「なあ、」
とんとんと肩を叩かれ、後ろを向いた。
お約束。
頬に突き刺さる指。
失敗した―――
結構な勢いで振り向いてしまったので、かなり頬が痛い。
「ぶはっ!!」
平助くんは、噴き出した。
「ぶぁっはははははは!!!まっさかこんな手にひっかかるなんてさぁ!!!」
「ちょ!!ひっかけたの平助くんだよね」
「そこッッ!!赤くなってるっっ!!!ぶふふふふふふふ!!」
「だーーーかーーーらぁーーーーー!!ひっかけたの平助くんだから」
まったく人が悪い、と、ぷうっと頬をふくらまして、ぷいっとそっぽ向いた。
涙を流して笑っていた平助くんは、ぽんぽんと宥めるように私の肩を叩く。
「悪い、悪い。責任取るって」
ちゅ。
軽く頬に落ちる唇。
「あ。今度はたこ入道」
向けられる、太陽のような笑顔。
ねえ、気づいてるのかな?
その笑顔が、すごく好きだってこと―――
2009.1.1