いちまいの絵

back top

2025年2月

202412
【炎アラガウ食らうホノウ】
Fighting against the burning flames/trying to eat the flames.
アルシュ紙にテンペラ、パステルなど。
27cm×38㎝(額寸含まず)

燃え盛る炎の揺らぎ、パチパチと音をはじけさせる薪。
炎の中に、大きく口を開けた四つ足の生き物がいる気がする。
抗う(アラガウ)のも、食らおうとするのも、
膨大なエネルギーを必要とする。
そう・・炎はパワーの同意語だ。
薪ストーブ内で真っ白に輝く炎は、純粋に美しい。
3.11の時も、精神的にも停電時の生活においても、
どれだけ助かったことか・・・。

戦禍や震災の際、炎は凶暴な脅威となる。
しかし暖房や暮らしの多くを助けているのも炎だ。

昔自分が人生の将来に絶望・憔悴しきっていた頃、
炎に包まれたアパートでごうごうと燃える中、
室内の熱気で窓ガラスが割れた音で目覚めた。
今もあの異常な明るさと炎の動きは、
その恐怖と共に鮮明に憶えている。

生き延びた自分は、絵を描く炎を弱めてはならない。
ならないのだ。


mark