金属屋根<棟からの雨漏り>
<工事要点>
現状:2階天井に雨漏り。コロニアル屋根のように見えるが金属屋根。普通の雨でも雨漏りする。棟や金属屋根材料のつなぎ目もシールしてある。
工事内容 2008年9月 埼玉県狭山市
- 前日雨が降っていたので、棟包み板金を取ると雨漏りの様子がよく分かった。やはり棟から入っていた
- 屋根全体の棟板金を外し、棟直下の金属屋根の根末端部分を折り曲げて処理
- 下地板(貫板)を新しくして、棟板金を再設置
- 雨漏り原因:棟板金と屋根との隙間を全てシールした為に、金属屋根の下に入った水が棟板金の下に閉じ込められ棟の中を流れた為(不用意なシールでよけいに雨漏り)
<ポイント>
コロニアル屋根と同じで棟板金直下の末端処理が不適切な為雨漏り。屋根は隙間をシールするだけでは雨漏りは解決しない場合がほとんど。よけいな部分をシールすると、そのシールを取り除くだけでも時間がかかり、工事費が高くなる
<予算>
棟板金の貫板交換は棟長さにもよるが 2人工~3人工 材料、経費などで 税込み6~15万円ぐらいで収まる場合がほとんど
<メインテナンス>
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- コロニアル屋根も同じだが、棟板金の下地板は風の吹きまわしなどで傷みが進行するので10年に一度取り替えるとよい
- 外壁、屋根塗装するときに点検、交換も考えると効率がよい
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リフォーム前の金属屋根
見た目は一見コロニアル屋根のように見えるが、金属屋根です。
真ん中付近(軍手が置いてある)の天井に雨漏り
埼玉県(狭山市) -
棟板金付近の様子
前日雨が降ったので雨水が出てきていた。前の業者が棟板金と屋根の隙間を全てシール。また屋根材料同士の繋ぎ目もシールしその上から錆止めを塗ったらしい(左の写真で色が変わって見える部分)
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棟板金(下地板)付近
下地板が、腐っているのが解る。完璧にシールすれば一時的に雨漏りが止まるかもしれない。しかしシールは寿命があり一部でも切れれば、水が中に入り、シールのため逃げ道がなく雨漏りがひどくなることが多い
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棟の様子
棟板金の隙間や板金のつなぎ目からも水が入っていると考えられる。また横走りの水が棟板金の下地板を常に濡らしていた(シールしたためによけいに濡れた)と考えられる
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棟部の様子
棟の継ぎ目はテープを貼って防水をしていた様子。しかし糊が乾燥して防水の役目はなくなっている。基本的にテープ類やシールは寿命がある為、あまり頼りたくない材料です(補助的に使いたい)
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屋根材料(先端部の様子)
カッターの刃先が棟の継ぎ目
横走りの水は屋根材料の先端まで流れて来るので、棟の継ぎ目の所から内部に入り込む (コロニアル屋根の記事も参照のこと) -
棟部の処理
屋根端を折り曲げて処理。以前のビス穴は プライマ+変性シリコン(ウレタン)で処理。また下地板(貫板)を新たに打つ場合もそのビスはシール処理を施す(ビスを通して下に水が漏れないようにする為)
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金属屋根リフォーム完成
棟板金の継ぎ目をシールして完成(雨漏りは止まった)
予算があれば他の不用意なシールを取り去り、塗装もすると良い(錆も各所に出始めていたので)