浩二
「あっ兄さん、泥棒捕まえた?」
正男
「いや、でも代わりにこんなものを見つけたぞ」
浩二
「・・・?何これ?」
正男
「・・・宝石だろ?」
浩二
「・・・なんで宝石が草原のど真ん中に落ちてるの?」
正男
「天の恵みだろ、きっと。金に悩む俺たちにこれを与えたのさ。」
浩二
「そんなことより泥棒は?追いかけようよ!」
正男
「大丈夫、この宝石を売れば俺のへそくりなんかあっという間に超えるさ。・・・いや待てよ?」
浩二
「・・・?」
正男
「もしかしたらまだその辺にこれ落ちてんじゃないか?よし、探すぞ!」
浩二
「ちょっと、これじゃなくて泥棒探そうよ!」
正男
「話聞いてなかったのか?「宝石一個>俺のへそくり」なんだ、
これがもっとあれば金に困ることはない!」
浩二
「宝石がそんなに価値ないかもしれないじゃない。泥棒も見つけたほうがいいよ?」
正男
「じゃあお前が泥棒探せ。俺はこっちを探す!」
浩二
「・・・もしかしたらさっきの泥棒がそれも拾ってたりして。」
正男
「・・・!」
浩二
「ひょっとするともう全部拾いつくしたかもね。」
正男
「・・・!!」
浩二
「もう売りに行くところかも。」
正男
「あの野郎ぉ!俺の宝石(とへそくり)に手を出すとは!よし、泥棒が先決だ!行くぞ!」
浩二
(・・・単純な人・・・。)