
前輪を外して積み込む。 |
もう、年の瀬。今年は全体的に忙しかった。また、ここ最近は日曜日にもちょこちょこ仕事や用事が入り、完全休日がなかった。明日から最後の追い込みだ。その前に、なんとかリフレッシュしておこうということで、山に向かった。
今回は、ちょっと面白い企画を考えた。ふだん街乗りにしか使用していないマウンテンバイクを活用するのだ。マウンテンバイクを購入した目的は、普段の移動手段以外に、釣りや登山の帰路に使用することだったが、今のところ実現できていない。そこで、今回その夢を実現しようと画策した。幸い天気が良さそうなので剣山系まで行けそうだ。
登山に約4時間、自転車での復路に上り坂が少なく約1時間をめどにあれこれ考えた末、ベストと思われたのが今日のルートだ。ただ、標高が高いので雪が心配だが、行ってみてダメなら自転車はやめて登山だけに変更すればよい。
自転車を積んで、午前7時出発。自宅周辺は大霜で、かなり冷え込んでいる。琴南の温度表示板で−2℃。ノーマルタイヤなので心配したが、三頭トンネル前後の凍結はほとんどなし。国道438号線剣山手前のヘアピン辺りから路面凍結と若干の積雪が見られたが、問題なかった。

これくらいならノーマルタイヤでも大丈夫。 |

ひげ面の顔の模様に凍っていた面白いミラー。 |

人目につかない廃屋の裏にデポした自転車。 |
午前9時10分、夫婦池横の廃屋の裏に自転車をデポ。そして、車で自転車走行予定ルートを登山口の中尾山高原キャンプ場へ向かう。『夫婦池〜見の越』、『見の越トンネル〜キャンプ場』までの道路はほとんど南向きなので橋の上や日陰を除いては凍結も積雪もほとんどなし。また、9割方下りで、ゆるい上りが2箇所しかなく、車のメーターで距離は約10q、登山後の疲れた体には負担にならない。ただし、私の自転車は泥除けがついていないので、融雪のため水浸しの路面や未舗装箇所のベチョベチョのぬかるみが気になった。また、落石の尖った小石もパンクの恐れがある。それらを除けばもくろみどおりだ。

登山口のグラススキー場。 |
午前9時50分、登山開始。最初はグラススキー場の側道を登るのだが、開放的な景色、真っ青な空、ポカポカ陽気の下、緩やかな登りは気持ちが良い。すぐにジャンバーを脱ぎ、半袖と長袖Tシャツの2枚に。樹林帯に入ると冷え込むが、火照った体にはちょうど良い。まずは中尾山(1330m)を目指すが、あとで分かったのだが、あずま屋があった場所を頂上と勘違いしていて本ピークはスルーしてしまった。
あずま屋を過ぎると高山でおなじみのブナやモミ、ヒメシャラの天然林が始まる。たまに見かけるアカマツの大木が見事だ。木漏れ日の中を快調に歩を進める。すると今度は森林限界を超えて開放感のある笹原だ。登山道は笹がきれいに刈り取られ歩きやすい。
午前11時過ぎ、赤帽子山頂に到着。360度遮るものがなく絶景だ。私の勝手な思い込みかもしれないが、ここは穴場だ。周辺にメジャーな山が林立しているので、登山者が少ない。また、中尾山高原キャンプ場からも夫婦池からも距離も所要時間も手頃で難所や急な登りがない。そして頂上は開放感のある高原状で眺望は抜群、のんびりと静かな山登りをするには絶好の場所だと思われる。

赤帽子山頂手前。奥に、左から丸笹山・三嶺・塔の
丸が見える。 |

赤帽子山頂(1,620m)。バックは一ノ森(左)と剣山。 |

丸笹山の標柱にカメラを置いてセルフタイマーで
自分を撮ってみた。 |
さて、ここで15分くらい休憩して次の丸笹山を目指す。ここからはうっすら積もった雪に人の足跡がなく、動物の足跡ばかりだ。近くでニホンジカの鳴き声がするが、姿は見えない。本当に自然を感じるすばらしいひと時だ。自然にひたりながら、中間の小高いピークを超えると、丸笹山・赤帽子山分岐に出る。ここからしばらくは北面の樹林帯の中なので、そこそこ積雪があった。丸笹山は手軽に登れる人気の山なので途中7人ほど下山者に会った。
そして、午後12時5分、丸笹山頂(1,711.6m)に到着。登山者はおらず、すばらしい景色を独り占めだ。南には剣山・次郎笈・一ノ森、西には三嶺・塔の丸、北には10月に縦走した黒笠山・矢筈山、断崖絶壁の八面山、そしてもちろん阿讃山脈。東には先ほどの赤帽子山。すばらしい。

丸笹山頂(1,711.6m)。バックは剣山(左)、次郎笈(右)。 |

中央は三嶺。右手前は塔の丸。 |

10月に登った黒笠山・矢筈山方面。 |

貞光川源流。 |
写真を撮りまくって、下山。西に下りると同じ道を通らなくて良いのだが、念願の『貞光川源流の碑』を見て帰りたいので、再び丸笹山・赤帽子山分岐まで戻り、そこから北面を下降。さすがに寒くなったので、ジャンバーを着て歩く。そして、『貞光川源流の碑』に到着。これで、いつも渓流釣りでお世話になっている三名川、祖谷・穴吹・貞光川の源流詣がすべて完了しプチ満足。午後12時過ぎ、夫婦池到着。夫婦池は凍っている。「ラ・フォーレつるぎ山」は冬季休業中。
そして、デポしていた自転車がちゃんと待っていてくれた。リュックに入れておいたビニールのズボンと自転車に引っ掛けておいたダウンジャケットを着込み、いざ出発。

案内板や道標でにぎやかな丸笹山登山口。 |
見の越までは剣山や三嶺の写真を撮りまくり。途中で会ったお兄さんにも撮ってもらった。そのお兄さん、剣山スキー場から見の越までの車道をウォーキングしていたそうだ。登山しなくても、いろんな楽しみ方があるんだなぁ。
私の大好きな地でこんなに天気が良い日に気楽なサイクリングができる幸せをかみしめながら風を切る。「いやぁー、本当に最高っ!!。」と、自然と笑みがこぼれる。

ウォーキング中のお兄さんに撮ってもらった写真。
バックは三嶺。 |

見の越トンネル。アイスバーンでなければ雪の上で
も自転車はこげる。 |

コリトリ側の国道。 |
見の越トンネルを過ぎると、今日縦走した山々の南面の急斜面・絶壁につけられた国道をゆったりと下る。「よくもまぁこんな斜面に道をつけられたものだなぁ」と、いつも感心する。初めての人だと多分恐怖心を抱くほどスリルのある道路だ。また、はるか下の穴吹川源流を覗き込んで、来年の釣りに思いをはせたりと、いろいろ考えながらポカポカ陽気の中をほとんどこがずにのんびり下る。その間、何ヶ所かの積雪箇所も自転車から下りずにクリアしたので、調子に乗っていたら、『よじろう橋』手前のアイスバーンで見事に転倒。尻と背中から落ちた。厚着をしていたので怪我はなかったが、腹にひびいたのと尻を痛打したため1分ほどうなっていたが、すぐに回復し大事にはいたらなかった。

国道439号線から中尾山高原への林道入り口。 |
そして、国道を外れ林道に入る。こちらは2箇所ほど上りがあったが、傾斜が緩く距離も短く問題なかった。途中、ニホンザルやニホンジカ、カモシカ、ヤマドリに会いながら快適サイクリング。この辺りのニホンジカやカモシカは人を見慣れているせいか、すぐには逃げない。また、今日はポカポカ陽気もあり、動物がたくさん出てきた。最初懸念していた、水浸しやぬかるみの箇所も今日の陽気でだいぶ乾いており、泥水を跳ね上げることがなく服が汚れずに済んだ。アイスバーンでの転倒と手先・足先がやや冷たかった以外は、本当に気持ちの良い天空サイクリングができた。

ニホンジカ。 |

カモシカ。 |

ゴールの中尾山高原。 |
午後2時前、車止め着。全所要時間約4時間。サイクリング中はほとんどこぐことがなかったので、汗は引いており、着替えることなく帰路へ。運転中、あまりの天気のよさに眠気が何度も襲ってきて往生した。
午後4時30分、帰宅。あとは、風呂に入って、ビールを飲みながら『坂の上の雲』を見て、寝るだけ。
今日は登山、縦走、貞光川源流詣、天空サイクリングと盛りだくさんの内容で暖かい晴天と相まって本当に楽しく、非常に良いリフレッシュができた。さあ、これで英気が養われたので、正月休みまでの忙しい約10日間、がんばろうっ!!
最後に、皆さんこのコースはいいですよ。車に積めるのならママチャリでも可能です。ゆっくり回っても6時間あればOKで、もう少し暖かい春や秋に是非おすすめします。
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