課題です。「寝たきり老人」にならないため、ならせないためには、個々の努力だけでなく、地域でも
質疑応答の中で「成年後見人」の話題が出ました。かつて、家族親族が後見人であったのが現在では約70%が弁護士となってきており、社会福祉協議会でも市民後見人の養成講座を開設したこともあるもそうです。
小澤さんは38年間の市役所勤めから解放された現在、一人で出かけることを楽しんでおられるようです。特に、都内に出かけた時の体験談を伺うと、学生時代とはまったく違った景色や楽しみ方を満喫しているようでした。
それもまた、私たち高齢者にとっての課題、“健康寿命”をいかに引き延ばせるかと言う事への実践でもあろうかと思いを馳せました。
「きょういく・きょうようがある」→「今日、行くところがある・今日、用がある」と自分に言い聞かせるような、小澤さんのこれからの人生が頼もしく感じられるトークサロンでした。
堀 美知子 (S41 文)