死後の裁判
地元郡山の「NHK講座」で「源氏物語」※を学んでいます。
講師の富田 美知子先生から頂いた「資料」の中に詳しく書かれておりました。
人は死後、あの世(「冥界」)への旅に出ますが「冥土」(生と死の中間の世界)
で生前の行いに対し「裁判」を受け、「閻魔さま」により「天国」に行くか「地獄」
に落とされるかが決められるという風に子どもの頃、教えられたように思います。
ところが、「死後の裁判」は、何回も行われるもののようです。現実の話とは
考えておりませんが、古来の日本人の考え方や仏教に対しての造詣が幾分なりとも
深まるのではないかと考え取り上げさせていただきました。
「資料」にると、人は死後、7日間かけて「死出の山」に登り「初七日」に最初の審査
を受けます。その後、「三途の川」を渡りますが「裁判」は続くのだそうです。
「裁判官」は
初七日;秦広王(しんこうおう) 二七日;初江王(しょこうおう)
三七日;宋帝王(そうていおう) 四七日;五官王(ごかんおう)
五七日;閻魔王(えんまおう)・・・ここで「仮判決」が出されます。
六七日;変成王(へんせいおう)
七七日;太山王(たいざんおう)
※「大練忌」(昼の間だけは「いなくなったこと」に慣れる)
ここで一応「判決が確定」するのですが、引き続き「再審査」が行われるものの
ようです。
百箇日;平等王(びょうどうおう)※「百朝忌」(「いないこと」が深い意識にまで届く)
一周忌;都市王(としおう) ※「小祥忌」(ちょっとだけめでたい)という意味
三回忌;五道輪転王(ごどうりんてんおう)※「大祥忌」(おおいにめでたい) 〃
ここまできて、ようやく「最終判決」が出され、次にあげる「六道」のいずれに行くこと
になります。
天、人、修羅、畜生、餓鬼、地獄
「天」である「極楽」は七宝でできていて、大地は広く、穏やかな素晴らしい世界であるのに
対し、最下位の「阿鼻地獄」は猛火が吹き出ており到達するのに2,000年かかるそうです。
※は、芥川賞作家の僧侶、玄侑宗久さんの「講話」を伺った時のメモです。
「祥」は人の心の変化に伴って「わざわい」が「さいわい」に変わること。
「七回忌」は「超祥忌」ともいい、めでたいとかめでたくないとかを超えた状態。