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秋山草堂〇〇七部屋・小説「007とムーンレイカー」

DATA

007とムーンレイカー

1979年度作品
クリストファー・ウッド著

あらすじ

イギリスへ輸送中のスペースシャトル“ムーンレイカー”が何者かにハイジャックされてしまった。
早速、調査を開始したボンドは、シャトルを製造した大富豪ヒューゴ・ドラックスに接近するが、行く先々で命を狙われてしまう。
CIAのエージェント、ホリー・グッドヘッドと協力して調査に当たるボンドの前に、あの怪物ジョーズまでが姿を現した!

解説

前作「新・私を愛したスパイ」同様、小説家クリストファー・ウッドが映画用原作として書いたこの作品ですが、完成度の高かった前作と同じ作者かと疑いたくなるあんまりな出来です。
おちゃらけムード満点、ボンドも軽く、ラストは宇宙にまで行ってしまうのはご存知の通りですが、映画ならまだしも小説でこれをやられるとかなりきついものがあります。

それに前作では、小説版ならではの渋い描写やシーンがあって、満足感のある出来だったのですが、今回はほぼ映画そのまんま。
翻訳者・井上一夫氏のあとがきによれば、映画に合わせて(翻訳の段階で)書き直したとの事。
要するに、翻訳の際に(映画に合わせて)勝手にシーンを付け足したり、描写を変えたりしてしまったってことなんですよ!
いくらフレミング作品を翻訳してきた大先生でも、こればっかりは戴けませんです。

ウッドの原作に忠実な翻訳で読みたかったですねえ。
今となってはもう不可能でしょうが。

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