「死去していた友 再会かなわず涙」 2016年8月25日 掲載
テレビで「アイツ今何してる?」という番組を見て、自分にも再会したい人がいること
に気付かされました。学生時代に人形劇や影絵を一緒に行った仲間たちです。
卒業後、ほとんどの人と音信不通になっていました。四十年ぶりに、昔話をさかなに
酒でも飲みたいと思い立ち、心当たりのある所に手紙を出しました。最も再会したかっ
た人が最後に勤めていた千葉県の小学校の校長(※)から、親切で丁寧な返信が届き
ました。三年前、六十二歳の誕生日を目前にして亡くなったという知らせでした。
教えていただいた命日に、山形県の実家を訪ね墓参しました。彼の姉から話を伺った
ところ「生きた証しに」と書き上げた「大地に蒔いた一粒の種」という本を手渡されました。
「子ども時代を子どもとして生きる素晴らしさを教えることが小学校教員の使命である」
という一文に心を打たれ、涙があふれてきました。しかし、感動の涙はいつの間にか、
生きているうちに再会したかったという後悔の涙に変わりました。
※千葉県八千代市立大和田小学校の「佐藤 雅英」校長先生