鍼灸治療について

鍼灸マッサージは中国を起源とし、2000年以上前から用いられている医学です。
 日本には仏教伝来(6世紀前半)と共に伝えられ1400年の時を経た現在もなお、
民間医療の代表的な治療法の一つとして、親しまれています。

 米国国立衛生研究所(NIH)も平成9年11月専門家委員会で理論的根拠となるメカニズムははっきりしないとしながらも鍼灸の効果を認知し、保険会社・老人医療保険制度医療扶助制度を含む合衆国と各州の保険事業および他の第三者支払機関に適切な鍼灸治療を保険適応できる様にし、より簡単に受けられるようにすべきであると奨励しました。
 そうすれば患者が鍼灸治療を受ける際の経済的障害が取り払われるであろうと報告しています。

 鍼治療とは金属製の鍼で経穴(ツボ)を刺し、いろいろな方法で人体内に特殊な刺激を与え疾病を治療する方法です。
 治療方法としては
置鍼や雀啄法(刺したはりを上下に振動させる)と呼ばれる施術法が一般的に行われておりそのほか、 鍼に通電をする方法や刺鍼した鍼の柄にもぐさをのせて行う「灸頭鍼」などがあり、 症状にあわせてその方法及び刺鍼量を調節します。

 灸治療とは、もぐさ(艾)を経穴(ツボ)の上で燃焼させ、人体の皮膚に一定の温熱刺激を与え疾病を治療する方法です。
 通常使用するもぐさの量や施灸部位は疾患や症状によって異なりますが、
もぐさを半米粒大に捻って使用します。はり、きゅう治療は西洋医学の科学的理論に基づくものに対して、長年の歴史を基盤とする 経験的医療と言えます。
 古代中国で生まれた治療法ですが、技術や経穴(ツボ)の取り方など、
治療そのものに関する様々な研究がなされてきましたが、なぜはり、きゅうが効くのかという 根本的な理論の科学的研究は大変複雑で、今日までその殆どが解明されていませんでした。
 
 その為、科学論拠絶対主義の今、はり・きゅう治療に対する様々な偏見もありますが、長年の歴史の中消え去ることもなく脈々と受け継がれていることが物語る通り、体にやさしく治療効果が充分期待出来る素晴らしい治療法です。

 近代になって科学的研究も盛んに行なわれるようになり、特にアメリカ国立衛生研究所
(NIH)は、
1997年11月に、はり治療が様々な病気に有効か有用であるという結論を発表し、 はり治療を正式に医療として認知すべきであるという勧告を行いました。

 それに伴い臨床的データも集積され、適応範囲、治療指針等のはり理論も徐々に確立されてきています。
 こうした背景の中はり・きゅうの治療効果は国際的にも認められ、はり治療が世界中で行われるようになり、
東洋療法の素晴らしさが認識され全世界中に広がりつつあります

鍼灸治療の適応と禁忌
鍼灸治療とは