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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。
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■京福電鉄事故はブレーキロッドの破断/運輸省発表
■レーザーポインター、販売自粛要請/通産省ようやく動く
■心臓手術で針置き忘れ/新潟大病院
■100台未満のリコール情報公表/運輸省初発表
■ヘリ衝突防止支援システム/川重、実用化にめど
■投薬ミス防止システム、ソフトなど相次ぐ
■生産機械の省エネ化/ダイキン製油圧ポンプ「エコリッチ」
■たばこ自販機禁止を/WHO事務局長、日本政府に要請
■有害番組などに自主規制の徹底を/文相
12月のニュースから
■京福電鉄事故はブレーキロッドの破断/運輸省発表
17日に起きた京福電鉄の電車衝突事故は、2台の電車が止まらずに正面衝突したというショッキングなものでした。事故直後からブレーキ系統のトラブルが指摘されていましたが、運輸省中部運輸局は19日午後、事故を起こした永平寺線の車両床下にあるブレーキ制動力を車輪に伝えるブレーキロッドが破断していたことを発表しました。同運輸局は破断でブレーキが利かなくなり事故につながったとし、全車両の点検と事故の再発防止策を文書で報告するよう京福電鉄に指示しました。
破断したロッドには事故前から亀裂があったことを示す黒いさびのようなものが付いていたことから、長年の使用で亀裂が徐々に拡大していたと見られています。しかし同電鉄ではこの4日に3カ月に1回の点検をしており、そのときには異常はなかったと言っています。打音検査をすれば亀裂はすぐに見つかるはずで、同社ではブレーキロッドの検査はしていなかったのかもしれません。このことは同型ブレーキを持つ車両の緊急点検の結果、ほかの1両のロッドにも亀裂が入っていたことが21日までに分かっていることからも明らかだと思います。
同社では「対象を全車両に広げて緊急点検する」と21日に発表しましたが、運輸省は19日の指示ですでに全車両の点検を求めているので、少々奇異に感じます。当初は時間・コストのかかる点検を省こうと思っていたのが、事態が深刻なことから急きょ方針転換、全車両の点検ということになったのかもしれません。
全国のローカル私鉄は経営が厳しく、車両は新型を購入できないため、大手私鉄からの払い下げがほとんどのようです。一般には何十年前の車両であっても、十分な点検・整備・部品交換などを行うことで安全運行は可能です。しかし福井県が設備投資費と赤字補填のために補助金を98年から出している状況の中、同社の点検・整備がおろそかになっていたことは十分考えられます。もしも鉄道会社にとって第一に考えるべき乗客の安全を軽視していたというのなら、それは許されるものではありません。
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■レーザーポインター、販売自粛要請/通産省ようやく動く
レーザーポインターの問題では先月号でも少し触れましたが、通産省がやっと動いてくれました。通産省は15日、日本玩具協会、日本百貨店協会など18の関連事業者団体に対して一部製品の販売自粛を要請しました。また文部省を通じ、全国の小中学校と生徒の保護者に対し、子供が同製品を使うときには大人の管理下に置くよう要請しました。
レーザーポインターはその危険度により弱い方からクラス1、2,3A、3B、4の5段階に分類されていますが、我が国ではクラス分けに応じた規制が十分行われていないのが現状です。国内メーカーでは注意書が記載されていたりと、問題ないようですが、外国製の“強力レーザー光”をうたう製品の一部では、レーザー光線を直視しただけで視力障害が起こる危険性のあるクラス3A以上としての規制が求められていました。通産省や国民生活センターに寄せられた事故例はこれまで12件で、子供が遊んでいて近くにいたお年寄りや幼児の目にレーザー光が当たり、目に傷害を負った例が目立つといいます。
今回の通産省の対応は遅いものの、一応は評価できると思います。しかし製品の安全上の規制について、欧米先進諸国に比べて見劣りするのは改善されないままなのでしょう。このような行政指導型の対応だけでは、いつも被害者が救われない、という後味の悪さが残ります。
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■心臓手術で針置き忘れ/新潟大病院
新潟市の新潟大医学部付属病院で、数年前の手術で女性患者の体内にガーゼを置き忘れる事故があったことが3日、分かりました。同病院によると、置き忘れは11月の再手術で判明したといい、その間の検査などでは発見されなかったことになります。術後の経過などを把握するエックス線検査はしないのでしょうか。
新潟県では県立ガンセンター新潟病院でも11月、手術でガーゼを体内に残した事故2件が発覚したばかりで、「またか」の感じです。ところが4日になると熊本大医学部付属病院で、97年に頭部手術の際ガーゼを置き忘れていたことが分かったと報じられ、ガーゼの置き忘れ事故が全国の病院で頻繁に起きている状況がうかがえます。そして何としたことか前述の新潟大病院で今度は心臓手術の際に針を患部に置き忘れるミスがあったことが、次の日の4日に判明したのです。被害にあった患者は今年8月の心臓手術の際、出血がひどかったため執刀医が綿を患部周辺に入れていったん縫合されたといいます。ところが綿の中に針が混入していたことが翌日のエックス線検査で分かり、すぐに取り除くことになりました。現在患者の容態には問題ない、と同病院では話しています。
手術中のガーゼの確認と術後の器材の数量確認ミス、そして手術に使用する道具(このケースでは綿)に針の混入、という器材の適正確認の欠如、という手術の準備段階も含めた基本的な日常点検・管理がおろそかになっているようです。全くいい加減な病院ですが、11月に判明したガーゼ置き忘れと8月に判明した針置き忘れの事故が12月に入り報道されるなど、事故の隠ぺいを図ったようにも感じられます。同院のような続けての事故発生や情報提供の鈍さなど、厚生省は厳重な改善指導をし再発防止策の提出を求めるのは最低限のことでしょう。できれば同病院には監視期間を設け、その間に再度の事故があるなど改善が認められないときには承認取り消しなどの厳しい措置ができないのでしょうか。そういえば1980年、不必要な子宮摘出手術などを繰り返していた埼玉県所沢市の富士見産婦人科医院の元院長ですが、民事判決で「犯罪的な乱診乱療」とと指摘されて損害賠償を命じられたにもかかわらず、厚生省は11月、行政処分をしないことを表明しました。同院長は、今も埼玉県内で別の病院を開業していて、最新鋭の医療機器があることから多くの患者が利用しているようです。重大な医療事故を起こした医師に対し何もできない厚生省とは「いったい国民にとって必要なのか」と、思わず考えてしまいます。
ところで17日付けのワシントン・ポスト紙は日本で相次ぐ医療過誤事件についての長文のルポを掲載したようです。その紹介記事によると患者を取り違えて手術し死亡させたり、赤ん坊に過剰な抗生物質を投与したため副作用で手の指を切断せざるを得なかった例など、基本的ミスによる悲惨な医療過誤が最近相次いだと紹介、日本の医療現場は国民から不信の目で見られていると指摘したとのことです。また、刑事事件になる例はほとんどなく、医者は仕事を継続、民事訴訟では裁判が長期化し患者側が圧倒的に不利な立場にいることが強調されたようです。「日本はずいぶん遅れた非民主的な国」と思われているようで、恥ずかしい限りです。
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■100台未満のリコール情報公表/運輸省初発表
三菱自動車工業のクレーム隠しを教訓に業務の見直しを進めている運輸省は、今まで積極的に公表していなかった100台未満のリコールについても、翌月に一括して報道発表することを決め、11月の届け出3件について5日発表しました。これまでは対象車が100台未満の場合、自動車メーカーなどからユーザーへの通知で十分との考えから、インターネットのホームページに概要を掲載するだけでした。同省によると11月に届け出があった100台未満のリコールは、日産ディーゼルのバス(95台)でブレーキの利きが悪くなる恐れ、ダッジのキャンピングカー(40台)でシートベルトが外れる恐れ、いすゞのバス(16台)でエンジンが止まり再始動できなくなる恐れ、の3件でした。リコール通知がメーカーなどからユーザーに届く前に事故に遭うことも考えられることから、情報提供はより幅広くカバーするのが原則で同省の取り組みは評価できます。
話は異なりますが一部業界・企業ではソフトなどのバージョンアップや製品の追加情報などをインターネットからダウンロードさせる動きが多くなっていますが、現時点でのインターネットによる情報提供は付加的なものであるはずだと思います。低コストで大量の情報を速やかに提供できるのは企業にとって好都合ですが、インターネットを利用できない情報弱者がまだまだ多いことから、このような企業はCS的考えがないと思わなければなりません。ましてやソフトのダウンロードで30分から1時間もかかるようなものは、企業が従来行っていたハガキ代などの郵送料を浮かし、その代わりにユーザーに通信費を負担させるという本末転倒の状況となっています。ソフトウエアなどは不完全な製品であるためのバージョンアップが多いというのに、一体どうなっているのでしょう。ユーザーは困っているからバージョンアップに飛びつくのですが、通産省や公正取引委員会などはこのような状況を健全な商品取引の形態だと思っているのでしょうか。
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■ヘリ衝突防止支援システム/川重、実用化にめど
川崎重工業は13日、NHKエンジニアリング、吉野電気と共同開発した「ヘリコプター衝突防止支援システム」のフライト試験を実施、実用化のめどをつけました。同システムはGPSから得たヘリコプターの位置、速度情報などを専用の無線周波数で自動連絡、周辺を飛行する複数機の位置確認や接近する機体の存在をパイロットに知らせるものです。同システムはGPS受信機とヘリコプター同士の位置データなどを無線でやりとりするデータリンク、GPSアンテナなどで構成、ヘリコプター搭載のディスプレー上に周辺の機体を表示、接近すると警報を発生するなど衝突防止機能を発揮するものです。
ヘリコプターの事故は、98年に6件、99年に7件で、小型機と同様に墜落による死者が毎年出ています。同システムによりパイロットの負担は軽減されるでしょうが、事故件数にどの程度反映されるのかは不明です。
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■投薬ミス防止システム、ソフトなど相次ぐ
医療現場では投薬する患者を取り違えたりするミスが問題となっていますが、企業の対応製品がいくつか出てきました。富士電機は投薬ミスを防止する「投薬患者確認システム」を開発、販売します。これは看護婦が小型端末を持ち、患者と薬剤のデータを照合するもので、患者のベッドサイドやリストバンドにバーコードを表示したラベルを貼り、薬局で注射や点滴剤を調合する際に同様のラベルを容器に貼ります。患者に投薬して回る際、看護婦は小型端末で患者と薬剤のバーコードを読み取り、データが一致しなければアラームで警告するものです。システム価格は約50床の中小規模の病院の場合、サーバーや端末4機セットで450万円とのことです。
医療情報システム開発の東京エーアイエスは、医師がパソコンで投薬や検査を指示する際に患者の病名と適合しているかどうかを点検するソフトを開発しました。製品名は「マイティーチェッカー。」で、データベースに基づいて投薬や検査の指示内容と病名が合致しない場合、適当と思われる病名の候補を自動的に返信するものです。大量のレセプトを点検、処理する機能も備え、各患者の過去のレセプト情報を活用し薬の投与日数や量が正しいかもチェックできるといいます。価格は基本単位が480万円でメンテナンス料が年30万円とのことです。
キューピーは日通工と業務提携し、点滴などの投薬ミスを軽減できる医療行為支援システム「QIテック」の販売を12月から開始しました。これはキューピーのドレッシング製造工程向けシステムを医療現場に応用したもので、日通工がシステム販売、アフターケアを担当します。「QIテック」は患者の手首につけたリストバンドと、輸血や注射などに添付したバーコードとを小型端末で検知しながら投薬を管理するものです。価格は中規模クラスの病院で1,500万円前後になるといいます。キューピーではドレッシングの生産ラインに同システムを自社開発し、92年に導入して以来配合事故はゼロを続けているといいます。
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■生産機械の省エネ化/ダイキン製油圧ポンプ「エコリッチ」
ダイキン工業では、油圧ポンプをインバーター制御することで待機電力を半減する工作機械用油圧ポンプ「エコリッチ」を販売していますが、森精機の新型工作機械に内部部品として採用されることになりました。森精機では工作機械が稼働していないときにも消費する電力を50%削減する小電力型機の開発を目指し、2001年中に商品化する方針です。またダイキンでは4月ごろから、トヨタ自動車の本社工場にエコリッチを数台納入し、既存の機械に装着され始めたと話しています。
ダイキンの調査によると、工場では生産機械に使う電力が全体の50%を占め、空調や照明などはほんの一部に過ぎないとし、「機械の使う電力を削減しないと、本当の省エネにはならない」と話しています。確かに各製品別の環境コストを考えるとき、生産機械の消費電力や水・オイルなどの消耗剤をいかに少なくするかが重要事項となるのでしょう。ところで非製造業ではこのような生産機械・設備などの省エネについてどのような取り組みを行っているのでしょうか。興味のあるところです。新聞・雑誌や放送局などメディア関係企業は、環境への取り組みの重要性を訴えていますが、自身の省エネがおろそかでは困ります。
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■たばこ自販機禁止を/WHO事務局長、日本政府に要請
世界保健機関(WHO)のブルントラント事務局長は20日、2002年の制定を目指す「たばこ規制枠組み条約」交渉について共同通信とのインタビューに応じ、日本政府は「たばこ自動販売機と広告の全面禁止」に応じるべきだと言明しました。事務局長は会見で、日本の平均寿命は今でこそ世界トップだが「日本人の喫煙率が現在の高い水準で推移するなら、20年後は保証の限りではない」と警告し、日本では年間約11万人が喫煙によって死亡しているというWHOの推定データを示し、「将来は、この数字が2倍、4倍になる恐れがある」と語りました。また、「マイルド」「ライと」など害が少ないような誤解を与える商品名の禁止にも応じるべきだと強調しました。
日本たばこ産業(JT)は自販機の禁止案に強く反対していますが、国際世論は全く逆の方向に進んでいるようです。条約案の多くに反対している米国でさえ「若者の喫煙を助長する自販機禁止には前向きに応じる」(米政府高官)との方針で、欧州諸国の大半も自販機禁止指示をすでに表明しているといいます。JTは「たばこ自販機を通じた小売り業者は30万以上に達し、自販機製造業や家族も合わせると計100万人以上の生活に影響がでる」と強調していますが、若者の喫煙を助長することへの論理の展開は見られません。また、たばこの自販機販売が「日本にとって重要な商業的伝統」と訳のわからないことを言っています。
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■有害番組などに自主規制の徹底を/文相
町村信孝文相は15日、日本民間放送連盟(民放連)の氏家斉一郎会長に対し、青少年に悪影響を与える番組の改善など、有害情報に関する自主規制を徹底するよう要請しました。町村文相が暴力や性表現などテレビ番組による青少年への悪影響が強まっていると指摘したのですが、氏家会長はNHKと民放連が発足させた「放送と青少年に関する委員会」が、問題のあるバラエティー番組を実名で指摘するなどの取り組みを進めており、事態はむしろ改善しているとの認識を示しました。会談後文相は、「自主規制が基本だがこれだけで青少年の環境がよくなるのか。規制も考えなくてはいけない」と述べました。
この問題では同委員界が指摘したテレビ朝日の「おネプ!」の一部コーナーが昨年内に放送を打ち切り、フジテレビは1月9日「メチャ2イケてるッ!」の一部コーナーの放送打ち切りを発表するなど、極端にひどい番組はそれなりの対応が出てきています。絶対評価が難しい問題でもあり、番組を見る視聴者の感性が麻痺している現状では今後の改善にはあまり期待できません。メディア発信者による自主規制では自ずから限界があろうというものです。そこには目的であるはずの視聴者が制作側の利益とすり変わる構図が見えてしまいます。
ところでテレビ番組の質はスポンサー企業の責任でもあるのですが、CMの時間枠が削られることに神経質になるものの、自社のCMの質を適正に評価する部門があるのでしょうか。世界中どの国で見ても、「コカコーラ」のCMはさわやかな統一されたイメージが展開されていますが、それが企業のイメージ戦略ではないでしょうか。単に目立てばいい、という派手な展開を競うCMや粗悪番組を支える企業からは、“顧客のため”というポリシーが見えてきません。
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終わりに
近くの市営立体駐車場では最近、身障者用駐車スペースで新たな取り組みを始めました。これは身障者スペースに車が入ると天井のセンサーが関知、スピーカーから「ここは身障者専用の駐車スペースです」と、日本語と英語で5回繰り返すもので、10月に各階計6カ所に配備したものです。職員の話では、身障者スペースに車を入れてから、アナウンスを聞いてあわてて出て行く車が1日に十数台あるといいます。
ショッピングセンターなどでも身障者スペースに健常者が平然と駐車することも多く、病院など身障者や車いすでの乗り降りが多く想定される場所であっても同様です。従来よりバリアフリーの取り組みは増えてきて歓迎できますが、多くの国民の自己中心的な貧しい心がバリアになっているようです。
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