不気味な置物
 
2011年9月18日(日)

■祖谷川
【釣行時間】午前7:00〜午後5:00  【天気】曇り時々細雨  【同行者】なし
【エサ】ミミズ・ブドウムシ  【出会った動物】カモシカ1頭(退渓中)


 何度も繰り返すが、今年は東日本大震災のため渓流釣りを自粛している。また、仕事も非常に忙しい。よって、渓流釣りの回数は例年の半分くらいだ。
 しかし、それが功を奏して今年は楽しい釣りができている。その上、チョイ釣りを除いてはコンスタントに数も出ているし、8寸も出ている。以前のように、休みのたびに出掛けていると疲れは取れないし、やみくもに大物を目指して釣行していると、釣れなかった場合、悩んだり逆にストレスになったりする。今年は、ここ数年の熱病を冷ますのによい機会だったのかもしれない。

 崩落した林道。
 さて、ここ2週間休み無しで働いたので、さすがに自然が恋しくなった。昨日、きゅう太郎と予定していたが、祖谷方面は200〜300ミリの大雨のためキャンセル。明日は、用事があるので行けない。よって、水量が多いかもしれないが、今日しかない。きゅう太郎は今日は不参加で、久しぶりの完全単独行だ。
 午前4時30分、出発。いつもの小島峠線を通るが、入り口に『全面通行止』の看板があったが、道の真ん中に置いていなかったのでそのまま進むと、問題なく通行できた。一昨年までは、小島峠付近でニホンジカやカモシカを高確率で見かけたのに、今年はほとんど会わない。ニホンジカについては、だいぶ駆除が進んだのだろうか。ついでに、いつも崖の上から見張りをしていたカモシカも見なくなった。
 今日は、大雨の後なので勝手を知っているホームグランドだ。午前6時40分、車止め着。最後の荒れた林道は途中で崩落しており通常より200m手前の路肩に停めた。早速川をのぞくと意外にも水量は大したことない。また、もう少し濁っていてほしいというくらいの濁りだ。「おっ、これは釣りになる」と、期待が高まる。

 大雨の後にかかわらずこの程度の濁り。

 今日の予定は、@車止め付近100mとA電力取水下の良場を5ヶ所ほどポイント釣りした後、B取水を越えて400mほど釣り上ってゴルジュまでを昼過ぎまで。一旦、車に戻り昼飯を食べた後、C8寸・9寸よく出るポイントが2ヶ所ある支流の上流部で午後4時まで。

 1匹目、悪くない。
 まずは、@。普段は8対2でモツゴばかりなのでパスするが、水が出ているときはアマゴが逆転する。最初の小淵では、5回流すが来ない。昔は、小ポイントは2・3回流しても来なければ居ないものと思い、どんどん釣り進んでいたが、最近は5回、10回流した後でも釣れるからあなどれない。よって、釣行距離が短くなりつつある。今回も6回目で初めてのアタリだが、ミミズだけを持っていかれた。ミミズを付け替えてオモリを少し重くしてゆっくり流すと、もくろみどおりにキャッチ17p。我ながら満足。次のポイントでも瀞場で2回アタリがあった後に18p。さらに、落ち込みの白泡から流芯を流すと、良い引きが。危うく下の小滝に飲まれそうになったが強引に抜き上げ23.5p。一旦、林道に上がり次の小滝下のポイントへ。まずは流芯の先で18p。次に2Bのオモリを2個付けて、湧き上がる白泡に投入しゆっくり流すと、白泡が消えるあたりで「グイッ、グイッ」という良い引きが。しばらく手ごたえを楽しんだ後、抜き上げる。24.5pのかっこいいオス。こんな感じで8ポイントほどやると、ポイントごとに1匹か2匹、18〜21pが釣れて好スタート。いきなり、7寸・8寸を6匹キープ。すぐにさばいて、一旦車に戻りクーラーボックスに移す。

 23.5pの泣き8寸。

 今度は完全8寸。 


 Aの最大20p。
 そして、Aのポイントへ向けて再スタート。取水の点検道を歩きながら20〜30m下の中場所・大場所へ登り降りしながら5ヶ所。なかなか体力を使う。最初の滝壺で、大物の引きがあったが3度底へ引く強いアタリの後、痛恨のハリス切れで、かなりショック。今年リベンジできればよいが。それ以外は15〜20pが5匹くらいで今日のポイントの中ではいちばん大場所が多い割には期待はずれ。
 次は、B。普段は、取水から上しばらくは釣り荒れていて良型は出ないが、この間の台風と昨日の大雨で落ちてきているかもしれないと期待していた。しかし、いつもよりは若干型が良かったが22p止まりで15匹。もっと釣り上ろうかと思ったが、今日一番の期待のCを残しているので思いとどまった。

 Bの最初の小淵。18pと右の22pが釣れた。

 Bの最大22p。

 予定より1時間ほど遅れて午後2時に車に戻ってきて、追加の5匹をクーラーに移す。そして、昼飯のおにぎりを2個食べて、再スタート。支流の点検道を約30分歩き、目的のポイントに到着。ここは、長さ10m、幅2.5m、深さ1.5mの細長い小滝下の淵だが、いつもは5m上の山道からのぞいて、アマゴの数とサイズと居場所を確認してからピンポイントで狙うのだが、今日は白泡の範囲が広く、若干濁りがあるのでアマゴの姿が確認できない。しかし、よーく透かしてみるといつもは居ない淵の流れ出しに良型が定位している。最初のターゲットはそれに決まりで、そそくさと降りていき仕掛けをセット。ターゲットが居た場所の50p上から2度流すがアタリがない。あきらめ気分で3回目、小気味良いアタリが。一旦、淵のほうへ2mほど走ったが、またまた強引に寄せてきて抜き上げ。側線周辺がピンクがかった秋の装いの24p。これで最初の泣き8寸も含めると8寸3匹となり、私の理想とする釣果が達成できて満足。そして、次は核心部分だ。ここは過去5回の釣行で、9寸・8寸が各3匹出ているので期待が高まる。滝の落ち込みの白泡に、また2Bのオモリを2個付けて投入しゆっくりと流す。早速1投目から小気味良いアタリが、21p。次も21p。さらに20p。その後もだんだんサイズが小さくなったが、このポイントで7匹連続釣れて入れ食いだ。しかし、もう1匹の8寸か9寸は出ず。そして、100m下流へ移動し、もう1ヶ所実績のあるポイントをやったが、こちらは小物3匹で期待はずれ。

 24p。ピンクがかった秋の装いのきれいなアマゴ。

 Cの納竿ポイント。

 予定の時間は過ぎているが、たった2ヶ所のために往復約1時間の山道を歩くのはおしいような気がしてきて、帰路、下流部の大滝を見物することにした。普段は水量が少ないので釣りも滝見物もパスし続けてきたのだが、今日は水量豊富と見て寄って帰る気になった。滝の位置を確認するために、キョロキョロしていると往路では気付かなかった恐ろしいものを見つけてしまった。なんと、道脇にシカの頭蓋骨を大小交えて5つ並べているのだ。誰が何のために置いたのだろうか。付近にシカ避けネットが張ってあるので、多分それに角や頭が引っ掛かって死んだシカのものだろうが、あえて道脇に揃えて置いてあるのは少し不気味だ。勝手に山に入るなというメッセージだろうか。

 恐ろしいシカの頭蓋骨のコレクション。何かのメッセージだろうか。にらまれているようで怖いな。

 さて、滝の場所だが、過去歩いているときに、木々を透かして50mほど下に滝らしき姿が見えていたのでだいたいの場所は分かっていたが、今日は水量が多く滝の瀑音とともに滝の姿がはっきりと見えたので確信を持って人工林を下降した。途中から滝見物か釣りの踏み跡がありスムーズに滝に到着。「おおーっ、これは見事だ!!」。約20mの高さの岩壁を、幅広くほぼ均等な水が布を広げたように落ちている豪快な名滝だ。ただ、滝下の流れ口以外はゴツゴツした岩壁に囲まれて狭く、周りはうっそうと木々に覆われて暗く、恐ろしい雰囲気の滝だ。曇っているのと先ほど見たシカの頭蓋骨のせいかもしれないが。そして、水しぶきと瀑風が凄いし、前面に大岩が張り出していてなかなか良い撮影ポイントがなかった。ついでに浅い滝壷に竿を出したが、竿や仕掛けが瀑風にあおられ釣りにならなかった。服もメガネもカメラもビショ濡れだが、後は車止めに戻るだけなので問題ない。

 真正面から。

 少し角度を変えて。

 午後5時ちょうど、車止めに帰還。最後は少し不気味だったが、釣果は今年最高の42匹とそのうち8寸前後が3匹釣れて大満足。帰路は、のんびり西祖谷経由で帰り、午後8時帰宅。

【本日のデータ】
月日(曜日) 場 所 時 間 天 気 同行者 釣果
(匹)
キープ
(匹)
24cm
以上
(匹)
最大
(cm)
釣行記
タイトル
17 9月18日(日) 祖谷川 午前7:00〜
午後5:00
曇り時々細雨 42 12 2 24.5 不気味な置物