アイドル歌謡曲が全盛時代の1970年代中盤、在京テレビ局の音楽番組の大半は、アイドル歌謡中心に、
番組が作られていた。

そんな中、神奈川県にあるUHF局、テレビ神奈川では、フォークソング、ロックを中心に活動している
アーティストやオリジナルバンド(今のインディーズ系ミュージシャン、ストリートミュージシャン)を紹介する等、
個性的な番組を制作していた、その代表的な番組が、「ヤングインパルス」だった。
日曜日の夜、スタジオにアーティストと視聴者を招いての公開生放送。それも一人のアーティスト、
一組のグループの楽曲を掘り下げているのだから、専門色が強い。
生放送の緊張感と、観客の反応の一体感がブラウン管からリアルに感じられ、本格的な音楽番組だった。

思い出の番組 ヤングインパルス

ダウンタウンブギウギバンド
丁度「港のヨーコ ヨコハマ ヨコスカ」が流行した時代である。スタジオで聴いたベースの響きが今でも耳に残っている。生バンドの迫力を知ったのも、この時である。
たしか、この時は、ブギを中心に構成した番組だったと思う。

かまやつひろし
「我よき友よ」がヒットした頃だったと思う。
スタジオ内にミニクーパーを持ち込んでの放送だったと思う。 狭いスタジオなのに、わざわざ
自動車1台を入れた演出なのだが、そこに、かまやつひろし という人物像が描きだされていたのに
感心した記憶がある。

ハイファイセット 紙風船
赤い鳥が解散し、ハイファイセットと紙風船に分かれたときに、構成された番組だったと思う。
この時聴いた「卒業写真」が印象的だった。

印象に残っているアーティスト

マイペース
このグループが出演する前に、ロックグループ 外道 のコーナーがあり、
ロックの音響で高揚した気分の後、マイペースの「東京」のイントロのフルートの音が聞こえて
来た時、安堵感を感じたことを覚えている。これも演出の一つだったのかもしれない。

ほかにも、「まりちゃんず」 「高石友也とナターシャセブン」 「中沢厚子」 「海援隊」
       「山本コータローとウイークエンド」  と言った、印象的なアーティストが沢山出演していた。

当時の台本 (スタッフにお願いして、貰った台本)  1975年頃の写真

わら半紙に謄写版印刷。この中に、番組進行が書かれており、質問内容から
想定できる回答、それに対する再質問の内容まで…
アーティストを詳しく知るからこそ、これだけの本が作れるのだと感心した記憶があります。

歌詞の部分には何本もの書き換えの鉛筆の跡が…入念なリハーサルが想像できます。

当時のスタジオの様子
と言っても、カメラしか写っていませんが…

スタジオカメラ
当時の時代背景を考えると、当然、撮像管式カメラのはずです。
レジ調整など、事前の準備に時間が掛かったことでしょう。

カメラを支えているのは、ぺデスタル。
このぺデスタル、巻バネを使ってカメラを上下させるのですが、
生放送中に、バネが切れてカメラを上げられなくなったことがありました。
その時でもカメラマンは、冷静にバネを交換し、復帰させました。

    プロ根性を目の当たりにした記憶があります。

嘗て、このような番組を放送していた神奈川県のテレビ局、「テレビ神奈川」のホームページへは、
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