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秋山草堂〇〇七部屋・小説「独立戦争ゲーム」

DATA

独立戦争ゲーム
〈原題:ROLE OF HONOUR〉

1984年度作品
ジョン・ガードナー著

あらすじ

ジェイムズ・ボンドは情報部を退職させられてしまった。
全ては、敵を罠にかける為。
失踪したコンピューターの天才の尻尾をつかむ為、コンピューターの猛特訓を受けたボンドの前に、やがて現れる謎の影。
ボンドは単身敵の懐に飛び込んで行くが……。

解説

ガードナー・ボンドの第四作。
前作「アイスブレーカー」の出来が良かったので、ちょっと期待していたら、またイマイチな出来にガッカリ。
おまけに翻訳者も代わり、ちょっと癖のある文体にさらにガッカリな作品です。

今まではプロットがイマイチでも敵キャラは存在感があって良かったのですが、今回は敵キャラもパッとしません。
ドクター・ホリーとツヴィングリ将軍、タミル・ラハニの三人の敵も、三人とも印象が薄いです。
ヒロインもパッとせず、メインのヒロインであるはずのパーシーも、あのラストシーンに持って行くには印象が薄すぎます。
個人的には、奔放なシンディにはちと萌えましたが(笑)。

今読むと、コンピューターを使った完璧な作戦という要素が、なんとも時代遅れになってしまっていて辛いのですが、その上コンピューターを登場させなくても全く問題ないプロットになっているのが、どうにも中途半端すぎます。
あ、ボンドがドクター・ホリーとウォーゲームをするくだりは、なんか新鮮でちょっと面白かったです。

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