横浜逸品会 OFFICIAL WEB PAGE

[ 制作中の小品小鉢 ]

蛙 丸鉢_燕渓陽山

 

100219_enn_01.jpg

成形を完了し、800度で素焼きを終えた状態の鉢です。

彫刻鉢の場合は素焼きとはいえ少し神経使います、この鉢の場合は釉掛ける予定ですので側面は薄く仕上げたのに対し彫刻部分には相応の厚みがあります、厚さに差があるゆえ素焼きではとくに400℃前後に至るまでは通常の3倍程の時間を掛けてじっくりとそしてゆっくりと温度を上げて焼成する必要があります。

 

image_sei/100219_enn_02.jpg

生まれて初めて自然の息吹というものを感じたのが秋川渓谷でした、そのとき大自然の息吹に体が共振し体の細胞の一つ一つが奮い立ち心の中にパワーがス〜っと入ってきた幼少時代の頃の事を今でも鮮烈にハッキリと覚えております、そのとき岩の上で一匹の蛙をみました。

あのときの蛙のイメージをそのまま鉢に込めて彫りました。

彫刻鉢というものに対しては「 気韻生動 」というものを追求してゆきたいと考えております、水墨の要素かもしれません、しかしそれは私のテーマの一つとして小鉢製作というものも通し永遠に鍛錬を重ねてゆきたいと考えております。

 

100219_enn_04.jpg

 

この鉢には、彫りの濃淡を限りなく淡く、そして淡麗に表現できる浮き彫り調の釉を考えます。

それに合うものを工夫してゆかねばなりません、しばらくの間、素焼きのカエルには冬眠してもらう事になります。納得できそうなものになるまで、この系統の鉢は本焼きできません、

それでいいのかもしれません。

100219_enn_03.jpg

 

小鉢として製作する以上、小鉢としての機能の部分を一番に、優先し、それを基本として考えねばなりません。

小品であるが故、繊細性や映りも重視せねばなりません

そこにも、製作意欲がかきたてられる奥の深い世界かもしれません。

 

 

この一鉢に魂を込めて        直心是道場

 

 

 

Copyright (c) 2008 横浜逸品会 All Rights Reserved.