尼崎市内の市民グループ「あまっこ市民発電プロジェクト」(藤浦粧子代表)が、市民の出費で建設、運営する「市民共同発電所」を計画している。地球温暖化防止にも役立つ太陽光発電を行い、電気を関西電力に売却する。当面、年間発電量は一世帯程度の消費分だが、「環境にやさしい自然エネルギーを使った電気を市民の手で作り出すことに意識を感じて欲しい」と二月の発電開始に向けて出費を募っている。

グループは昨年七月に発足。原子力発電に反対する市民十人が「単に、原発反対と言うだけではなく、暮らしに欠かせないエネルギーの代表を示したい」と、市民共同発電所の開設を決めた。
計画では、太陽熱を集めるパネル(縦1メートル、横1.5メートル)二十枚をしないの特別養護老人ホームの屋上に設置。年間発電量は約三千キロ・ワット時で、売り上げは年七万六千円程度を見込んでいる。設備投資に約二百六十万円かかり、市民からの出費(一口十万円)を充てる。設備の耐久年数は二十〜三十年で、「十分な利益を期待できる純粋な投資対象にはならない」という。
世話人の一人、広畑真昭さんは「太陽光発電が広がれば、装置の価格も下がり、もっと気軽に多くの人々が利用できるようになるはず。将来は、設置場所を増やしていきたい」と話している。
出費は個人だけでなく、グループ単位でも受け付ける。