新型インフルエンザ (Pandemic (H1N1) 2009)
(旧称 Swine Flu A/H1N1) に関する情報



日本産婦人科学会

 2009年4月に南米メキシコで発生したブタ由来のA/H1N1型インフルエンザ(Swine Flu A/H1N1)は、ウイルス遺伝子の解析により、ヒト型、トリ型、およびブタ型の インフルエンザウイルスが交雑されてできた新型のインフルエンザ であることが判明しています。
 また、国立感染症研究所が行なった「兵庫・大阪で発生した集団感染の患者から分離されたウイルスの全遺伝子塩基配列の解読」によって、関西地域での感染 株は成田検疫株とは由来が異なるものであり、新型発生の初期にメキシコや米国南部から感染が広がったと考えられる系統と、4月下旬に米国東部とカナダで集 団感染を引き起こした系統との中間的な系統に属するものと推定されております。(独立行政法人製品評価技術基盤機構・国立感染症研究所の報道発表資料(平成21年5月29日)



 一般に、新しい型のインフルエンザウイルスに対しては免疫力 が備わっていない人が多いために感染力が強く、 大流行を引き起こす恐れがありますので十分な注意が必要ですが、 今回のブタ由来新型インフルエンザ(Swine A/H1N1型)による 死亡例は発生源の メキシコに集中しており、早期に治療を受けた人の大多数は回復 していますので、過剰な不安を抱かず冷静な行動をとられるよう にお願い致します。

 また、今回のブタ由来新型インフルエンザは、幸いにしていまのところ弱毒性 ですが、これとは別に、アジア地域を中心に広がる気配を見せている 強毒性のトリ由来A/H5N1型インフルエンザウイルスの方も、 インドネシアではすでに 約10%のブタに感染が広がっているということが確認されており、 ヒト→ヒト感染型に一歩近づいてきていますので、こちらについても引き続き十分な注意が必要で す。

新型インフルエンザの感染拡大を防ぐために

 感染者の広がり方や症状から判断する限り、感染力や毒性は 従来の季節性インフルエンザとほぼ同程度か若干高い程度であると見られますので、 ことさら恐怖心を抱く必要はなく、各自が正しい情報に基づき 『季節性インフルエンザと同様の感染予防対策』を行なっていくことが重要であると思われます。 いまのところ感染者の多くは、高校生など比較的抵抗力が強 い人に限定されて おりますので幸いにして重症者は出ておりませんが、他の疾患で体力が衰えている方や 高齢者が感染した場合、診断や治療が遅れた場合などには重症化する恐れ がありますので、特に高齢者の介護施設等では十分な感染予防対策を行なって下さい。



○ 市販の不織布製マスク(花粉や細菌などの 5μm 以上の粒子を95%以上除去する能力を持ったサージカルマスクと同等の 規格のマスク)を着用することにより、感染者が咳やくしゃみなどによってウイルスを 周囲にまき散らすことは防ぐことができますので、咳やくしゃみ が出る方は必ずマスクを着用するようにして下さい。
 ただし、これら一般のサージカルマスクでは、飛散したウイルス粒子( < 0.15μm) の透過を100%遮断することはできませんので、 『マスクをしているから大丈夫』という 過信を抱かないで下さい。<br>
 より高性能の N95マスク(0.3μm 以上の粒子を95% 以上除去できる非耐油性のマスク)もありますが、顔への密着性が 悪いと効果が下がりますので、着用の際には密着性に十分ご注意下さい。 (今回の新型インフルエンザは弱毒性と考えられていますので、 医療従事者以外の一般の非感染者が感染予防のために日常的にN95マスクを 着用する必要は全くありません。それよりも、人ごみを避け感染者に近づかない ことの方がより効果的です)

 マスクの規格と効果については、下記のサイトでも議論されていますので参 考にして下さい
 ○今回は、新型インフルエンザばかりが注目されていますが、同じような感染予防対策は 本来Aソ連型や A香港型などの季節性のインフルエンザに対しても必要ですので、 咳やくしゃみが出て、インフルエンザ感染が疑われるような場合には、必ずマスクを 着用するように心がけて下さい。

 ○また、帰宅後やインフルエンザ感染が疑われる人と接触した後の手洗いや うがいについても、ウイルス粒子の濃度を下げ、インフルエンザウイルスの 体内への進入のリスクを下げる一定の効果があります。

 ○アルコール消毒の効果については、 キューピマヨネーズが H5型の鳥インフルエンザウイルスを用いておこなった研究の結果として、 『80%エタノール(消毒用のアルコール)でも10秒間で鳥インフルエンザウイルスは不活化し、 感染性を失うことがわかった』 と発表されておりますので、 ドアノブ等に付着した 新型インフルエンザウイスルの不活化にも有効であると思われます。
 ただし、手指の消毒に使用すると肌を荒らす場合がありますので、肌の弱い方はご注意下さい。また、アルコールを室内に噴霧することは大変危険ですので おやめ下さい。




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