太陽光による発電所を作ろうと、尼崎市の市民グループ「あまっこ市民発電プロジェクト」(藤浦粧子代表)が出資者を募集している。市民発電所の設置は、県内では神戸に次いで2例目。
福祉施設の屋上にパネルを並べる小規模の発電所だが、メンバーは「地球温暖化防止の運動を広げて、エネルギー政策の転換につなげましょう」と呼びかけている。



同グループは、反原発や情報公開などの市民運動で知り合った藤浦代表ら4人が呼びかけ人となっている。
「反原発を訴えるなら、代案を持った運動をしなければ」と、昨年7月から準備を進めてきた。
計画では、同市小中島1丁目の特別養護老人ホーム「園田苑」の屋上に、太陽電池パネル20枚を縦2メートル横13メートルの幅で設置する。
出力は、1軒分弱に相当する1時間当たり3キロワット。
年間では約3100キロワット発電する。
ほとんどの電気は関西電力に1キロワット当たり24.7円で売却し、年間約7万6千円の収入を見込んでいる。
260万円かかる設備費は市民らの出資で賄う。
1口10万円だが、複数の人が組んで1口出資することも可能だ。
出資者には1口当たり年間約3千円の配当が出る見通しという。
だが、投資を回収するには約33年もかかるうえ、設備の耐用年数は20〜30年のため、メンバーは「投資対象というより、運動の一環として考えてもらいたい」という。
来年2月中旬に稼働予定。
今後はNPO法人(特定非営利活動法人)の認証を得て、運営の基盤を整えるとともに出資者が増えれば2号機を設置する。
藤浦代表は「運動が広がれば、コストダウンにもつながる。
きれいな電気による環境保全は次世代への贈り物です」と話している。

問い合わせは園田苑(06・6493・3731)へ。