瓦屋根:棟瓦のゆがみが多いなど全体の傷み
(全体の再葺き替え)
<工事要点>
現状:2階天井に雨漏り、2階サッシ廻りから雨漏り
工事内容 2007年11月 東京都西東京市(保谷)
- 棟瓦のずれ、ゆがみが通常よりひどい状態
- 面土剥がれがかなり多い
- 全体の瓦の割り振りが悪いことも雨漏りの原因(職人の意見)
- 一度瓦を全て取り去り、下地を整え再設置工事とする
- 旧瓦を取り去ると瓦の下のゴミ(捨てずに瓦の下に捨てたようだ)のあまりの多さに驚いた
<ポイント>
旧瓦を使用し再設置工事。防水シート(ルーフィング)も2重に張る。棟瓦も下地から銅線で結ぶので地震などにも強い構造となった
<予算>
旧瓦を使用して再設置(少し追加瓦あり)
既存瓦取外し、新規瓦桟、防水シート、葺き直し、残材処理、必要経費
約54㎡ 税込み66万円ぐらい(2007年)
平米 \12,000~15,000位(条件により多少変わります)
<注意点>
- 昔の防水シートは時間が経つとカサカサになって粘りがなくボロボロに破れている場合が多い
- この例でもわかるように瓦の下にゴミがいっぱいなど、丁寧な工事をしていない場合は結局あとで不具合をおこすことが多い
- 実際の工事の内容は見積からは決してわからない。銅線で棟瓦を結ぶ、桟の下のスペーサーなどは見積に項目として書くことはないと思われる(当社も書きません。当たり前の工事だからです)
- お客様の立場に立ち工事を管理、施工してくれる職人、業者を選ぶことが重要
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リフォーム前の瓦屋根
棟瓦などのゆがみが全体にある。職人によると全体の瓦の割り振りが悪いことも雨漏りの原因との事
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面土の傷み具合
漆喰(面土:めんど)もひび割れ、欠落が多い
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棟瓦のゆがみ
真上から見るとゆがみが解る。棟瓦、鬼瓦などで詰めてあるべき漆喰が取れてしまっている
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旧瓦 解体中
再葺き替えの為、棟瓦を取外す。左右からの瓦の隙間が大きすぎる。もっと丁寧に左右の瓦を切り込み隙間をなるべく少なくする
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瓦 解体中
瓦を取外してゆく。ゴミの多さにびっくりした。普通はこんなことはありえない
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雨漏り個所の穴
中央下に穴が見える。この下は雨漏りしている所だったので納得。瓦の下に入った水が、ゴミやドロが多いために流れにくく、滞留したりしてよけいに雨漏りがしたとも考えられる
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防水シート施工中
防水シートは2枚敷く
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横桟を打つ
シートを敷いた後、瓦を設置する為の横桟を打つ
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桟にスペーサーを入れる
桟の下にはスペーサーを入れて防水シートとの間に隙間を確保。瓦の下に絶対に水が入らないことはありえないので入った水がスムースに流れていけばビスや釘部分から下に水が入るのを防げる
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地震対策
棟瓦がずれたり、地震で落ちないように棟瓦全体を下地から銅線で結ぶ
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銅線で結ぶ(地震対策)
銅線で結んでいる様子。左右の2枚の瓦もお互いに銅線で結びます
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棟瓦部 施工中
こちらも棟瓦の様子
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面土の様子
昔の ドロ+漆喰 仕上げは時間が経つと漆喰が分離して剥がれる事が多いので、現在ではドロ+仕上げ一体型の材料を使用する。シリコン樹脂入りで高耐久です
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完成写真
棟瓦の銅線を結んで完成します。こまかな埃を清掃して終了(写真は雨が降ってきたので未清掃です)