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2008.9 No.177  発行 2008年9月25日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6512/Fax:0263-50-6315

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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8月のニュースから

■エスカレーター逆走、10人けが/120人乗せ急停止後、東京ビッグサイト

 3日午前10時ごろ、東京ビッグサイトで、西ホールの上りエスカレーターが急停止し、下り方向に逆走しました。乗っていた約120人のうち、19歳から54歳までの男性8人と女性2人の計10人が軽いけがをし、警視庁東京湾岸署は管理などに問題がなかったか、業務上過失傷害容疑で関係者から事情を聴いています。

 エスカレーターは「日本オーチス・エレベータ」製で、1階から高さ約16メートルの4階まで直接結ぶ長いものです。事故はイベントのオープンに合わせ、警備員が2列に並んだ客らを会場の4階に誘導する際に発生、先頭の警備員が全長35メートルのエスカレーターを7割ほど上がったところで急停止、ずり落ちるように下向きに動いたために将棋倒しになったものです。

 調べでは、エスカレーターの緊急停止ボタンが押された形跡はなかったといい、設計上はステップ当たり130キロの計算で、計1万1180キロ(ステップ86段)の荷重に耐えられるもので、加重オーバーでは自動停止するといいます。

 同社製のエスカレーターをめぐっては、5月に名古屋市の市営地下鉄の駅で停止後に逆走し11人が軽傷を負った事故があり、ボルト破損が原因とされたことから、国土交通省による点検指示でビッグサイトでは今回事故のあったものも含め点検し、同社製の8基について異常はなかったといいます。

 事故のあったエスカレーターは96年4月設置、点検は毎月1回実施し先月の点検でも異常はなかったもので、これまで大きなトラブルもなかったといいます。ビッグサイトは施設内にあるオーチス社製の8基を含め、38基のエスカレーターの運転を安全が確認されるまで中止しました。

 ニュースでは一つの段に3、4人が乗っていた状況が解説されていましたが、その異常な光景に主催者側の危険認識はどうだったのでしょう。イベントの主催者はエレベーター設置者ではなく安全管理の義務がない、という話もあるようですが、それはハード面での管理であり、異常な数の人を乗せる状態を作った管理責任は当然主催者側にあるはずです。


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磁気活水器、有害物質除去せず/国民生活センター、全テスト商品で

 有害なトリハロメタンや残留塩素を水道水から除去・低減する効果をうたう「磁気活水器」について、国民生活センターは20日、テストした6社の6商品すべてで、そうした効果はなかったと発表し、景品表示法に触れる恐れがあるとして公正取引委員会に業者の処分を要望しました。

 テストした商品は、配管工事なしに蛇口や水道管を挟み込むように取り付けるタイプで、インターネットや訪問販売などで約3千〜約23万円で売られ、広告や資料には「磁場を通過する際に塩素やトリハロメタン等の有害物質も軽減され、まろやかな味の水に変化します」などと書かれているものです。

 センターではトリハロメタンや塩素を溶かした試験水を、毎分10リットルで10分間蛇口から流した時点で濃度を調べましたが、磁気活水器の有無で違いはないとする結果が出たといいます。


 浄水器は家庭用品品質表示法で「水道水から残留塩素を除去する機能があるもの」と定義されていますが、「活水器」にはこうした基準がありません。全国の消費生活センターなどに今年7月までの約5年間で4650件の苦情や相談が寄せられていて、12社が加盟する日本磁気活水器協会は「活水器は濾過器や浄水器と根本的に違い、不純物を物理的に除去できないものであり、加盟社に誇大表示をしないよう指導したい」といいます。

 顧客の感じる効果が客観的科学データで出てこない商品、「水の味が美味しくなりましたよ」ということだけで、騙されてきた人はかなりの数にのぼりそうです。
しかし多くの業者では相変わらずインターネットで商品を販売をしているため、気をつけたいものです。

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ドライアイスの事故相次ぐ

 東京練馬区で15日、男児(5)がペットボトルにドライアイスを入れて遊んでいたところ、ボトルが破裂し、腕などに軽いけがをする事故がありました。ドライアイスが気化して膨張したためで、東京消防庁は「密閉容器にドライアイスを入れないで」と注意を呼びかけています。

 光が丘消防署によると、同日午後3時すぎ、自宅玄関前で男児と姉(7)が水を入れた500ミリリットルのペットボトル2本に数センチ大のドライアイスを入れ、ふたを閉めた状態で持って遊んでいたところ、1本が突然破裂したものです。ボトルの破片が男児の腕や手の指、胸や腹などに当たってすり傷などを負い、病院に運ばれました。

 使っていたドライアイスは配達された食料品に保冷用に入っていたもので、当時、両親は室内にいて、姉弟がドライアイスで遊んでいるのには気づかなかったといいます。

 同庁管内では04年8月〜07年12月、同様の事故が6件発生し、子どもを中心に10人がけがをしたといいます。
 
 経済産業省は26日、ドライアイスが気化する圧力でフードプロセッサーのガラス製容器が破裂し、静岡県の女性が割れたガラスで顔や手に重傷を負ったと発表しました。女性は短時間でアイスクリームを作る「裏技」に挑戦していたといい、経産省はドライアイスを密閉された容器に入れないよう求めています。

 ネットなどでは、牛乳や生クリーム、砂糖、卵黄などに粉状のドライアイスを入れて激しくかき混ぜると、アイスクリームが「一瞬でできる」と紹介していることが遠因となっています。ドライアイスを粉状にするには、氷かき器など空気が自由に出入りできる道具を使うよう勧めていますが、女性はフードプロセッサーのガラス製容器のふたを閉めていたといいます。

 ドライアイスは気化すると体積が約750倍になるといい、密閉された環境で使用するのは非常に危険であることを知ってほしいものです。

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クロックス製サンダル飾りで、けが5件/幼児らつめはがす

 米クロックス社製の樹脂製サンダルに取り付けるアクセサリーで、3―19歳の男女が足のつめをはがす事故が昨夏から5件あったことが7日、経済産業省などの調査で分かりました。4件は同社が販売する「ジビッツ」で、1件は他社の類似品といいます。

 経産省や同社の輸入・販売子会社クロックス・エイジア・プライベート・リミテッド日本支社によると、ジビッツはプラスチック製で、サンダルの甲の部分にある複数の穴にはめ込んで使うもので、花や動物、アニメキャラクターなど約560種類あり、1個300―500円と安いこともあり人気商品のようです。2007年の販売開始以降、300万個前後を売り上げているといいます。

 事故は昨年8月、サンダルをはいた大阪府吹田市の7歳の男児が親指のつめをジビッツの留め具に引っかけてはがしたものので、今年6月と7月に宮城県の19歳の女性や愛知県の3歳の男児、福岡県で4歳の女児が同様のけがをし、7月には群馬県の8歳の男児もサンダルに付けた類似アクセサリーでつめをはがしています。

 いずれも足のサイズより大きいサンダルを履いており、前後に足が動いた際、留め具につめが引っ掛かったのが原因とみられています。同社は「事故は重く受け止めている。安全のため足の形状に合った商品を選んでほしい」としています。

 ジビッツの企画・設計段階では想定できなかった事故のようですが、使い方が悪いから気をつけなさい、というものでもないでしょう。商品の改善が求められます。

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中国産はちみつ、国産と表示/直売所の販売業者を指導

 中国産原料を使ったはちみつを国産と表示して販売したとして、兵庫県西播磨県民局は8日、JAS法に基づき、同県佐用町の養蜂業者に適正表示などを求める指導を行いました。

 道の駅などの直売所で販売され、業者は「販売が好調で不足分を補うためにやった」と話しているといい、既に全商品が自主回収されています。

 道の駅や農産物直売所では、地域の生産者が持ち込む野菜・果物・加工品が多く並び、消費者に安心できる商品として人気が高まっています。このような販売所で売る商品での原産国不正表示は、地元で信頼される場所・環境というものを利用して顧客を騙すという悪質なものだと言えます。
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いつまでも続く米国産牛肉問題/ひき肉混入や、ヤミ輸入発覚

 農林水産省と厚生労働省は8日、日本ハムの子会社「ジャパンフード」が輸入した米国産牛肉から、衛生証明書に記載のないひき肉が見つかったと発表しました。両省は出荷した米食肉大手カーギル社のドッジシティー工場からの牛肉輸入を停止し、米政府に原因究明を要請しました。

 米国からのひき肉輸入は禁止されていますが、今回のひき肉にBSEの感染リスクが高い特定危険部位が含まれているかは不明だとしています。

 農水省によると、ジャパンフードは7月24日に冷凍肩肉として298箱(約3.8トン)を輸入、一部を同じ日ハムの子会社で加工・販売を手がける「日本ピュアフード」が購入しています。同社社員が8月7日に千葉県船橋市の冷凍倉庫で検品したところ、うち1箱に衛生証明書に記載がないひき肉の塊1個(約4.5キロ)が入っていたため事件が判明したものです。

 農水省は26日、今度は米国産牛肉が輸入条件に違反して中米・コスタリカ経由で国内に輸入されていたことが分かったとして、同国からの牛肉輸入を全面停止しました。コスタリカ経由で米国産牛肉のヤミ輸入が明らかになったのは初めてだといいます。

 農水省動物衛生課によると、今回ヤミ輸入が分かったのは米国産牛タン約1.4トン(320箱)で、今月20日の抜き取り検査で出荷した施設名はあるものの、と畜施設にかんする記載のない衛生証明書の不備が判明しました。

 同省の問い合わせにコスタリカ政府は25日、冷凍牛タンは米国のタイソン社ダコタシティ工場(米ネブラスカ州)でと畜した米国産牛肉であると回答してきました。

 日本政府はコスタリカから輸入する牛肉については、同国を含めてBSE発生が確認されていない18カ国・地域産牛肉のみを認めています。しかし、米国産牛肉は認めておらず、農水、厚労両省は輸入条件に反するとして、コスタリカからの牛肉輸入を全面停止し、同国政府に詳細な調査結果の報告を要請しました。

 農水省動物衛生課によると、輸入したのは福岡県の業者で、コスタリカの出荷業者は今年7月、日本向け牛肉の加工・保管を行う認定を受けたばかりでした。

 コスタリカから日本に輸入されている牛食肉は、年間全輸入量の0.1%程度だといいますが、儲けやすいためか、今回のように日本市場に参入する業者が今後も出てくるのでしょう。

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リンゴジュースで不正表示、輸入果汁原料を「青森県産」

 青森県は4日、青森県弘前市のリンゴ加工品製造・販売会社「青森県果工」が、産地や加工法を偽装表示した飲料製品などを販売したとして、JAS法違反で業務改善を指示しました。

 県によると、青森県果工は昨年7月から今年6月、紙パック入りの果汁入り飲料「バーモントリンゴ酢」(1リットル)について、中国などからの輸入濃縮果汁を原料にしたのに「青森県産りんご果汁使用」と表示し、約5キロ・リットルを販売したものです。

 同じ時期に、「あおもりアップル」(1リットル)など4種類の商品についても、濃縮果汁で作ったのに「りんごジュース(ストレート)」と表示し、少なくとも計112キロ・リットルを販売していたといいます。
県の調査に対し、2年ほど前から不正表示をしていたことを認めた佐々木社長は、「原材料の品不足と高騰により、悪いとは知りつつ、すべて私の指示でやった」と話しました。

 県は7月18日、東北農政局青森農政事務所から偽装表示の情報を受け、25日に調査を開始、昨年7月から今年6月までの1年分を調べて分かったといいます。

 国内で消費されるリンゴ果汁は、過去20年で3倍に伸びていますが、一方消費量に占める国産のリンゴ果汁は減少の一途をたどり、近年ではわずか1割の「希少」果汁となっているとのことです。

 農水省によると、1989年に国産・輸入合わせて30万トンだったリンゴ果汁の消費量(生果として消費されたと換算)は、05年には89万トン(同)と3倍に増加しています。この間、輸入果汁消費量(同)は9万トンから79万トンに大きく伸びたものの、国産果汁消費量(同)は21万トンから10万トンに減っています。同省では、90年にリンゴ果汁の輸入枠が撤廃されたため、95年以降の段階的な関税率引き下げが影響している、と分析しています。

 リンゴ果汁の輸入元は、世界各地に広がり、06年に海外から輸入したリンゴ果汁は約8万キロリットルで、国や地域によって果汁の濃縮率が4分の1から7分の1と違いがあるものの、中国産が約5万3千キロリットルと圧倒的に多く、オーストリア(約1万キロリットル)やチリ(約4400キロリットル)などが続いています。また南アフリカやトルコ、ニュージーランドなどからも輸入しています。

 リンゴ果汁原材料を日本産と偽る原因として、生食で高く売れる高品質なリンゴ生産農家が増えたことと、加工用のリンゴが減ったのが一因とされています。また、道の駅や直売所が増えて、加工用に回していた「傷ものリンゴ」が安価に売れるルートができたことも影響しているといいます。

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