樹木医「鈴木 俊行」先生の講義から

 剪定を行うには、「樹木の生理」「年間生育サイクル」を知らなければなりません。
誤った剪定をすると枯れてしまったり花や果実の芽をを無駄に切り落としてしまうことに
なります。(枝の付け根にある「保護帯」を傷つけると切り口が塞がらないため)
剪定の目的
   1.造形・整姿
   2.生長の助勢・助長
   3.生長の抑制
   4.着花・結実の促進
   5.樹木の更新(若返り)
   6.病害虫からの保護・防除
   7.移植のための生理調節
剪定の基本
   1)花木類(花や果実を楽しむ)
    花が咲き終わった直後に行えば、次の年に咲く「花芽」を切り落とさずにすむという
    こと。一本の樹木が健全に育つためには「葉」の数が一定数以上必要であること。
    葉と根は不可分の関係にあること。
    樹木は、自ら「切ってほしい場所」※を教えてくれていること。
    枝葉を切るだけでなく、「古葉の除去」や「芽摘み」も有効であることなどを学びまし
    た。
     ※枝の付け根にある「丸い輪」のところで「ブランチカラー」(幹襟)と呼ばれます。
   2)整姿
    落葉樹と針葉樹は12月から3月頃までの休眠期
    常緑樹は寒さに弱いので3月中旬~下旬

 剪定枝(不要枝)・・・下の図
    車枝(対生枝)、重なり枝(平行枝)、さし枝(目突き枝)、交差枝、逆枝(腹切り
   枝)ふところ枝、立ち枝、下垂枝、幹吹き枝(胴吹き枝)、かんぬき、徒長枝(飛び枝)、
   枯れ枝、芽どまり枝(欠芽枝)、ひこばえ(ヤゴ)、もたれ枝(きり枝)、病枝

 剪定をしなければならない又は実施したほうが良い樹木は
   ウメ、ヒノキ、サワラ、イヌツゲ、スダジイ、シラカシ、キョウチクトウ、ゲッケイジュ、
   ヤマモモ、ネズミモチ、カイドウ、ボケ、ザクロ、サルスベリ、ライラック、レンギョウ、
   エニシダなど
 逆に剪定を必要としない又は剪定をしない方が良い樹木は
   サクラ、キリ、クリ、シャクナゲ、モミジ、シラカバ、ユリノキ、ハナミズキ、ヒマラヤスギ
  などです。

  剪定をした場所は、病害虫から守り腐ったりしないように「墨汁と吟醸酒を1:1
  に混合して 塗布すると良いそうです。※ニカワ(防水)スス(殺菌)酒(アミノ酸)
  (トップジンMペーストなどの「癒合促進剤」も市販されています)




























 「生活の知恵」トップページへ