下がり棟
図のように斜めになっている棟のことを下がり棟といいます。コロニアル、瓦、金属、トタン屋根、全ての屋根でこの部分からの雨漏りは非常に多いです。2階の天井にシミができた場合下がり棟の付近(真下でなくとも近くなら)かどうかを確かめましょう。また谷の部分も雨漏りが多いです。

コロニアル屋根の縁切り

屋根の基本
- 屋根は材料(瓦・コロニアル・金属)の下に雨水が入っても構わない(下に防水シートが敷いてある)
- 瓦などの下に入った水は滞留することなく下に流れることが重要・・・むやみに隙間を塞がない
水は下に流れるのは当たり前だが、Cの材料の継ぎ目から入る水は、コロニアルと下の防水シートの隙間に広がり、下に流れたりAB方向に広がる。Aのようにコロニアルの棟部分の切り口(通常は棟板金で覆われている)がとがっているとA先端まで流れ棟隙間に入る可能性がある。Bのように先端を切っておくと棟隙間まで行かずに下に流れ、防水シートの傷みやビスなどから雨漏りするのを防げる。
ただしBから流れる水もせき止めるようなシールがしてあると棟板金下は水浸しになり、雨漏りが起こりやすい
(ABは貫板の下、棟板金で覆われる部分)
★コロニアルとコロニアルの重なり部分が塗料で塞がっていてもAB方向への水量が増すので雨漏りの原因となりやすい。(塗料で絶対に塞がないことが重要:縁切り)
縁切り
塗装時にローラーで塗料を塗りますがどうしてもコロニアルとコロニアルの重なり部に塗料が溜まります。このままで済ませると写真のように隙間が埋まります。この溜まっている塗料をカッターなどでそぎ取り、隙間を確保することを縁切りと言います。
隙間が確保されていないとコロニアルの下に入った雨水が内部にたまり雨漏りの原因となります。また写真のようにシール材で隙間をふさぐと同じように雨漏りします。雨漏りを直す為にシールしたのでしょうが、今まで以上に雨漏りする場合が多いです。
コロニアル屋根の塗装時に縁切りの説明を受けていない場合は要注意です。
屋根の修理はお客様が全て見ていることは不可能なので手抜きなく工事を進めてくれる職人を捜すことが非常に重要になります。
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隙間をすべてシールした例
棟板金とコロニアル、コロニアルとコロニアルの重なり部、すべてシールしてある例
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下地板が完全に腐っている
棟板金を取ると下地の貫板が完全に腐っている
コロニアルとコロニアルの隙間も塗料で完全に塞がっている -
コロニアルの亀裂
コロニアルに亀裂あり(ここからも水が浸入)
この写真でもコロニアルとコロニアルの隙間も塗料で完全に塞がっているのがわかる -
棟板金下(水の流れ)
上の矢印先端部に釘がある
水の流れがよくわかる写真。この状態では貫板が腐るのは当たり前。また水が釘付近で滞留するのでこの釘から屋根裏へ水が落ち雨漏りとなる。
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縁切りが必要な屋根
コロニアルとコロニアルの隙間が塞がれている例1
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縁切りが必要な屋根
コロニアルとコロニアルの隙間が塞がれている例2
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コロニアルを剥がす
雨漏りを直す工事の前日の夜、雨が降った。コロニアルを剥がして見ると、水が中に入っている様子がよくわかる。黒い色の部分は防水シート(ルーフィング
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コロニアルを剥がす
これも前の写真を引いて見た所
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雨漏り説明写真
矢印(赤)はコロニアルを止めるクギ。クギまで雨水が上がっている。このクギは下の防水シートと屋根下地板を貫いているので、水が滞留するとこのクギを伝わって雨漏りする。Aからは必ず水が入る(継ぎ目)
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タスペーサー
縁切り部材:タスペーサー(商品名)
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タスペーサー使用例
塗装前にタスペーサーを入れる
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タスペーサー使用例
タスペーサーを入れて塗装した所(入れる場所はメーカーの指定場所がある。また現場に応じて必要なヶ所に入れる)