『孟子』の中の人間
人は生まれつき均しくない。それがわかっていながら平等感を欲している。
ところが、人は平等でありたいと思いつつ奇妙なことに自分だけは特別である
と思いたいものなのです。 (孟子5- 54)
人には他人には言えぬことがある。それを言葉ではなく心でわかることが本当
にわかるということなのです。真意というものは言葉にすると妄になる。だから黙
って言わないのがいいのです。 (孟子4-124)
人と共に悲しみ、人と共に喜ぶことを知らずに生涯を終えるのは寂しい。
(孟子2-307)
自分の子を教えると、厳しくなりすぎるか優しくなりすぎるかどちらかになる。いか
なる聖人でも我が子の教育については「ほど」というものを見失うものです。
(孟子2-117)
2,300年も前の中国(孟子)の「人間観」は、現代の日本人の持つそれとほとんど
変わりません。普遍的なものなのだと思いました。
[参考] 四書;「大学」「中庸」「論語」「孟子」
五経;「詩経」「書経」「礼記」「易経」「春秋」
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