■□ 第9回目 □■

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2002年11月2日〜4日


旅の始り
夢殿と同じ八角堂が五條市にあると聞き、ガイドブックで確認。
栄山寺にあると書いてあった。見たいなぁ〜と思って計画を立てました。
1日目
朝6時23分近鉄奈良駅前に到着。
急いで近鉄のホームへ。西大寺、大和八木で乗換えて、
更に吉野口駅でJR線に乗換え。乗換えのホームが分からなくて、近鉄の駅員さんに尋ねたら、「あっ!あの電車だよ。急いで!」と。
走っていく後ろから、声が聞こえてきた。JRの駅員さんに「お客さんが乗車する〜」
と伝えてくれていた。ギリギリセーフ!
(もしかして少し遅れた?)駅員さんにお礼の代わりに会釈する。



五條の街並み
五條駅で下車。バスセンターに行って、バスの時刻表を見たらすでに発車した後。次の便まで間があるので、
歩くことにしました。国道沿いに歩いていくが、
中々案内板が無い。人も歩いていないので、
尋ねることも出来ないし・・・。
この道で間違いないよね?、大丈夫だよね?と思いながら歩いていたらやっと「
栄山寺まで1k」と案内板が
見えて、方向を確認して川沿いに歩いて行く。
川の水が澄んでいるので、深い所と浅い所のコントラストが綺麗。大きな岩があり、街中の川では見られない
景観。水も冷たそう〜。

栄山寺の入り口には、時間が早かったので誰もいません。
どうしようと思案しているところへ、お寺の方が見えて中に入れて下さった。
雨で濡れた草花を、踏み分けて行くと奥まったところに、八角堂がありました。
濡れた屋根に陽がさしてキラキラ光っている。

法隆寺の夢殿よりちょっと小振りのお堂。柱のところに仏画が見られるが
傷みがひどくて、よく分からない・・・

本堂では、薬師如来坐像が特別開扉されていたので拝見。
ゆっくり拝見したかったが、誰も居ないのでちょっと怖くなり早々に失礼した。
来る時は長かった道のりも帰りは近く感じ、足取りも軽く駅へ戻る。
シャッターが下りていたお店も開店準備中。駅に戻ると、間もなく電車が来ました。
緑がいっぱい 八角堂 吉野川

桜井駅で下車。南口からバスに乗り聖林寺へ。
十一面観音立像は本堂奥の観音堂に安置されていました。
仏像の本を見た時から、一度は会いたいと思っていたので、嬉しい。
高さが2mもあり、所々に金箔も残っている、姿の綺麗な仏像です。
住職が年配の方に仏像について説明されており、さり気無く聞いていたのですが
すっかり忘れてしまった。勿体ないなぁ〜。
境内 お寺の階段から

桜井駅から帯解寺へ。帯解寺では安産祈願の方々が沢山お参りに来てました。
本尊の地蔵菩薩像は「腹帯地蔵」として、安産祈願の対象として信仰を集めているそうです。拝観料を払っていると、お寺の方から「此方へどうぞ」と本堂脇に案内され、仏像や曼荼羅について説明を受けたあと、寺宝展で不動明王を拝見。
頂いた冊子によると、皇室に岩田帯を献上されていると記載されてました。
願いを込めた、沢山の絵馬が奉納されていた。
山門入口 境内へ

正暦寺へ向う。臨時バスに乗りそびれて、次のバスに乗る。
バス停から、坂道を歩く羽目になった。川沿いの柿の木が秋の風景を感じさせる中をトボトボ歩いてやっと目印が見えてきたようです。
少し広い場所にテントが張ってあり、幾つかの酒造元のお酒が販売されたました。
本堂まで上って行って、薬師如来や孔雀明王像、秘仏・薬師如来倚像を拝見。
薄っすら紅葉のはじまったカエデや紅葉を見ながら、福寿院へ。
狩野永納が書いた襖絵を拝し、お庭でホッと一息。
紅葉していたら綺麗だろうなぁ。テントでお酒を買って、臨時バスで奈良駅まで戻る。
柿の実 静かな境内

般若寺へ行くと、三門がどーんと住宅街の中に立っていた。
門が閉まるまで40分、焦って境内に行きましたが。
数人の方がゆっくり散策されていたのでちょっと安心。
夕暮れと十三石塔・・・。石仏にコスモスが似合っている。来て良かった。
会津八一歌碑
「ならざかの いしのほとけの おとがひに こさめながるる はるはきたりけり」 
コスモスと石仏 十三重塔

帰りのバスは渋滞にハマって殆ど動かない。時間をかけて駅前に到着。
夕食は餅飯殿商店街にある「京こづち」で。
一人ではちょっと入り難い店構えですが「薬膳」の言葉に
引かれ思い切って入ってみました。
想像していたよりも美味しかったです。


2日目
早めにホテルを出て、大和小泉駅で下車。
バスで松尾口へ。そこから歩いて
松尾寺まで行くが、「徒歩30分」どころでは無いよ〜。
延々坂道を上り、お寺が見えてきたところでフニッシュの坂・・・。
(急勾配のところに必ず付いている丸い形)
途中で一緒に上ってきたお爺さんは、この道が散歩道らしい。息も切らず上ってきた。
警備員出張所に、猫がノンビリ寝ている。触っても起きなかった。

境内に行くと、結構賑わっていました。歩いて来たのは、
確か私と男性1人だった。後の方々は車で来たようです。
いいなぁ〜。ううん!歩いてこそ・・・と一人納得する(笑)
本堂の廊下に、コタツに入ったお坊さんが、秘仏の拝観料を徴収していました。
暖かそう〜。
千手千眼観世音菩薩を拝見、堂内は長年の線香の煤でしょうか・・
柱、天井など黒光がしてました。小さい子供が何やら熱心にお参りしてました。
外で出て三重塔まで上って行くと、街が一望できます。

高い+きつい=眺めがよい(苦笑)
七福神堂、行者堂を拝観し、坂道を下っていると、お爺さんと又一緒になった。
奇遇にも若い頃、長崎に住んでいたらしい。まだ「路面電車は走っているか」と聞かれた。
ガードニャン? 緑に覆われる塔

慈光院へお抹茶を頂きに行く。
四方開け放してある開放的な部屋・・・ということはこの時期、
当たり前ですが寒いという事なんですよね。
山を借景にした庭を見ながら、お抹茶を頂きましたが、
流石に寒くなって来た。お蕎麦にすれば良かったと後悔し、
お庭に出ることもなく帰ってきた。
帰りは駅まで歩いて温まることにした。
広い!

JR王子駅で近鉄に乗換え、信貴山下駅で下車。バスに乗り朝譲孫子寺へ。
終点で下車。帰りのバスの時間を確認して団体さんの後を付いて行く。
三門を通り暫く歩くと、大きな張子の寅がお出迎え。機械で動くらしい。
宝物殿で、信貴山縁起絵巻を拝見して、本堂へ上っていく。
ひとつだけ願い事を叶えてくれる、という戒壇巡りをする。
漆黒の闇ってこういう感じ?何にも見えないし目が慣れて来ない、怖いよー。
あっ願い事しなきゃー(苦笑)。やっと明るい所へ出れた・・・。ホッとする。
たった数分の闇の中だったのに、陽を浴びたとき「人間にとって太陽は大事だよね」と
変な事に感心したりする。
友人と知人にお守り、張子の寅を買ってバスに乗り、駅まで戻る。
石灯籠 機械仕掛けの寅

生駒駅で乗換え、富雄で下車。またもやバスを見送ることに。
悩んだ挙句、タクシーで
霊山寺へ。うーん、ここは・・・。
入ってすぐの所に、ゴルフのレストハウスみたいな建物があった。
三重塔下あたりには、ゴルフ場が見える。
仏像を見た印象よりもそちらの印象が残ってしまった。
再びタクシーに乗り駅へ戻る。

興福寺特別拝観2002へ。仮設テントで拝観用の冊子を購入。
南円堂、仮金堂、国宝館の共通になっており、
3ヶ所拝観するとそえれぞれにハンコを押してくれます。
最終的には、「興福寺」の文字になる。
南円堂の不空羂索観音立像は文様が残っていて綺麗。
こちらの四天王は他の堂宇から移されてきて、
創建当時の四天王は仮金堂に安置されていると言われているそうです。
仮金堂の釈迦如来坐像は金箔が多く残っていました。
江戸時代の仏像だそうで、他の仏像とは面持ちが違うような感じがします。

新薬師寺へ十二神将に会いに行く。
中でも迷企羅大将がお気に入りで、
立ち止まって暫く眺めてしまう。
他の人達も自分の干支にちなんだり、
カッコ良さに引かれたとかで思い思いの
仏像の前で佇んでいます。
ストンドグラス

写真美術館へ。展示写真を見た後、入江氏の写真集を購入。
外に出ると怪しい雲行き・・・。バス停まで行く途中で雨降ってきたので、
近くの蕎麦屋「観」へ入り夕食タイムに。お蕎麦も天婦羅も美味しかった。
食べ終わって外へ出ると小雨になっていたので、バス停までゆっくり歩いていく。
一雨降った後なので、ちょっと肌寒い感じ。ホテルへ帰り、熱いお茶を飲んで温まる。

3日目
宅急便で荷物を送り、チェックアウトして京都へ向う。
京都でJR線に乗換え山科へ。駅前のバス乗場へ行くと、醍醐寺行きのバスが停車していた。

醍醐寺までバスで行く。三宝院のお庭を拝見した後、霊宝館で仏像を拝見。
宝物館は明るく綺麗で・・・う〜ん、綺麗すぎてなんだか・・・。
参道は両脇に桜の木が植えてあり、桜の時期は凄く綺麗なんだろうなぁ
金堂の中に入ると、柱に傷がいっぱい。良く見るとみんな落書きだ。
なんて事を・・・。時世代に継いでいく財産なのに、残念です。
五重塔を写真に撮り、折角だからと上醍醐へ上ってみることにした。
最初は勢いがあったが、降りてくる人から声を掛けられても口が重くなってゆく。
愛想笑いの顔を作り、ひたすら上を目指し、黙々と歩いて行く。
失敗したなぁ〜、でも途中で下るのも嫌だし。やっとの思いで到着。風が心地よい。
桜と紅葉の頃は、とっても綺麗なんだろうなぁ。でもきっとイヤ絶対もう上らないと思う。
渇いた喉に、醍醐の水が美味しかった。
下り道は滑るので注意しながら降りて行きました。

紅葉のトンネル 五重塔

山科から三条駅で乗換え東福寺へ。
JRのCMで、行ってみたいと思っていたお寺。
紅葉にはまだ早かったが、大勢の人が来ていた。
趣きのある臥雲橋を渡り境内へ、通天橋の入口で通行料を払い渡って行く。
さっき渡ってきた臥雲橋が、紅葉の間から見えた。CMの通りでした。感激!
三門も公開していたので上ってみた。急階段、下りが怖そう・・・。
境内が一望できていい眺めですが、ここから写真を撮ってはいけないらしい、残念。
中では仏像の前で説明をしていましたが、満員で入れない。
京都駅に戻り、新幹線の待ち時間までコーヒーを飲んで過ごす。
臥雲橋 俳句でも。。


   ■拝観券

栄山寺 帯解寺 正暦寺 松尾寺 興福寺 信貴山朝譲孫子寺


霊山寺 奈良写真美術館 醍醐寺 東福寺


■□今回訪れた社寺、他
社寺 奈良 栄山寺、聖林寺、帯解寺、正暦寺、般若寺、松尾寺、
朝譲孫子寺、霊山寺、興福寺、新薬師寺
京都 醍醐寺、東福寺
その他 慈光院、奈良写真美術館

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