自分を変える

 簡単なようで難しいテーマですが、私が学生時代に受講した「自我心理学」で学んだことが
参考になればと思い書きます。
 人間の行動を外から観察すると人により様々です。「性格の違い」といってしまえばそれまで
です。なぜ人により行動が異なるのかですが、それぞれの人が持っている「自己像」(セルフイ
メージ
)が異なるからです。人は無意識のうちに自分が持っているセルフイメージにあった行動
を選択しているからです。それではそのセルフイメージは変えられないのかというと変えられます。
「行動」を変えればいいのです。「自己像」と「行動」は不可分で「相互作用」によりお互いに変化し
ます。

 「自己像が変われば行動が変わり、行動が変われば自己像が変わる」関係にあります。

 「学習とは行動の変容である」というのが教育学の基本理念です。机に向かう学習だけでは
なく様々な場面での体験や人との交流から学んだことも「行動の変容」につながります。相互作
用で「性格」が変わり「人格」※が変わり、大げさに言えば「人生」さえも変わります。
 大切なことは自分を固定的にみない。自分は変われないと思わないこと。客観的に見れば人
は誰しも変化しています。変わらない人などいない。変化を望むなら意識的に行動を変えれば
いいのです。
 話は変わりますが、高校の教員をしていた時、部活動の生徒引率で秋田に行きバスに乗って
いたら、街角で「自分探険 未来発見」という貼り紙を見つけました。その時、探し出す「自分」は
「不変・不動の自分」ではなく「行動により創出する自分」であってほしいと思いました。固定的に
とらえた「今の自分」から見える未来は限られたものになってしまうからです。夢を持ちそれに向か
って努力することも大切なことだと思います。その過程で必ずや変わっていく自分を発見すると思
います。

※「人格」
   心理学でも「流派」により定義は異なりますがここでは「性格、気質、興味、態度、価値観など
   を含む個人の総合体」という意味で使いました。
  「性格」
   行動・認知・情動のパターンで「開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向(情緒安定性)」
   のビッグファイブで定義されます。

「生活の知恵」トップへ