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2004.7 No.127  発行 2004年7月12日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel/Fax 0263-78-5002

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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6月のニュースから

■関電、不正記録3,659件/火力11カ所、検査ねつ造も

 関西電力は28日、運営する火力発電施設11カ所すべてで、2000?2003年度に自主検査のデータねつ造など不正な記録処理があったと発表しました。不正の総数は計3,659件に上り、特に悪質な処理にかかわった十数人の処分を検討しているといいますが、同社はMOX燃料のデータねつ造問題で停滞していた高浜原発のプルサーマル計画を今年再開したばかりで、今回の発電施設検査での不正発覚で管理体制に対する不信が広がりそうです。

 不正が明らかになったきっかけは、関空関連施設で5月末に176件の不正が発覚したことから、5月31日の近畿経済産業局による「6月末までに調査報告を行うように」との指示を受けて他の施設も調査したところ、新たに3,483件もの不正が判明したというものです。東京電力の原発トラブル隠しで自主検査の不正が問題となったのは、つい2年前のことです。当時は電力不足まで招いた大きなニュースでしたが、その不祥事の教訓は全く生かされていないことになります。

 これらの不正は施設の責任者が黙認していたものもあり、「正規の手続きの手間を省くため、現場の判断でやった」(関電)とされています。 そこには法令順守とはかけ離れた、つじつま合わせのメ何でもありモの社内体質が見て取れます。1カ月前に明らかになった関空関連施設での定期自主検査データねつ造が、全ての火力発電所で行われていたことから、おそらく原子力発電所でも同様なずさんな管理が推察され、重大事故の潜在的リスクは高いとみるべきでしょう。

 近畿経済産業局が行った5月31日の指示文書は、「検査をしていなかった設備について安全が確保されていたとする根拠」を求めています。これに対して関電は、「2001・ 2002年に検査をしていなくても、2003年に検査しているから安全は確保されている」と答えているというのですから、「結果よければ日常管理はいらない」という信じられない論理を展開しています。監督官庁である近畿経済産業局は、今回の関電の回答に対してどのような指導をするのか興味があります。

 関電はまた28日に発表した報告書
(http://www.kepco.co.jp/pressre/2004/040628_j.html)の中で、原因と再発防止対策として「コンプライアンス(法令遵守)の浸透不足」等をあげていますが、関電が「社内コンプライアンス委員会」(委員長は藤洋作社長)を作ったのは2002年11月です。しかし、その後も検査データのねつ造・改ざんは組織的に行われていたことになり、トップの責任が問われるべき問題だと思います。さらに関電は、原因の一つとして「品質システムの部門のトップマネジメントの指導不足」をあげていて、部門長の責任だけを求めてコンプライアンス委員会の長である社長の責任は回避しているのです。何ということでしょう。


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回転式遊具で7歳女児大けが/盛岡

 盛岡市内で回転式ジャングルジム(グローブジャングル)から、小学2年の女児が振り飛ばされ、近くの鉄棒にぶつかって重傷を負っていたことが9日分かりました。

 このグローブジャングルを含めた3台は、定期点検を請け負った業者が約1年2カ月前から他の設備との間隔が狭く危険だと指摘していたのですが、市は何の対策も講じていなかったことも明らかになりました。
市公園みどり課によると、事故は1日午後5時ごろ、同市津志田の塚堰2号幼児公園で発生、女子児童が居合わせた男性に遊具を回してもらい遊んでいたところ、加速がつきすぎて飛ばされ、1.3メートル離れた鉄棒の支柱に激突、内臓損傷、肋骨骨折などの重傷を負ったものです。

 遊具メーカーでつくる社団法人日本公園施設業協会が2002年10月に定めた「遊具の安全に関する規準」では、グローブジャングルの場合は周囲の遊具とは1.8メートルの距離を取るよう求めています。指摘を受けた市は「遊具の欠陥に比べ、スペース不足に対する危険の認識は薄かった」(公園みどり課長)とし、対策を取っていなかったものです。

 遊具そのものの欠陥に対しては危険を認識するが、設置状態・環境については配慮していなかったという、ずいぶんお粗末な認識だといえます。遊具などの構造物は設置後の隣接環境全てが使用者に供与するメ製品モとして考えるのは当たり前ですが、これでは電車の車輌の安全だけを確認して、ホームとのすき間を考えないことと同じです。

 同市が8、9日に行った点検では、189基の遊具のうち、ブランコや滑り台などを含む116基でスペース不足を確認、うちグローブジャングルは7基で、他の遊具と1メートルしか離れていないケースもあり、すべて使用禁止としたといいます。また今後、他の遊具も含め配置や撤去を検討するとしていますが、自らの落ち度で危険を作ったのですから市民のCSを考えて配置の検討を最優先にし、安易に撤去するメ恥の上塗りモは最小限にしてもらいたいものです。

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国内初の強毒型MRSA/子供から検出、警戒訴え

 抗生物質が効かないメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のうち、「強毒型」の菌が、入院経験のない国内の子供の皮膚から初めて検出されたと、菌を分離した山本達男・新潟大教授(細菌学)が19日明らかにしました。このように病院外で感染するMRSAは病院内でのそれと区別して「市中獲得型MRSA」と呼ばれています。


 市中獲得型MRSAは90年から欧米各地で報告されているもので、国内でも近年入院歴のない幼稚園児の皮膚などからMRSAが見つかっていましたが、強毒型の報告はありませんでした。米国では1997年〜99年にかけて強毒型MRSAに感染した子供4人が肺出血などで死亡し、国際的な関心が高まっています。

 順天堂大医学部の平松啓一教授(細菌学)らの調査では、健康な乳幼児の5.6%がMRSAを持っていたとされ、乳幼児の間では薬の効きにくい「とびひ」(皮膚に水ぶくれができるなどしてかゆくなる病気)が増えていることとの関連性が考えられます。

 多量の抗生物質を使う病院内の患者ではMRSA感染が問題となっていますが、入院歴のない子供から抗生物質耐性菌が見つかるというのはどういうことでしょう。黄色ブドウ球菌が抗生物質への耐性を持つ、ということですから菌の生息環境に抗生物質が多く存在していると考えたくなります。畜産物に多量に投与されている抗生物質が、食品から子供たちの体に入り込んでいるのでは、という危惧を感じてしまいます。

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ミスタードーナツ、おかゆにガの幼虫/ダスキン販売中止

 ダスキンは1日、運営しているミスタードーナツで販売している「ミスター飲茶・涼風粥」にガの幼虫が混入していたため、販売を中止したと発表しました。この京風粥は全国の1,131店舗で5月28日から発売したばかりで、山形、千葉、高知の各県の計3店舗で長さ8?12ミリのガの幼虫が入っているのを店員や客らが見つけたものです。

 京風粥は製造委託を受けた名古屋市の食品会社が加工していて、同社では具のベトナム産ホウレンソウに付着していた幼虫が、洗浄が不十分なために残ってしまった可能性が高いといいます。

 農薬漬けで虫が付かない野菜よりはいいですが、やはり気持ちのいいものではありません。ミスタードーナツでは法定外の食品添加物入りの肉まん事件の後、消費者団体出身の女性を役員に招き消費者の信頼回復に取り組んできましたが、昨年11月に景品のスリッパから針が見つかったり、今年1月にはポテトクリームスープの中に虫が混入したりするなど不祥事続きです。これは基本的な品質を管理・維持できない要因の存在があるはずで、マネージメントシステムの抜本的な改革が必要でしょう。

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アカネ色素に発ガン性、使用禁止へ/厚労省方針

 ハムやかまぼこなどの着色に使われる食品添加物「アカネ色素」に発がん性が認められたとして、厚生労働省は18日、メーカーに同色素を使った食品の製造・販売の自粛を要請、消費者にも同色素が入った食品の飲食を控えるよう呼び掛けました。アカネ色素は古くから染料としても使われてきたなじみのあるものですが、動物実験により肝臓に高い発がん性を持つことが判明したため、食品としての摂取を控えるよう要請したものです。同省はまた、同日食品安全委員会に健康影響評価を依頼しました。

 アカネ色素はセイヨウアカネの根を原料とする天然添加物で、ハム・ソーセージなどのほか、菓子類、清涼飲料水、麺類、ジャムなどにも使われていて、国内で年間3〜5トンほど生産されているといいます。またアカネ色素が使用された食品がベトナムや中国などから、昨年だけで約23トンも輸入されていることから、日常的に同色素の入った食品を食べている人は注意したほうが良いようです。ちなみに米国やEUでは食品添加物としては承認されていないとのことです。

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公益通報者保護法が成立、内部告発者守られるか

 企業の不正などを内部告発しても、解雇や降格などの不利益を受けないようにするための公益通報者保護法が、14日の参院本会議で可決成立しました。

 相次ぐ企業の不正が明るみになったのはほとんどが内部告発であったことから、内部告発をしやすい環境を整え、企業の不正を未然に防ぐのが狙いです。企業や行政が内部告発の受理・調査体制を整えるのを待ち、2006年春までに施行するとしています。

 新法の保護対象となるのは企業の従業員や派遣労働者、下請け企業の従業員、公務員などで、内部告発を理由とする解雇や派遣契約の解除を無効とするほか、降格や減給も禁止しています。

 通報先は行政機関、企業内部と報道機関や消費者団体といった外部機関の3ルートですが、外部機関への通報は保護対象となる条件があります。これは証拠隠滅の恐れがある場合や、社内に通報しても放置された場合などに限っていることから、内部告発が表に出てこない、といった懸念もあります。

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現場のヒヤリ検出/産総研が装置開発

 産業技術総合研究所の研究チームは、身に危険が及んでヒヤリとした瞬間を検出する装置を開発しました。新装置は耳たぶに脈拍を検出する小型機器を付け、靴下に皮膚の電気抵抗を検出するセンサーを取り付けて、ヒヤリとして脈拍が上がり皮膚の電気抵抗が急上昇するのをとらえるものです。

 仮想現実感体験システムを使って建設現場で鉄骨が誤って落下してくるシーンや、高所の作業場から落ちそうになる場面を再現した実験では精度がほぼ100%だったといいます。

 また、実際に車を運転する実験では、自己申告とセンサーの検出は6回中5回で一致して、なかなかの精度のようです。

 建設現場や工場では従業員にアンケートをして作業環境の改善に取り組んでいますが、正確に状況を再現できるような記憶が少なく、正確なデータが取りにくいのが現状です。新装置で自動的に多くの事例を取得できれば、改善策を作りやすくなるため今後の利用が期待されます。

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満腹時の献血リスク7倍に/大阪府赤十字血液センター調査

 満腹時の献血は食後5〜6時間たったときと比べ、目まいや意識消失などの副作用「血管迷走神経反射(VVR)」を起こすリスクが約7倍も高いことが25日、献血車約32万9,000人を対象にした大阪府赤十字血液センターの調査で分かりました。

 VVRを起こす献血者は全国で毎年数万人にも上り、転倒してけがするなどのケースが少なくないといいます。同センターは年齢など他の要因も併せてデータベース化し、事故防止のため危険度を判定するシステム開発を目指しています。

 食事時間別にVVR発生率をみると、食後2時間未満のグループが1.85%と最も高く、続いて2〜3時間が0.36%、5〜6時間の0.12%と比べ、食後2時間未満の発生率は7.08倍と高くなりました。

 献血することで「貧血を起こさないか」と心配することから、「空腹時よりもある程度食べておいた方がいい」と考えがちですが、今回の調査結果から献血のタイミングを気にした方がいいようです。

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