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秋山草堂〇〇七部屋・小説「ミソサザイ作戦 準備完了」

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ミソサザイ作戦 準備完了
〈原題:WIN,LOSE OR DIE〉

1989年度作品
ジョン・ガードナー著

あらすじ

にわかに勢力を増しつつある犯罪集団“BAST”が、大規模な軍事演習“ランンドシー89”を狙っている事がわかった。
NATO加盟国参加のもとに行われる“ランドシー89”には、英米は勿論、ソ連の要人まで参加する事になっていた。
ボンドは、海軍に復帰する形で、ボディーガードとして演習に参加する事になるが、ボンドの存在を脅威と見た敵は、次々と刺客を放ってきた。
はたして、ボンドは敵の企みを打ち砕く事が出来るか……?

解説

ガードナー・ボンドの第9作。
日本の編集側も、やる気が無くなってきていたのか、「ミソサザイ作戦 準備完了」と言う邦題とカバーアートがもろネタバレしまくっていて、あんまりです(笑)。
ま、確かにぞんざいな扱いを受けるのも頷けるような、ぞんざいな内容ではありますが(笑)。

今回も裏切り者が紛れ込んでいるって事で、相変わらず誰も信用できないボンドですが、突然(とても信用できるとは言えない)一人の女性にのぼせ上がったりするので、読者おいてけぼりと言うか、ボンドがマヌケに見えます。
さらに、最も怪しいミソサザイ達を野放しにしておいたままで、結局裏切り者だった(既にネタバレしているので書いてしまいましたが(笑))ってのは、意外性は無いわ、ボンドがマヌケに見えるわで、良いとこ無しです。

あと、ガードナーボンドでいつも気になるのは、Mがボンドに対して情報を隠している事が多く、それがボンドを孤立させたいという展開上の都合としか思えない事です。
ここまで毎回毎回、ボンドを孤立させ、裏切り者の存在に振り回させられる展開だと、面白いかはともかく、ガードナーの譲れないこだわりを見た気がして、ちょっとガードナーに好感を持ってしまいます(笑)。
それ以外の事(ヒロインの魅力とか)にもこだわってくれたら、もっと良かったのですが。

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