ホーム〇〇七部屋 > 小説「ゴールデンアイ」

秋山草堂〇〇七部屋・小説「ゴールデンアイ」

DATA

ゴールデンアイ
〈原題:GOLDENEYE〉

1995年度作品
ジョン・ガードナー著

あらすじ

冷戦時代、007は006と共に、ソ連の化学兵器工場の破壊工作を行った。
しかし、工場の破壊には成功するものの、006は捕らえられ殺されてしまう。
そして、9年後。
タイガーヘリ強奪に端を発する、ソ連の宇宙兵器コントロールセンター崩壊事件を追ったボンドは、その影でヤヌスと呼ばれる謎の男が絡んでいる事を知る。
さらに調査を進めるボンドの前に、遂に姿を現したヤヌス。
その正体は、死んだ筈の006、アレック・トレヴェルヤンだった……。

解説

ガードナー・ボンドの14冊目ですが、11作から13作まで邦訳されていないので、日本では11冊目でガードナーボンドの最後の巻になっています。
同名映画のノベライズという事で、内容的にはほぼ映画と同じです。
当然、後半のグダグダ展開もそのままなのですが、要所要所で心理描写やシチュエーションが付け加えられていて、映画版での弱点を上手く補っています。
ガードナーボンドで最も出来が良かった「アイスブレーカー」に迫る程、描写が活き活きとしていて飽きさせません。
てか、乗っている時と乗ってない時の差がありすぎです、ガードナー(笑)。

映画版ではぎこちなくて少し見当外れに思えたMとボンドの会話も、基本的な会話の流れは映画版と同じなのに、とても魅力的に感じます。
ナターリアも、映画版よりもチャーミングで、ロシアを脱出する時に女学生姿の変装まで見せてくれて、このシーンが映画版に無かったのが残念で仕方ありません(笑)。

久々に、やれば出来る子ガードナーの本気を見せてくれた作品。
しかし、本気を出すのが遅過ぎたのか、日本での翻訳はここで打ち止めと言う事に。

TOPページに戻る