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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。.
12月のニュースから
■「ヤナセ」関連会社販売の除雪機、発火相次ぎリコール
経済産業省は19日、輸入車販売大手「ヤナセ」の関連会社「ヤナセ産業機器販売」(東京)が販売した小型除雪機で発火事故が相次いでいると発表しました。
同社は先月、14機種で6900台のリコールを届け出ていますが、降雪期になっても改修が全体の1割弱しか進んでいないため、同省が公表に踏み切ったものです。
対象は2002〜06年6月まで北海道や東北、北陸、信越地区で主に一般家庭に販売された「スノースロワー」です。
同社によると、この除雪機では、ひえ込みの際にエンジン(米国ブリッグスアンドストラットン社製)がかかりにくくなり、本来始動性を高めるためのプライマーボタン(燃料供給ボタン)を何度も押すうちに燃料があふれ、キャブレターより発火するおそれのあることが判明したといいます。
同社では、このまま使用すると同様の事故につながる可能性があるとして、除雪機の搭載エンジンの無償修理を始めたものです。同様の事故は国内で3件、米国で計48件発生しているといいます。
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■ガリレオ温度計による事故が多発、国センが注意呼びかけ
国民生活センターは7日、ガラスシリンダーに入った液体の比重変化で温度を示す「ガリレオ温度計」について、液体に灯油と同じ成分を含むものがあり、割れた際に触れると、やけどをする恐れがあるとして注意を呼び掛けました。
センターによると、今年1月、鹿児島県の医師から「1歳の女児がガリレオ温度計の液体を浴びてやけどをしたが、成分表示がないので対応方法が分からない」と情報提供があり、そして9月には千葉県に住む5歳の男児が同様の被害に遭ったと家族から相談が寄せられたといいます。
センターが、中国製やドイツ製など8商品をテストしたところ、1銘柄は水分が主成分と考えられたものの、石油系ドライクリーニング溶剤や灯油にも含まれている成分が検出され、数時間程度皮膚や衣服に付いたままにしておくと化学やけどを起こす危険性があるとしました。また、中に入っている液体については「無害」「毒性のない」などと記載されているものが5銘柄、ガラスの破損に対する注意表示のないものが4銘柄あったといいます。
液体の成分名とガラスが割れて中の液体に触れてしまったときの対処法が記載されていないものも4銘柄あり、製品の取扱いや注意事項についてしっかりと表記されているものはわずかであったとしています。
同センターは、「購入する際は液体の成分などの表示がきちんとされているものを選ぶこと」、「子供の手が届く場所に置かないこと」、「中の液体が皮膚に触れてしまったら、十分な流水ですぐに洗い流すこと」、「衣服にかかったら、速やかにかかった衣服を脱ぎ、十分な流水ですぐに洗い流すこと」など注意を呼びかけています。
インテリア趣向の強い、きれいで面白い商品なので、危険の存在について直感的に理解できない人がほとんどだと思います。また、幼児ではきれいな色のついたものが「ゆらゆら」しているので、触りたくなるのは自然な行動で、しかも安定性に欠けているので倒れる恐れは十分あります。そのような商品でありながら、液体について「無害」「毒性のない」という表示は、ずいぶんひどいものです。[目次へ]
■製品欠陥で火災174件/消防庁、社名など公表
2006年に発生した電気用品や自動車などによる火災5286件のうち、174件は製品の欠陥が原因だったことが27日、総務省消防庁が初めて実施した調査で分かりました。174件の1つで荏原シンワ製の循環式風呂湯沸かし器の欠陥による火災では、死者が出ています。
消防庁は同日、消費者に注意を促すため、174件の火災を起こした製品の種類とメーカー名とともに、今回の調査で「原因が欠陥かどうか不明」と分類された火災719件のメーカー名などを、同庁のホームページで公表、経済産業省はじめ関係省庁や都道府県などに結果を連絡しました。
消防庁によると、174件のうち、コロナ製の石油給湯器の1件を除く173件分の製品については、メーカー側が既に自主回収やリコールなどの対応を取っているといいます。
欠陥製品の種類別では、こんろ、ストーブ、テレビなど電気用品が105件で最も多く、次いで石油給湯機やガス衣類乾燥機などの燃焼機器が49件、自動車20件となっています。[目次へ]
■平成18年度事故情報収集制度報告書
経済産業省は13日、製品の老朽化による事故を防ぐため、普及台数が多い洗濯機、テレビ、エアコン、扇風機、換気扇の家電5品目について、安全に使える耐用年数や注意事項を製品本体に表示するよう、メーカーに義務付ける方針を固めました。
14日に成立する見通しの、改正消費生活用製品安全法(消安法)に制度概要を盛り込み、政省令で5品目を指定することになります。耐用年数は、経産省がまとめる「基本的考え方」に沿って、各メーカーが「製造後10年間」など製品ごとに定めるとしています。
今年8月に東京都内で長年使っていた扇風機が発火し老夫婦が焼死するなど老朽化家電の事故が続発、このため製品に「耐用年数を超えて使用すると事故の恐れがあります」などの注意事項や問い合わせ先を表示し、消費者に一定期間後の点検や買い替えを促す狙いです。[目次へ]
■暖房器具のご使用前に愛情点検を/三洋電機、新聞で呼びかけ
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、消費生活用製品等に関する事故情報の収集を行い、平成18年度事故情報収集制度報告書をまとめました。
報告書は、平成18年度(平成18年4月〜平成19年3月)に収集された事故情報の収集状況、平成18年度に調査・評価が終了し公表された事故情報に関する各種データ、事故情報調査結果の分析・評価と事故動向等について取りまとめ平成18年度版報告書として公表したものです。
事故情報の収集は、消費生活用製品等(家庭用電気製品、燃焼器具、乗物、レジャー用品、乳幼児用品等)が関係して発生した事故で、人的被害が生じた事故、人的被害が発生する可能性の高い物損事故、人的被害が発生する可能性の高い製品の不具合に関する情報、の3種類について行っています。
平成18年度における情報源別事故情報収集件数は、4,084件(表1)で、 前年度比約38%の増加となりました。収集件数が最も多い情報源は「新聞情報等」で、全体の約45%を占めていますが前年度比では約5%減でした。
次に、「製造事業者等」が約30%を占め、前年度比では115%増でした。この要因は、ガス瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故やシュレッダーによる幼児の指切断事故など私たちの身の回りで使用されている製品の事故が次々に明らかになり、社会問題として大きく取り上げられたことから、製造事業者等からの事故報告が多数寄せられることに至ったためと指摘しています。またこのことは、後に消費生活用製品安全法の改正・施行されることにつながっています。
以下、「消費生活センター等」の約9%、消防機関を含む「自治体等」の約7%、「国の機関」の約5%、「消費者」が約3%となっています。これら4機関からの事故情報提供は、いずれも前年度比180%増、37%増、376%増、145%増と大幅に増加しています。
製品区分別事故情報収集では、収集件数が最も多い製品区分は、「燃焼器具」で全体の約39%を占め、前年度比では54%増でした。これは、平成18年度のガス瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故等、燃焼器具の事故に関する新聞報道等が増えたことに伴い、製品安全に関する社会的関心が高まったことで事業者からの報告が増えたことが要因とされてています。次いで、「家庭用電気製品」の約38%(前年度比71%増)、「身のまわり品」の約7%(前年度比178%増)の順となっていました。[目次へ]
■イタリア展で中国製家具販売/百貨店など10社警告、「不当表示」で公取委
百貨店の「イタリア展」で中国製家具が販売されていた問題で、公正取引委員会は20日、伊勢丹など百貨店7社に対し、景品表示法違反(原産国に関する不当表示)の恐れがあったと警告しました。
警告を受けたのは伊勢丹のほか、京王百貨店(新宿区)、松屋(中央区)、丸井今井(札幌市)、岩田屋(福岡市)、山形屋(鹿児島市)、宮崎山形屋(宮崎市)で、公取委によると「イタリア展」の名称で開いた催し物で販売した商品の一部に中国製家具が含まれていたものです。
各社は取引業者にイタリア製家具を発注したものの、納入された商品の原産地は確認していなかったもので、「そんなこともしていないのか」と怒られそうな、ブランドを預かる企業として顧客の信頼を無視した行いといわざるを得ません。
中国製だったのは、今月17−22日に伊勢丹札幌本店で開催した「大イタリア展」で、展示・販売した家具30点のうち、カウチソファやダイニングチェアなど4点で20日に展示品を見た客から「中国製ではないか」と指摘があり、都内の取引先の業者に問い合わせた結果、判明したものです。客に言われるまで販売側が気がつかない、と言うのでは困りものです。
また宮崎山形屋では9月19―24日、中国製のカウチソファ(12万円)とダイニングチェア(2万8350円)を「イタリア家具」と表示して販売、県内の5人が計13点を購入していました。同社は10月25、26日、購入者に対して謝罪、全員が商品を返品したといいます。
同社は原産国の確認を、取引先と口頭で行っていただけという、ずさんなもので、この業界はこの程度のレベルなのでしょうか?
公取委は「百貨店は商品の発注や売り場での陳列など、かなりの部分を業者に一任しており、特定店舗だけの問題ではない」と判断、百貨店協会に対し、確認した上で表示する態勢をつくることなどを要望しました。[目次へ]
■生のにごり酒で開栓時に栓が飛んで怪我、眼底打撲で入院も/国セン事故事例公表
国民生活センターの全国消費生活情報ネットワーク・システム(PIO-NET)に、にごり酒や中汲みの開栓時の事故事例が寄せられています。調査の結果、これらは生のにごり酒や生の中汲み(以下、「生のにごり酒」)の栓が飛んで起こった事故であることが分かったといいます。
寄せられた事故の概要は「瓶入りの日本酒の栓を開ける際、栓が飛んで目に当たり、眼底打撲で入院。商品が欠陥であることを調べるための機関はないか」(酒の種類:生のにごり酒)(事故発生年月:2007年6月、受傷者:30歳代 男性 高知県)、「景品でもらった一升瓶の清酒を開栓したところ、蓋がいきおいよく飛んで眼鏡にあたり、片方のレンズにひびが入った」(酒の種類:生の中汲み)(事故発生年月:2007年3月、当事者:30歳代 男性 滋賀県)といったものでした。
センターはテスト結果として、「事故事例にあるように日本酒を開栓する際、実際に栓が飛ぶことがあるのか、「生のにごり酒」を用いて簡易テストを行った。その結果、いくつかの条件で中栓が勢いよく飛ぶことがあり、スパークリングワインの栓がアルミ缶を凹ますのと同程度の衝撃があった」としています。
このためセンターは「開栓時に栓が勢いよく飛ぶことがあるにもかかわらず、消費者にはその危険性が想像しにくい点に大きな問題がある。単なる注意表示だけではなく、構造面を含めた、より抜本的な対策が必要と考える。また、にごり酒には加熱等の処理を行ったものもある。消費者にとっては、同じにごり酒でありながら、「生のにごり酒」との区別がつきにくく、混乱しがちである」と述べています。
加えて消費者には「生のにごり酒」は酵母が生きており、開栓時に飛栓することがあるため、必ず注意表示を読んだうえで、周囲に人や物がないことを確認してから開栓すること、「生のにごり酒」は開栓時の飛栓の衝撃はかなり強い製品もあるため、十分注意すること、「生のにごり酒」とにごり酒は、その性質が異なるので、「生のにごり酒」を振ったりしないよう、取扱いには気をつけるよう注意をうながしています。[目次へ]
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