【秩父の母 傘の下】
Protected under the umbrella of Mother Chichibu.
水彩紙に多種水彩、墨など
25.4cm×30.5㎝(額寸含まず)
私が孤高で移住した秩父の地で、
母親のように優しく接してくださった方が80歳となった。
恩師・故・山中隆太郎さんの妻である とし子さん。
棟梁亡き後も、ご主人の目として、
ずっと個展に足を運んでくださった。
実の母親を最後まで気遣ってくださった彼女を、
私は勝手に「秩父の母」と呼んでいる。
傘寿の祝に描かせていただいたのがこの絵だ。
強い雨や冷たい雪を傘で受けて防ぎ、
家族や隣人を気遣う様。
傘と言う漢字に四人の人が入っていることから、
三人の息子さんと娘さんが傘下で守られて、
すくすくと成長した様も入れた。
武甲山や大樹、大河は、
亡き棟梁と亡き息子さんが安堵して眠る印象だ。
苦難(雨)はいつかは上がり、虹が出る。
お渡しした時、
「これ、私だ。凄い凄い、嬉しい、ありがとうございます」と、
気に入ってくださったようで嬉しい。
とし子さんは現在87歳。
いつまでも元気で長生きしてほしい。