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ロッポンギから愛をこめて
〜定吉七番シリーズ・2〜
1985年度作品
東郷 隆著
汎関東主義秘密結社NATTOの殺人機関KIOSKは、西側諜報機関に大打撃を与える作戦を計画していた。
西の英雄的スパイを、醜聞に塗れさせた上で殺害しようというのだ。
そして、その計画の生贄に選ばれたのは、他でもない定吉七番だった…。
シリーズ二作目。
タイトルとあらすじから分かるように、全編「ロシアから愛をこめて」のパロディになっております。
いや、どちらかと言えば映画寄りなので、「ロシアより愛をこめて」のパロディと言った方がいいでしょうか。
相変わらず原作(映画&小説)からの設定の落とし込み・変換が見事で、パロディとして完成度がとても高いです。
ただ、あまりに原作そのまま過ぎる展開なので、物語的な新鮮さはあまりありませんが。
原作でのダーコ・ケリム(ケリム・ベイ)に当たる役どころに、流行作家の田中安雄と言うキャラクターが登場するのですが、モデルは言わずもがなの元長野県知事でなんとなくクリスタルなあの人でしょう(笑)
それがまあ見事に特徴を捕らえていて、あの人のイメージそのまんまであるにも関わらず、ダーコ・ケリムのポジションになぜか上手い具合に収まっているのが面白い所です。
ただ、全体的に笑いの要素が少なく、物足りなさを感じてしまうのが難点ですが。