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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。
「定期購読について」
■遊具の事故相次ぎ、対応への動き/建設省実態調査、業界団体は
安全基準作り
■視覚障害者ホームで転落、電車につかまり1キロ/営団地下鉄
■道路標識の無駄解消へ/警察庁、抜本的見直しを指示
■ダイオキシンの1日耐用摂取量引き下げ/WHO専門家会合で結論
■小型車16種の衝突耐久性試験/米、高速道路安全保障協会
■牛乳パックに「切り込み」/97年度「ベストヒープ賞
■日本主導の国際基準作り/高齢者・障害者配慮の製品ガイド
■高くつく違法コピー/BSA調べ
■国内線全便が禁煙に/航空各社完全禁煙に踏み切る
■ 全館禁煙ホテル/東横イン、仙台に
■「たばこで病気に」/肺ガン患者らがJTと国を提訴
■ 環境にやさしいグリーン・キーホテル/世界が注目、デンマーク
に100軒余
5月のニュースから
■遊具の事故相次ぎ、対応への動き/建設省実態調査、業界団体は安全基準作り
遊具の事故は昔からあるものの、「公園での事故は親の責任」と行った考え方も多く、管轄する省庁による実態の把握すら行われてきませんでした。また、独や米国が遊具の構造や材料など安全性を細かく規定しているのに比べ、日本では屋外の遊具施設に関する安全基準がありません。そんな中、5月13日、ゆりかご式ブランコで遊んでいて転倒しブランコ底部と地面に右足を挟まれ骨折した小学4年の女児が市とメーカーに、約410万円の賠償を求める訴えを横浜地裁に起こしました。このブランコでは底部と地面との間隔は11センチしかなく、女児側は「構造上の欠陥」があるとしています。
その他、最近の事故では今年4月に三重県桑名市の公園で滑り台の支柱が折れ、遠足中の児童7人がけがをしていますし、昨年10月には大阪府藤井寺市で保育園児がブランコ底部で頭を打って死亡しています。
これらの事故が起きた自治体では同じ型の遊具を撤去したり、保守点検を強化するなどの再発防止策を講じていますが、他の自治体に事故情報を提供するシステムはありません。また「公園」といっても、自治体が独自に設置し管理するものから建設省が管理する「都市公園」、厚生省の「児童遊園」などさまざまです。学校や幼稚園、寺社の境内などにも遊具があり、事故情報は全く集められていないのが現状です。
建設省はようやく今年から事故の実態調査に乗り出す方針を固め、全国の自治体に公園での事故状況や管理・整備の実態を報告してもらうことになりました。業界団体の「日本公園施設業協会」も「公園施設安全基準案」をこのほどまとめたところです。
規制が多くて困るわが国では規制緩和が叫ばれていますが、こと安全に関する基準や規制は先進諸国に比べて非常に見劣りします。既得権益を守るだけの規制は撤廃するのは当然ですが、国民の安全に関わる規制は積極的に増やして欲しいものです。
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■視覚障害者ホームで転落、電車につかまり1キロ/営団地下鉄
5日の午後5時半すぎ、営団地下鉄有楽町線の千川駅でステッキをついた目の不自由な69歳の男性が、志木発木場行きの電車に乗車しようとした際に、車両間のすき間(連結部)から線路上に転落してしまいました。この男性はとっさに車両の外側に付いている電気系統用などのパイプにしがみついたものの、電車の運転手などはこの事故に気付かず発車してしまいました。次の要町でホームにいた乗客らが男性に気付き、連絡を受けた駅員により無事救出されました。この男性は運良く足に軽いけがをしただけで済んだようですが、危ないところでした。
当日は祝日のため千川駅では駅員がホームにいなく、車掌は普通の日以上にステッキを持つ人に注意する必要があったと思います。視覚障害者の多くは駅で転落した経験を持っており、鉄道会社でも当然そのような事故を想定していると思っていたのですが、どうもそうではないようです。安全対策の徹底が望まれます。
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■道路標識の無駄解消へ/警察庁、抜本的見直しを指示
全国の道路沿いに1,000万枚以上も設置されている道路標識板は、その数が多すぎるためドライバーから「分かりづらい」との苦情が多かったのですが、警察庁は重要度が低いものや組合せが複雑でドライバーが混乱する恐れがあるものを撤去するなど抜本的な見直しをするよう各都道府県警察に11日までに指示しました。
テレビなどでも取り上げられるほど以前から問題のある道路標識ですが、ガードレールのある道路に「歩行者横断禁止」の標識があるなど、無駄としかいいようのないものもあります。ただ無駄な標識があるのならまだしも(もちろん良くないのですが…)、それら標識のために安全上大事な「一時停止」などの標識が見づらくなるなどもってのほかでしょう。
規制のために整備した標識から、ユーザーの安全のための標識へと変わっていって欲しいものです。
ところでいつも気になる交差点の少し手前にある行き先の案内標識ですが、不案内な土地に行くと都市の名前や場所が頭の中にイメージできなくて悩み、迷うことがあります。ましてや自分の行く町の名前が記載されていなく、方向が全く違う都市2つの名前が併記されているときの不安は相当なものです。一番分かりやすい道路の東西南北の表記がなぜできないのか不思議でしょうがないのですが、あまり苦情がないのでしょうか。「国道○号南へ」と書いてあればどの方角からその国道に入ろうと間違えることはなく、北米の同標識の合理性を改めて感じてしまいます。
日本では作り手の心配事である“その地域の人に分かる表記”が優先されるためか、ユーザーレベルを無視した設計法がまかり通っています。そういえば英語表記も少なすぎますし、考えると不合理なものがずいぶんあるようです。情けないことですが、現在のところは少しでも良くなれば、「よし」とするしかないのでしょう。
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■ダイオキシンの1日耐用摂取量引き下げ/WHO専門家会合で結論
ジュネーブで開かれていた世界保健機関(WHO)欧州事務局などの専門家会合は29日、猛毒物質のダイオキシンについて一生摂取しても健康に影響のない「1日耐用摂取量」(TDI)を、現行の体重1キログラムあたり10ピコグラムから1〜4ピコグラムに引き下げるとの結論をまとめました。
日本では厚生省がTDIを10ピコグラムとし、環境庁が5ピコグラムとしていますが、焼却炉などの排出基準は厚生省基準に基づいて決められています。WHO基準が変わることでわが国の安全指針も当然変わることになると思うのですが、厚生省では「直ちに問題になる数値ではない」と説明しているようです。
WHO基準を守らなくても健康に影響がない、という科学的な根拠があるのならまだしも、
どの程度の数値で問題となるのか分からない厚生省が、単に自分たちの定めた基準値を正当化するだけの言い訳をしているようです。“相変わらずの体質”は厚生省に限らないとは思うのですが、論理の矛盾を分かろうとしない「おばかさん」が多すぎます。反省しない官僚の体質は、困りものです。
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■小型車16種の衝突耐久性試験/米、高速道路安全保障協会
米主要保険会社で組織する高速道路安全保障協会は、このほど行った小型車16車種の衝突耐久性試験の結果、今年3月に発売されたフォルクスワーゲンの新型ビートルが総合評価で唯一評価最高の「良好」の格付けを取得したと発表しました。
2位はホンダの1996〜1998年型シビック、3位はトヨタの98年型カローラとGMのシボレー・プリズムでした。
なお2番目の格付けの「許容範囲」に入った日系車は、マツダの95〜98年型プロテジェ(日本名ファミリア)、日産自動車の98年型セントラ(日本名サニー)でした。
調査したのが保険業界であることから、このような格付けの車を持っている人の場合、保険料も当然変わってくるのでしょうか?そうであればテストレポートもユーザーの関心を集め、かつメーカーも一生懸命になり、良いこと尽くめのようです。
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■牛乳パックに「切り込み」/97年度「ベストヒープ賞」
企業の消費者窓口などで働く女性達が組織する「日本ヒープ協議会」が主催する97年度の「ベストヒープ賞」に手で触れるだけで牛乳と分かるようにした紙パックが選ばれました。
視覚障害者が買物をするにはずいぶんと不便なことが多いのですが、紙パック入りの牛乳とジュースの区別は難しいものの一つです。
全国牛乳協会では「業界を通じた社会貢献になる」と意欲的ですが、「中小企業にとってはコスト負担も大きく、時間がかかる」とも言っています。確かに全てのメーカーが対応しなければ「ジュースと思って買ったら牛乳だった」となりかねなく、せっかくのアイデアですがいつ実を結ぶのか先のことになりそうです。
視覚障害者のための表記は生活用品、家電製品、プリペイドカードなどで少しずつ進んできていますが、ある表記をスタンダードにするための業界努力が欠かせません。業界競争ではなく調和が求められる、と言うことでしょうか。
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■日本主導の国際基準作り/高齢者・障害者配慮の製品ガイド
高齢者や障害者にも使いやすい製品を設計するための、国際的なガイドライン作りの第1回ワーキンググループ(WG)が10月に日本で開催されることになりました。これは通産省・工業技術院の機関で、ISOおよび国際電気標準会議(IEC)メンバーの日本工業標準調査会が5月中旬にチュニジアで開かれた消費者政策委員会(COPOLCO)に参加し、WGの設置を提案して認められたもので日本は議長国を努めます。今後1年をかけてWG案をまとめ99年のCOPOLCO総会までに基本案を作り、2000年の成立を目指しています。
国際基準作りに日本が主導となることはあまりないので、歓迎したいものです。日本ではシャンプー容器の突起などでメーカー間の共通仕様による使いやすい商品があり、これらは欧米よりも進んでいるとも言われています。ただバリアフリーの社会基盤の整備の遅れを見ると、バリアを見つける“目”が養われているのか少々不安でもあります。また、ユーザーの視点から見る、あるべき製品設計のための情報提供やデータが少ないように思います。
とはいうものの議長国の責任を果たすことで、わが国のバリアフリーのレベルも上がると思われ、積極的な取り組みが期待されます。
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■高くつく違法コピー/BSA調べ
違法コピー追放を目指している国際組織、ビジネス・ソフト・アライアンス(BSA)が発表した97年4月から98年3月までの実績報告によると、昨年度1年間に30社・団体が違法コピーを認め、30件で和解し損害賠償に応じました。中には1社で7,000万円の和解金を支払ったケースもあり、大手商社や金融機関、報道機関、出版、建築、流通、製造などの企業の他、コンピュータースクールや公立学校などと幅広く、中でも印刷・出版・広告、建築、教育関係、ソフト産業などで顕著なようです。
米国では違法コピーに関しては非常に神経をとがらせていますが、映像・音楽、出版物などを含むソフトウェア産業の海外売上高が全産業のトップとなったことからもうなづけます。
米知的所有権同盟の98年度版報告書によると、96年のソフト産業の海外売上高は601億ドル(内コンピューターソフトは348億ドル)で、初めて農業(598億ドル)、自動車(533億ドル)を抜いています。
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■国内線全便が禁煙に/航空各社完全禁煙に踏み切る
今年4月に全面禁煙にしたエアーニッポンに続き、日本航空、全日空、日本エアシステム(JAS)、日本トランスオーシャン航空(JTA)、日本エアコミューター(JAC)の5社は13日、国内線の全便を全席禁煙にすると発表しました。
開始時期はJAS、JACが7月17日、日航、JTAが9月1日、全日空が10月1日です。JASは8月末までの期間限定ですが、「9月以降は利用客の反応を見て決定する」としています。
航空機の場合、禁煙席と喫煙席の間にしきりがなく、「たばこの煙が流れてくる」といった苦情が絶えなかったようです。ただ各社とも飛行時間の長い国際線には喫煙席を残しますが、これも将来新たな対応を迫られることになるのでしょう。愛煙家にとっては益々肩身が狭くなるのですが、社会的な風潮として観念するしかないでしょう。
ところで「愛煙家」とはよく言ったもので、喫煙を美化する(喫煙者に遠慮する)用語に思います。「愛煙家ってなに?」と、子供に聞かれたらどのように説明するのでしょうか。ただたばこの煙が好きなだけなので「好煙家」や単に「スモーカー」で良いのですが、このあたりが日本的というか、たばこメーカー主導のコピーがまかり通ってしまったようです。コピーライターなども社会的責任をもっと自覚すべきでしょう。
いずれにしても空気を愛する人にとっては良いニュースです。
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■全館禁煙ホテル/東横イン、仙台に
この7月に仙台にオープンするビジネスホテル「東横イン仙台東口2号館」は全館禁煙にする全国初のホテルとなるようです。建物は8階建てで客室数はシングル、ダブル、ツインの計119室です。レストランなど飲食する場は設けない施設となっています。同社は23軒ホテルを展開していますが、利用客からの禁煙の要望が強いことと、比較的小規模なホテルのために今回全館禁煙に踏み切ることにしたようです。
確かにたばこの臭いがしみついた部屋に泊まることになった場合、これは苦痛です。喫煙しないビジネス(ウー)マンは「仙台に行ったら東横イン」と覚えておきましょう。
しかし旅館業ではお客のサービスよりもお客のわがままを聞くためか、禁煙を掲げるところはいかにも少なく感じます。旅館やペンション、民宿なども禁煙で差別化することで女性客や家族連れに歓迎されると思いますが、どうでしょうか?
純粋に「お客のために」、といった品質ポリシーのない宿ではダメでしょうが…。
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■「たばこで病気に」/肺ガン患者らがJTと国を提訴
肺ガンや慢性気管支炎の患者ら7人が15日、「喫煙で病気になったのは、たばこの害を知らせる情報が与えられなかった」などとして、国と日本たばこ産業(JT)などを相手に、計7,000万円の損害賠償とたばこの宣伝の禁止、有害表示の徹底などを求める訴訟を東京地裁に起こしました。
患者側は「世界保健機関(WHO)は1970年代から喫煙規制を各国政府に勧告しているのに、日本だけがたばこ拡販政策をとっている」と主張しています。これに対し日本たばこ産業では「たばこは古くから人々の生活に親しまれてきた大人の嗜好品であり、このような提訴は非常に残念だ」と話しています。
情に訴えるJTの主張には迫力がありませんが、わが国の裁判ではどうなることやら…。
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■環境にやさしいグリーン・キーホテル/世界が注目、デンマークに100軒余
水や電気を節約し、朝食には無農薬の食材を使った料理を出すなどの基準で認定されるデンマークの「グリーン・キーホテル」が今、世界の注目を集めています。
4年前に創設された制度ですが、地球環境や健康に配慮するホテルの必要性を1人の女性が訴えたのがきっかけで、ホテル経営者や環境保護団体などが共鳴し政府も補助金を出して国家的に支援しているものです。
このグリーン・キーの認定を得るためには、水や電力の制限、禁煙室を設ける、再生紙の使用、ゴミの分別処理、屋外での殺虫剤の使用禁止、生ゴミのたい肥化…など環境と健康について定めた55項目の内一定の基準を満たさなければなりません。また認定されても1年ごとに審査を受けるので取り消されることもあります。現在デンマーク国内では100軒を超えるグリーン・キーホテルがありますが、関係者の話しでは来年は200軒まで増やしたいようです。
日本からもホテル経営者や環境問題に興味のある女性達などが殺到しているようで、現地視察団のために特別に企画された「グリーン・ジャーニー」という3日間の研修ツアーが人気のようです。環境保全と旅の共存を計るグリーン・ジャーニーには、そのほかエコキャンプやファームスティなどのプログラムも用意されています。
デンマークでは環境についての国民的なコンセンサスがすでに成立しているようで、1人の人間の呼びかけで政府までが協力するというのはうらやましい限りです。アトピー性皮膚炎やアレルギーの人でも安心して泊まれるグリーン・キーホテルは、日本でも心待ちにしている人が多いと思います。
「グリーン・ジャーニー」などについての問い合わせは、スカンジナビア政府観光局、電話03-3580-8360までどうぞ。
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終わりに
道路標識の話題がありましたが、ここ最近車を運転していて良くなったと感じるものの中に、水を吸収するアスファルト道路があります。このアスファルト道路は、雪が多く積もった場合でも日中に溶けて夜中に凍り付く量が大幅に減り、あっと言う間に無くなってしまいます。
また雨の日の車による水はねも少なくて、全国の道路(生活道路を含めて)で採用してもらいたいものです。このタイプの道路ですと当然下水に流れ込む水の量の大幅な減少にも役立つので下水施設の耐用年数にも貢献すると思います。また雨水による地下水の確保にもつながり、地盤沈下なども減少するであろうし、乾燥期の街路樹への水やりも減らすことができると思いますが、どうでしょうか。
施行主体となる人・組織に都合の良い管理ではなく、利用者や環境全体のバランスを考慮した技術をどんどん採用して欲しいものです。
そのようなお金の使い方をしてくれるのであれば、その分の税金を払うこともいとわないのですが…。
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