月日は百代の過客

   松尾芭蕉の『奥の細道』の冒頭にある。
  「月日は百代の過客にして、行きこう年もまた旅人なり。舟の上に生涯をうかべ
   馬の口とらえて老いを迎うるものは、日々旅にして、旅を栖(すみか)とす
」は
   李白の「それ天地は万物の逆旅、光陰は百代の過客にして、浮世夢の如し」を
   原典としています。
    芭蕉は、移り行く時の流れの中に「安住の境地」を見出し、旅に憧れ西行らのよう
   に旅で死ねれば本望であると考えていたようです。
   (百代;永遠。過客;旅人。逆旅;宿屋。光陰;太陽と月、月日の流れ)

   (参考) ドイツの詩人シラーは、「時」を
          未来は、ためらいつつ近づき
         現在は、矢のように早く飛び去り
         過去は、永久に静かに立っている

        と表現しました。

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