━ある夜━
浩二
「クー・・・」
正男
「ゴガー・・・」
???「・・・おっ、あったあった♪」
浩二
「・・・ん?・・・!どっ、泥棒!」
???「あっ失礼♪そんじゃ俺はこれで、さよならー♪」
浩二
「あっ、ちょっとぉ!待てぇ!兄さん、泥棒だよ泥棒!」
正男
「グガー・・・」
浩二
「兄さん!起きてよ!」
正男
「・・・何だ。」
浩二
「泥棒だよ!今逃げてったけど、追いかけようよ!」
正男
「・・・ほうっておけよ。何も盗ってないかも知んないじゃん。
今の俺たちは金目のものなんて持ってないんだからさぁ。んじゃ、おやすみ・・・」
浩二
「・・・あれっ?兄さんが貯めてたへそくりがなくなってるよ?」
正男
「なにぃ!?俺がこっそり貯めておいた金を!?あの野郎ぉ!?」
浩二
「へそくりあったの!?知らないんだけど!」
正男
「えっ・・・?あーいやーその・・・。とっ、とにかく追いかけるぞ!」
浩二
「ちょっと!?逃げないでよ!」
正男
「違うわぁ!逃げてるのは俺じゃなく泥棒だ、泥棒!
行くぞ、俺のへそくりを取り戻しに!」
浩二
「・・・兄さん。」
正男
「何だ!しゃべってる暇はねぇぞ!」
浩二
「取り戻したらちゃんと返却してね、お金。」
正男
「・・・。」