サプライズ

ずるいといつも思う。









あなたはサプライズばかり。











『元旦も仕事ですから』




そう言っていたから。
いつも殺人的に忙しいことを知っているから。
新年一番に会いたい、顔を見たい、と言う言葉を飲み込んだ。









なのに。


















胸を焦がす声に急いで窓を開けると、あなたの姿。
どこかの王子様のように、窓から来るなんて。
驚いてただ目を丸くしてるだけの私に、あなたはふわっと笑った。








「せっかくの新しい年に最初に見る顔はがよかった」







同じこと、思ってくれていた。
それだけで。
胸がいっぱいで、声が、出ない。







「新年最初に聞くのもの声がいい。―――聞かせてくれませんか?」







「―――あけまして、おめでとうございます」







あなたは笑顔を深めると、私を窓から引きずりおろしそうな勢いで抱きしめた。








今年も、ずっと一緒にいられますように―――


2009.1.1