ぎっ、と。
耳元で軋んだ音が鳴り、はこれからの行為を思い、思わず息を飲んだ。
顔に降り注ぐ明るめの茶色の長い髪。
愛しげに見下ろす切なげな瞳。
それを一心に受け、の身体は揺れているのではないかというほど胸が激しく鳴り、涙がこぼれていることさえわからないほどかき乱れた。
好き。
好き。
私は、この人が好き。
今、の心も身体も、その想いで紡がれていた。
「なぜ、泣くのですか」
「え・・・」
弁慶に問われ、そこで初めて自分の涙に気づく。
そして、少し戸惑った。
その涙に口付けられ、愛しい想いで満杯になるとさらにこぼれる涙。
「ああ・・・そっか」
やさしく微笑み優しく頬を撫でる弁慶に、もまた頬を染めながらも微笑を返した。
「これは、弁慶さんへの想いです」
ほろりほろりとこぼれる涙を、弁慶はすくい舐めた。
「君の想いは残さずいただきますよ」
「あ・・・っそこ・・・っちが・・ぅ」
「もっとくれますか、きみの想いを」