セバスチャン 西川 哲彌
パリの中心部で起きた爆発事件は、「まさか」と思うほどショックでした。 フランスはNATO加盟国で、アメリカのIS(イスラム国)攻撃に協力してはいる。 しかし、植民地にしていたアルジェリア及び北アフリカの諸国の独立運動の中で武力による支配や暴動鎮圧の空しさをいやという程経験している国のはずです。 それ程単純なものではないことは多少承知していますが、29名の犠牲者に報いるために即刻、報復に出て、ISの拠点を空爆する挙に出たことには、いささか失望しました。 やられたからやり返すでは何の解決もしません。 報復としての空爆攻撃は怒りが込められますから、徹底的に行われるでしょう。 「目には目を」どころではなく目をやられたから命まで狙うというやり方です。 誰が喜ぶのでしょう。 犠牲になった29名とその家族、友人でしょうか。 ISを憎む人々でしょうか。 ほんとに喜んでいるのは悪魔でしょう。 悪魔が一番怖がっているのは、ベツレヘムで生れた神の子イエスです。 政治の世界ですから、報復することに反対する者は無視すればいいのでしょう。 しかし政治家達に云いたい。 歴史に学びなさい。 そして良心に問いなさい。 再度、ベツレヘムの御子の前に立って下さい。 さすが、カトリック教会の長女と云われたフランスだなと云わせてもらいたい。 どの新聞を読んでも、どのメディアの報道を聴いても、大きな戦争の泥沼に落ちてゆく予感を禁じ得ない。 人が人を殺して何か解決することは、ほんとうの解決ではない。 ベツレヘムに立ち返えろう。 報復反対。 クリスマスを迎える時に敢えて叫びたい。 |