ゴールドフィンガー
1959年度作品
イアン・フレミング著
知り合いの実業家ジュニアス・デュ・ポン氏と偶然再会したボンドは、ゴールドフィンガーと言う男の、カードでのイカサマを見抜いて欲しいと頼まれる。
マイアミのホテルで見事イカサマを見抜き、ゴールドフィンガーに一泡吹かせたボンドだったが、それは二人の対決の序章に過ぎなかった……!
原作第7作。
ギャンブルでのイカサマを見抜いて敵をやり込めると言う導入部は、「ムーンレイカー」に似て、この頃フレミングもネタ切れ気味だったのかしらとか考えたり。
ゴールドフィンガーの黄金に執着する男と言うキャラは魅力的なんですが、スメルシュの手先と言う設定はこの際ジャマじゃないかと感じました。
スメルシュじゃなくても、充分キャラ立ってるからオーリック。
で、そのオーリック。
(映画版のゲルト・フレーベの名演の印象も手伝って)印象深いキャラになっております。
ちと、マヌケではありますが。(笑)
あと、ゴールドフィンガーとワンセットなオッドジョブがまた良いですな。
映画版の007シリーズでは不可欠な存在の用心棒キャラも、オッドジョブの強烈なインパクトがあったからこそのもの。
ただ、悪役が魅力的な反面、007シリーズにしては珍しくヒロインがパッとしません。
3人のヒロインが登場するのですが、ジルは可愛いんだけど出番が少なく、ティリーは可愛げが無い上に頭が悪く、プッシーに至っては思わせぶりな登場をしたわりに全くの役立たずで、レズビアンであるはずの彼女がボンドになびいてしまう理由も特になく、キャラクターに説得力も魅力もありません。
やっぱり行き詰まってたんですかね、フレミング。