『担任はイケメン先生』 (仲程恵子) 作
イケメン先生の本名は「池田 綿助」。ラーメン大好きで、へんてこな「ラーメン語」を話す。
あいさつ代わりに「オウ! カップラーメン! ミソラーメン! チャシューメン! 今日もいい
ラーメン日和だね!」という具合である。
私の名前は「黒田 朝子」、少々乱暴だが「正義の味方」を自負している。犬猿の仲なのが
口が悪くて意地悪な「伊藤 和樹」。掃除の時、大ゲンカになってしまいました。
先生は怒る代わりに「自分の中で直したいと思うところを一つ考えてくる」という宿題をみんな
にも出しました。
次の日、先生はみんなを連れて近くの山に行き粘土を掘らせ教室に戻ると「これから自分が
嫌だと思っているところを取り去ってくれる「身代わり地蔵」を作ろう」と話しました。
和樹は悪口を言わないよう「口を両手で抑えている地蔵」を、私は蹴ったりぶったりしないよう
「座禅をして手を胸に組んでいる地蔵」を作りました。他のみんなもそれぞれ工夫を凝らして作り
上げました。
先生は、一つ一つ丁寧に受け取り教室中に飾り付け、それからこう言いました。「このお地蔵さ
んたちは、これから毎日3年1組のみんなを見守ってくれる。何か自分の悪い部分が出そうになっ
た時には、深呼吸してから自分の「身代わり地蔵」さんに向かって手を合わせてごらん。きっとお地
蔵さんが助けてくれるよ」(以下略)
この創作童話を書かれた仲程恵子さんの睦小学校(千葉県八千代市)の時の担任が「本間文男」
という私が今でも敬愛してやまない人物です。残念ながら62歳の誕生日を目前にしてなくなってしま
いました。彼の話は改めて書かせていただきたいと思っています。彼の遺作とも言える『大地に蒔い
た一粒の種』の中の言葉を一つだけ紹介します。
子ども時代を子どもとして生きる素晴らしさを教えるのが小学校教員の使命である
彼は、生涯一教員を貫き、定年の年には自ら志願して「1年生担任」になったと聞かされました。その
話を伝え聞いて、彼が「1年生は神様からの贈り物だ」とよく言っていたのを思い出しました。
もし、この「ホームページ」を彼の教え子の方が読まれることがありましたら、思い出など是非お教え
ください。(下のアドレスまでメールしていただければ、私の住所氏名なども連絡したいと思います。)
yukitarou2598@nifty.com
「勤務校」 勝田台小(9年)、睦小(7年)、南高津小(5年)、大和田小(7年)、村上小(7年)、
大和田小(3年)