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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。
「定期購読について」
■新幹線相次いで停止位置を越える/名古屋駅でこだま2本
■遊戯施設でワイヤ切れ、12人けが/北九州、スペースワールド
■電話機のモジュラージャックが火元?/熊本の火事で消防庁指摘
■本田の新安全技術/軽自動車の衝突安全性など
■事故車が緊急自動通報/カーナビでサービス、ベンツ日本
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■仏壇・仏具の小売業でISO9001取得/長野、はなおか
■低公害車の導入わずかに21台/中央省庁の公用車
■視覚障害者向け触覚シール/ファンケル、注文時に貼って出荷
■「社員にやさしい企業」を応援/労働省、来年度から制度導入
■ 迷惑客を強制退去/日航
■
8月のニュースから
■新幹線相次いで停止位置を越える/名古屋駅でこだま2本
5日午後、東海道新幹線の名古屋駅で新大阪発東京行きの2本のこだま号が同駅の15番線ホームに停車する際、相次いで停止位置を超える事故がありました。新幹線は急ブレーキをかけずに止まれたため、乗客にけが人は出ませんでした。
JR東海では、塗油器(とゆき)の調整ミスから油が出すぎて車輪が滑りやすくなったと見て調べています。この塗油器というものは新幹線が通過するたびに油を吹き付け、レールの磨耗を防ぐ装置だということです。鉄道の場合、スタート後徐々に加速していき、ある速度になるとモーターに電流の供給を止めてしまいます。それでも惰性があるため、そのスピードのまましばらくは走り続けます。したがってレールと車輪の摩擦はずいぶん少ないものだと思っていたので、油で摩擦を軽減しているとは思ってもいませんでした。
鉄道では事故防止のためにATSなどの安全システムを導入していますが、ブレーキが効かないで停止できない要因として、この塗油器もあったわけです。塗油器の性能・信頼性や点検スケジュールが安全運行システムに直接関わることになるので、装置の管理は厳格に行って欲しいものです。
最新の技術(ハイテク)で運行されている新幹線のイメージが強いのですが、思わぬところに昔ながらのローテクがあるわけです。安全を確保するためにはこれらローテク(人によるエラーも含む)の管理技術の向上が欠かせないでしょう。
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■遊戯施設でワイヤ切れ、12人けが/北九州、スペースワールド
29日午後8時半ごろ、北九州市八幡区のテーマパーク「スペースワールド」にある米国製の垂直上昇落下型遊戯施設「アトラスタワー」を支える鉄製ワイヤ4本の内1本が落下中に切れ、12人が乗った座席が地面に接触しました。乗客のうち40歳の女性1人が腰の骨を折るなどの重傷を負い、残りの男女11人が打撲などの軽傷を負いました。
このアトラスタワーは高さ約60メートルの四角柱状の外面に沿って座席があり、乗客は高さ約50メートルまで急上昇した後、空気圧を利用して数回のリバウンドを繰り返しながら下降する仕組みの遊具です。
乗客は全員シートベルトを装着しており、座席ごと地面に接触したもので、40メートルの高さを下降中にワイヤが切れたと見られています。
八幡東署の調べが進んだ31日、スペースワールド社の話しが明らかになりました。それによると「ワイヤは毎日の点検に加え、2週間に一度、最も磨耗の激しい客席の上の太さを実測するなどの検査をし、8月26日の定期検査では基準値よりも太く問題はなかった」としています。また、安全対策のため4本のワイヤを昨年3月の設置後初めて、9月10日に全部交換することにしていたことも明らかにしました。
今回の事故は点検箇所とされる客席上部でワイヤが切れたのではなく、そこより約50メートル上で切れているので、このような事故は想定していなかったと思われます。遊戯施設では設計上の安全確保はもちろん重要ですが、毎日の保守・点検の重要度はさらに増すと考えるべきです。ワイヤ上を動く小型の検査機器で毎日点検させる作業があっても良かったと思います。事故原因の解明と供に、製造元の「S&Sスポーツタワー」社の安全設計基準の検証が待たれます。
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■電話機のモジュラージャックが火元?/熊本の火事で消防庁指摘
熊本市の民家で今年5月、ふすまなどを焼くぼやがありましたが、熊本市消防局は11日までに、電話線を接続するモジュラージャックが何らかの原因で燃え上がった可能性があるとして、今後、大学などの研究機関やNTTなどに調査を依頼する方向で検討を始めました。
ぼやは5月28日午前10時過ぎ、熊本市二本木5丁目、自営業男性宅の1階事務所の机の下から出火、畳、カーペット、ふすまなど約2平方メートルを焼いたものです。机はふすまにくっついて置かれ、その下に電話線3本と、電話機を接続するモジュラージャック3個があり、うち1個が黒こげになっていました。電話線やモジュラージャックは民間の業者に依頼して設置されたものだということです。
モジュラージャックが火元と見られる火災は過去に例が無く、NTT熊本支店は「モジュラージャックが発火することは万が一にも考えられない」としているものの、「火元と断定されれば、普及の数から見てきわめて重大。真剣に対応策を考えざるを得ない」と話しています。
電話線は「電気信号を通す単なる線」と認識する人もいるようですが、電圧もかかっていて危険なエネルギーが全く存在しない、というものではありません。原因究明はこれからですが、引き続き関心を持って見ていきたいと思います。。
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■本田の新安全技術/軽自動車の衝突安全性など
本田技研工業は25日、10月の軽自動車の規格拡大に合わせて安全性重視の新型車を発売すると発表しました。車体の衝突安全性では新規格で厳しくなる安全基準を上回る正面衝突時55キロ(新基準50キロ)、片側衝突時で時速64キロ(同50キロ)の水準を確保しました。
また、車のボンネット部をへこみやすくするなどして、歩行者にぶつかった際の衝撃を吸収する構造を新たに開発し、新型の軽自動車を皮切りに全車種に導入していく方針です。
他のメーカーによる軽自動車の安全対策がまだ発表されていないこともあり、「日本より厳しい米国の基準をにらんだ衝突安全性を確保した」といわれる技術は評価できます。また他社の今後の動向にも興味があります。
25日の発表では新型のエアバッグを開発し、今秋投入する普通乗用車から採用することも明らかになりまはた。このシステムではシートベルト装着時の低速走行では、エアバッグが不必要に作動しないようになりました。また助手席では低速時にエアバッグが2段階で膨張、衝撃が必要以上に強くならないようにし、サイドエアバッグでは乗員の座高と頭部の位置を検知、膨張すると頭部を直撃する恐れのあるときは作動しないようになりました。
自動車の安全システムも「装備されていればよい」から、事故時の人の被害をより低減させる“安全の質”が求められてきており、各社の安全競争も新たな展開に入ったようです。
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■事故車が緊急自動通報/カーナビでサービス、ベンツ日本
ダイムラーベンツ日本は27日、NTT、NTTドコモ、松下電器産業、松下通信工業などと共同出資で新会社を設立し、カーナビゲーションの全地球測位システム(GPS)を使って事故発生位置などを自動通報するサービスを9月1日から始めると発表しました。このサービスで負傷者の救命率が約12%向上するといい、同日発売した新型Eクラスセダンから展開するものです。
事故時にエアバッグやシートベルトテンショナーを作動させる衝撃が加わったり、車両が横転すると車両に取り付けられたセンサーが感知し、あらかじめ登録されている車台番号と事故発生位置をセンターに自動送信します。オペレーターはその1分30秒後に車載の自動車携帯電話に連絡し、ドライバーの要請により警察や消防に通報する仕組みです。
GPSの利用については今後の社会基盤整備に大きく貢献する可能性があり、自動車事故に限らず生活のさまざまな場面に応用されていくと思います。ところで、わが国の大手自動車メーカーでも同様のサービスを検討していますが、2000年めどのサービス開始としているので、だいぶ遅れています。
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■仏壇・仏具の小売業でISO9001取得/長野、はなおか
仏壇・仏具の販売を手がける「一休さん」のはなおか(長野市)は25日までに、ISO9001の認証を取得しました。長野県内に展開する8店と本部を対象としていますが、小売業の取得は長野県内では初めてのものです。
同社では墓石の設計部門もあり、販売だけでなく設計を含めたISO9001の認証取得を計画、昨年12月から準備を進めてきました。今後は県外の業者と組んで「一休さん」の名前でフランチャイズチェーン展開している約80店についても取得を促す予定でいます。
仏壇や仏具、お墓の品質についてはよく分からなく、値段が正当かの判断基準も曖昧な気がします。広告などに掲載される販売価格は定価の十分の一というのも珍しくありません。日用品とは違い特殊な商品ではありますが、顧客の品質要求を満たすためのISO9001の取得は、企業の顧客志向のポリシーや公平性を感じます。今後、小売業といえどもISOの規格に関心を持つ企業が増えて欲しいものです。
はなおかでは主に販売に関する業務をマニュアル化することで、「責任や権限が明確になり、苦情やトラブルへの対応も早くなった」といい、パート社員などがマニュアルにより、すぐ仕事に慣れる効果もあると話しています。
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■低公害車の導入わずかに21台/中央省庁の公用車
中央省庁が保有する1万6,000台の自動車のうち、電気モーターとガソリンエンジンを組み合わせたハイブリッド車などの低公害車の導入率は1997年度末現在でわずかに21台(0.1%)でしかないことが、自民党の調査により分かりました。今後の導入予定台数を加えても2000年度末までに144台(0.89%)にしかならないようです。このため95年に政府が環境保全のための率先実行計画で決めた2000年度末の導入率10%の目標は大幅に下回ることになりそうです。トヨタの「プリウス」の発売を機に環境に優しいクルマが脚光を浴び、国会議員達が得意そうに試乗していたテレビニュースを見たりしましたが、多くの役所に即導入というわけにはいかなかったようです。
この理由には、ここでいう低公害車の定義にも問題があるようで、現在のところ電気、天然ガス、メタノール、ハイブリットの4種の自動車とされていることから、ガソリンやディーゼルエンジンでは低公害車の指定がないからです。また低公害車の燃料についても、地方では電気、天然ガスなどの燃料の供給施設が少ないなど問題があります。
「低公害車」と「環境に優しいクルマ」は、その言葉の意義は同一と考えられます。したがって車の生産に必要とされる材料、部品、エネルギーや、使用中に排出されるガスや物理的エネルギー(騒音、振動、光、道路の摩耗など)をはじめ車両の保守に必要な部品製造に関わる環境に与える影響など、車の燃料以外の環境影響度を数値化して、優良車両のランク付けを行わなければならないでしょう。
行政のいう「低公害車」が本当に環境に優しいかどうかの議論・検証はこれからなのでしょう。消費者が何を選択するのがいいのか、企業による車種ごとの環境負荷レベルを示してもらいたいものです。
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■有機食品に認証制度/農水省、2000年にも基準統一
化粧品通信販売のファンケル(横浜市)は視覚障害者向けに、商品のパッケージと容器に識別のための触覚シールを貼るサービスを、7・8月号のカタログから販売開始しました。このシールには丸や点線などの単純なマークを表面に凹凸で印刷、触るだけで中身が識別できるようにしています。
商品注文時に希望すると、乳液、美容液など基礎化粧品4種にシールを貼付します。何も貼らない場合と合わせて5種類の識別ができるわけです。マークの意味や商品の使用法などを説明した解説テープも無料で配布することにしています。また、一度シールを希望すると、次回の注文から自動的にシールを貼って商品を発送することにしています。
商品の容器に印を付ける方法では金型の変更などにコストがかかりますが、シールでは1枚あたり24円程度と安く作成できるといいます。
いい取り組みだと思います。スーパーのレジなどで客の要望に応じて、2つの商品のうち1つを識別できるシールを貼るサービスなど、他の業種でも応用できそうです。…。
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■「社員にやさしい企業」を応援/労働省、来年度から制度導入
労働省は社会的責任を果たしている優良企業の指標の一つとして、社員(家庭)にやさしい企業を認定する制度を導入します。この制度により企業には各種福利厚生制度の導入を促し、また就職の際の企業選びの目安になることが期待されます。
欧米やオーストラリアなどでも「ファミリー・フレンドリー・カンパニー」として普及しつつある制度の日本版というものです。労働省では今後、表彰検討委員会を設けて認定の基準を決めることにしていて、育児・介護休業制度、フレックスタイム制や子育てでいったん退職した社員の復帰制度など、社員の生活変化に合わせて企業が柔軟な対応をとれるかがポイントになるようです。
企業にとっては大事な資産であるはずの人材の重要性を再認識し、いたわり(効率よく長く使うため?)、企業の社会的責任を認識してもらうためにもいいことでしょう。最近多くなってきた「環境にやさしい」といった、漠然とした企業イメージではなく、より具体的に個人の就業環境の良否が比較できるので、企業としても努力せざるを得なくなるでしょう。
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■迷惑客を強制退去/日航
日本航空では旅客機内で酒に酔って暴れるなどする乗客が絶えないことから、昨年8月の運行マニュアル改訂以来、迷惑客に対し強い態度で臨んでいます。直接の暴力だけではなく、スチュワーデスらに暴言を吐くなど迷惑行為を繰り返した乗客についても強制的に機外に降ろすケースが相次いでいることが13日、分かりました。
日航によると、97年度に機内暴力や迷惑行為の報告は50件あり、暴力は12件で残り38件は酔って大声で叫ぶなどした乗客でした。強制措置が取られたのは計8件で、出発前や離陸直前に引き返し降ろしたのが6件、着陸後に警察当局に引き渡したのが2件ありました。
具体的には、昨年10月、関西空港で離陸直前のフランクフルト便の機内を米国人男性が歩き回り「降りたい」などと大声で叫んだため引き返して降ろしたケース、翌月下旬には、パリ発成田行きで酔った日本人男性が乗り込む際「バカ野郎」などと叫んだため搭乗を拒否したケースなどがあります。
日本人乗客のマナーの悪さはよく聞くところですが、迷惑客には毅然とした態度で臨み他の乗客の顧客満足度を向上する日航の取り組みを評価したいと思います。ただ、国内航空会社社員によると、「機内暴力が起こって取り押さえようとすると、協力してくれるのはたいてい外国人。日本人は見て見ぬ振りをする傾向がある」という情けない話もあります。公共の場における迷惑行為には厳しく対処し、自らの社会環境を守るという自由主義ではなく、自らを守ることばかりの日本人が多いのでしょうか…。
日航では改訂から1年が経過したため、さらに運行マニュアルを見直す方針で、「大幅な遅れや臨時着陸があれば、損害賠償も検討する」としています。
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■非喫煙者を対象に手当を支給/サトー、自己申告制で
バーコードプリンター大手のサトーは、たばこを吸わない社員に対し非喫煙者手当の支給を始めました。「たばこを吸わない」と自己申告した社員に月2,000円を支給するものです。
同社では分煙体制を整えていますが、数百万かかった喫煙室を利用しない非喫煙者に対する不公平感もあり、この手当支給で禁煙をさらに促す考えでいます。現在1,200人の社員のうち、6割以上の約800人がこの制度の利用を申告したようです。
喫煙者がたばこを吸うため席を離れて休んでいるときに、非喫煙者は仕事をしているわけですからたしかに不公平でしょう。発案者の藤田東久夫社長は「たばこを吸わない方が集中力が高まる。これからの生き残り競争に勝つには社員と会社の体力が必要。健康管理の一助になれば」と話しています。まさにその通りで、たばこをくわえながら(煙が目にしみるのを我慢しながら)書類を作成している人が、はたして効率的な仕事をしているのか大いに疑問です。
会社の体力のためには、従業員の健康管理が重要だとすることは、将来にわたるリスク軽減策なのでしょう。たばこを敬遠する風潮に乗るだけでなく、企業の経営の視点からも喫煙の問題をとらえる必要があると思います。
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終わりに
ホテルニューオータニでは今年末をめどに生ゴミを再利用するプラントを導入、ほぼ全量を飼料や肥料として再資源化することにしました。導入費用は約1億円ですが、生ゴミの廃棄コストが年約3,000万円かかっているため、3年程度で投資を回収できるとしています。環境に優しくしかも企業利益が生まれるようになってきました。ところが同じ宿泊施設である山小屋の場合ですと、ごく一部の山小屋で肥料化への取り組みが始まったばかりです。山の上であるため電力事情や冬の寒さ対策にも工夫が必要で、ほとんどの山小屋では埋め立てたり焼却しているのが現状です。山小屋の負担が大きすぎるのが原因で、このようなことにこそ行政による補助金を使って欲しいものです。
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