能(よ)く言う者は、未だ必ずしも能く行わず 能く行う者は、未だ必ずしも能く言わず
下蔡(かさい)という小さな国に住んでいた威公という人が「このままでは、この国は滅びる」と
主君を諌め三日三晩、号泣しながら訴えましたが聞き入れてもらえませんでした。
すると案の定、威公が危惧した通りに下蔡は数年後に大国の楚の国に滅ぼされ、王は捕虜と
なってしまいました。
一方、威公から号泣の訳を聞いた隣人は、その言葉を信じ直ぐに楚に移り住み、軍の将校に
まで出世していて捕虜となった王と対面しました。
王に話しかけると「口で言うだけの者は実行する者に使われることになる。
言うだけで実行しなかった私と実行した君がこうなったのは当然である」と語ったという故事。