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[ 制作中の小品小鉢 ]
太極 長方鉢 _ 燕渓陽山
物事に対し緊張感をもって一期一会の心で一鉢の真柏をしつらえる愛好家をイメージして制作した鉢です。「争う事」よりも「調和」する事を理想とし、
その願いを込めて制作中の鉢です。
製造番号はこの鉢をもって100番に到達しました。
番号刻む100鉢目という番号に特別な思い入れがありますので、今まで鍛錬してきた事をすべてぶつけて制作した鉢です。
シリアル番号30を刻める辺りまではとくに苦しかった覚えがあります、俺は一体何やっているんだとモンモンと葛藤しながら制作しておりました。
成形後の出来上がりに満足できず、シリアルナンバー入れず焼成せずに壊して土に戻した鉢の数は200鉢を超えたあたりから解らなくなり、もう数えてません。
成形を完了しましたので、あとは焼成直前に窯キズ防止のおまじないと鉢穴の面取りをして焼成となります。
焼成後どうなるか、そのスリルを、最近は楽しんでおります。
今後は、焼成後の状態に満足できない鉢であった場合、壊します。
焼成された結果、満足ゆかない状態でしたら壊して製造番号100番の鉢を造り直す事になります。
最近、小鉢制作の奥深さに魅了されてきております。
100番鉢は真柏をしつらえる為だけに制作したので通常の焼き〆鉢より側面は若干薄く仕上げた鉢。
土=備前
制作技法=完全掘抜き(内側)+完全削り出し(外側及び足)+装飾(彫刻)
幅(上部縁外)=115mm(完全乾燥後)
_本焼きにより11.3%程縮小(過去のDATA平均から)
奥行き(上部縁外)=95mm(完全乾燥後)
_本焼きにより10.5%程縮小(過去のDATA平均から)
高さ(足高含む)=45mm(完全乾燥後)
_本焼きにより9.7%程縮小(過去のDATA平均から)
底面の厚さ=3.5mm(完全乾燥後)
_本焼きにより9%程縮小(過去のDATA平均から)
鉢穴の直径=10mm(完全乾燥後)
_本焼きにより9.5%程縮小(過去のDATA平均から)
鉢裏の形状=2段底
焼成=焼き〆の方向(11月上旬頃の予定)
水吸いは「生」すなわち陽、舎利は「死」すなわち陰。
そこに在する太極、そして陰陽虚実。
活きるという事は常に生の要素と死の要素が微妙に絡み合いながら調和している状態だと感じます。
生と死の対比の中で活きている真柏。
真柏の力強さに対し鉢が負けないように陰刻と陽刻で文字を刻んで表現。
人生においてもお互いに調和しながら生きてゆければと思いながら制作。
この一鉢に魂を込めて 直心是道場
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