第6回   活動報告


平成28年秋の活動で、発足以来6回目です。11月11日(金)、「プロミティ あつぎ」にて講演会を開催しました。

参加者は16名。厚木稲門会の男性会員、秦野・小田原稲門会女性会員だけでなく、他の女性団体会員などの参加がありました。

門外漢にも理解しやすいようにお話して下さり、予定時間をオーバーするほど熱心に引き込まれてしまうほどの講演でした。講演後の質疑応答も全員が熱心に参加するなど、女性校友研究者との交流は新たなご縁の繋がりに期待する場となりました。


演題:  「生殖医療をめぐる動き」

              〜子どもができにくい時代の中で〜」

講師:仙波由加里さん

プロフィール 2003年、早稲田大学人間科学研究科生命科学専攻博士課程修了。
          現在はお茶の水大学ジェンダー研究所特任リサーチフェロー。
          海老名市で育ち、座間市内にお住まいの校友です。



女性のキャリアアップに伴う妊娠・出産の高齢化傾向からくる、不妊と解決の実情。不妊治療=夫婦間の子どもの出産と理解しがちでしたが、そこには、家系の継承のためだけではなく、同性婚など現代社会における男女関係の複雑さの中で、その要求が多くなってきていることにまず驚かされました。

多くの人々の子どもを持ちたいと言う望みに応えるべく科学は発達してきましたが、その技術内容を詳細に聞いているうちに驚愕し、さらに、単なる医療の範疇だけでなく、貧困層に経済的影響などの社会問題を引き起こすまでに繋がっている事実を知らされました。 

 
生殖医療では親のエゴが先行し、一番に弱い立場の子を守る様々な取り組みが遅れているのが現実です。出産した母親は特定できても、その子の妊娠が人の手(生殖医療)でなされたため、親子関係が特定できないことが多く、問題発生を未然に防ぎまた解決する法律の整備が特に日本では遅いと言われています。

技術発展の速さに一日も早く追い付いて欲しいと願わずにはいられません。

生殖医療によって生まれた子の、心理的な悩みの実情の余りの多さを聞き、子どもを持ちたいと願う人々の気持ちを理解したいと思う自分自身との葛藤の場でもありました。

バイオシス(生命倫理)の最前線からのお話は、人間の発生を自然に任せず自らの手で動かせるという事実に、自分を含め、私達の存在とは何かと問い、人間の傲慢さを改めて指摘されたようでした。

多くの人に知って欲しいと願い、参加者の中から拡げていく動きがみられたことは、何より頼もしいことでした。  (S 41 文  堀 美知子)