コロニアルの上に金属屋根を被せる工法(現在の主流)
<傷みがひどく新しい金属屋根をかぶせる工事> 例1
<工事要点>
現状:棟付近からの雨漏りのため、棟のコロニアル処理(先端を切る)と下地板(貫板)交換を実施。しばらくは雨漏りがとまったが再び雨漏りした。
原因:棟下地板交換の際、あまりにも下地板の傷みがひどかったのを考えると、雨漏りの原因となる水の流れが相当進んでおり屋根全体でコロニアルの止め釘などからの水の侵入があると思われる。
反省:下地貫板の傷みの状態を考えると全体をリフォームする工事が良かったと思われる。ただ予算の問題があるので、まず棟部分の修理をするか全体にするか、悩む部分である。
工事内容 2012年東京都世田谷区三軒茶屋
- 単純にコロニアルの上に金属屋根を施工 現在では下地のコンパネを張ったりせずに直接リフォームが可能
- 福泉工業株式会社のef(エフ)ルーフを使用。裏面は硬質ウレタンフォーム吹付けで高断熱、高遮音です
- 軽い(日本瓦の約1/10の重さ)ので現状の建物への負担が少なく施工もスピーディ
<ポイント>
金属屋根は雨音が気になる場合があるが(音に敏感な方)、リフォームの場合はコロニアルと金属屋根の断熱材で2重になるので、音が気になる場合が少ないと思われる。
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現状のコロニアル屋根
今回工事の10年ほど前に塗装(重なり部は縁切り実施)
塗装時はまだ縁切り部材(タスペーサー)がなかった頃 -
棟板金下地板の様子
棟下地板の様子。前日は雨でなかったのに貫板はかなり湿っていた
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下地板のアップ写真
棟板金下地板(貫板):かなりの傷み
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防水シートを施工
棟板金を取り、防水シート(ルーフィング)を施工する
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金属屋根施工中
棟部分は捨て谷がある:斜めに見えている金属板。万が一棟部に水が入っても捨て谷で下にスムースに雨が流れる
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金属屋根 完成
完成写真
<傷みがひどく新しい金属屋根をかぶせる工事> 例2
<工事要点>
現状:ここも一度雨漏りして棟部分を例1と同じように修理した。しかし、しばらくするとまた雨漏り
原因:コロニアルとコロニアルの重なり部分が塗料で完全にふさがれている屋根(縁切りを実施していない不良工事)の為、横方向に流れ棟部に入る雨水がコロニアルの先端(折っていない)から棟隙間に入り雨漏りした。棟下地板を交換した際、先端部の折りと重なりの塗料をカッターで切り取ったが、すでに雨水の流れる道筋がついてしまっているために効果がなかったと考えられる
反省:例1と同じようにこの場合も最初から全体リフォームが良かったと思われる
工事内容 2012年9月 埼玉県川越市
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リフォーム前の屋根の様子
この屋根もコロニアルとコロニアルの重なり部が塗料でふさがれている
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重なり部の様子
重なり部分の塗料。カッターで切り取るが全てを除去するのは難しい
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棟板金の下地板の様子
カビがひどく生えた貫板。ここまでひどい状態は初めて
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水の流れの様子
棟貫板(左上)に向けてコロニアルの水の流れ(左方向に)が良くわかる。コロニアル先端を折っていない為、棟下まで水が侵入している
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金属屋根施工中
棟部は捨て谷を入れるので安心だ
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完成写真
金属屋根 完成写真
<通常の経年変化の状態で金属屋根をかぶせる工事>
<工事要点>
現状:10年前に当社で塗装。縁切りも実施済み(当時は縁切り部品:タスペーサーは未発売でした)雨漏りや塗装状態も問題ない屋根
工事内容 2012年10月 埼玉県川越市
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リフォーム前のコロニアル屋根
雨漏りはない状態。屋根の下地もしっかりしている。歩いてもフワフワしない。
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金属屋根にリフォーム中
捨て谷を入れてリフォーム中
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棟部の処理
棟部分 先端は折り曲げ、貫板の下は防水テープを入れる
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棟部(板金下地板)施工中
貫板を施工 この上に棟板金を取り付けて完成
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壁際の処理
壁際は金物の上部をシール。
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金属屋根にリフォーム完成
玄関、大屋根とも完成
<金属屋根の要点>
<施工>
- ◾棟部部分や屋根形状が複雑な場合、下屋(1階屋根など)の壁際の処理など、注意する部分も多いのでベテランの職人さんに監督(施工)してもらうことが大切
- 屋根勾配がない場合は金属屋根は向きません。注意してください
- ◾雨音はコロニアルなどより大きいことに注意 。ただコロニアルの上に被せるのであまり気にならないと思います
<予算>
- ◾普通の家なら 70~120万円ぐらいが多いです
- ◾高額なので安易に訪問販売での工事には気をつけること(特に屋根勾配がない場合はすぐ雨漏りします)