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秋山草堂〇〇七部屋・映画「カジノ・ロワイヤル」

DATA

カジノ・ロワイヤル

1967年度作品
監督 ジョン・ヒューストン
   ケン・ヒューズ
   ヴァル・ゲスト
   ロバート・パリッシュ
   ジョセフ・マクグラス
脚本 ウォルフ・マンキウィッツ
   ジョン・ロウ
   マイケル・セイヤーズ
音楽 バート・バカラック
主題歌「恋の面影」ダスティ・スプリングフィールド

出演
イヴリン・トレンブル(007)
 …ピーター・セラーズ
ヴェスパー・リンド(007)
 …アーシュラ・アンドレス
ジェームズ・ボンド卿
 …デヴィッド・ニーヴン
ル・シッフル
 …オーソン・ウェルズ
マタ・ボンド
 …ジョアンナ・パテット
ザ・ディテイナー(007)
 …ダリア・ラヴィ
ジミー・ボンド(ドクター・ノア)
 …ウディ・アレン
エージェント・ミミ(フィオナ)
 …デボラ・カー
ランサム
 …ウィリアム・ホールデン
ルグラン
 …シャルル・ボワイエ
マクタリー(M)
 …ジョン・ヒューストン
スメルノフ
 …カート・カズナー
ジョージ・ラフト
 …ジョージ・ラフト
フランス外人部隊兵
 …ジャン=ポール・ベルモンド
クーパー(007)
 …テレンス・クーパー
マニーペニー
 …バーバラ・ブーシェ
バタカップ
 …アンジェラ・スコーラー

あらすじ

引退したスーパースパイ、ジェームズ・ボンド卿のもとを、かつての上司Mを始め、アメリカ、ソ連、フランスの情報部のボス達が訪れた。
世界各国の情報部員が殺害される事件が続発し、それに対抗出来るのは彼しかいないというのだ。
拒むボンド卿だったが、目の前でMを敵に殺され、自らも命を狙われ、仕方なく現場に復帰する事に。
Mに代わって情報部のリーダーの座に就いたボンド卿は、新人エージェントを次々と採用し、その全員に“007=ジェームズ・ボンド”の名前を与えるが……。

解説

……と、上記のあらすじだけだと、どんな話かよく分からないと思いますが、映画を観てもよく分かりません。
とにかく、まともに筋を追うのが馬鹿らしくなる程、内容が破綻しています。
この作品、クレジットされていない人物も含めると、監督だけで6人、脚本家が9人もいて、まさに「船頭多くして船山に登る」の典型な訳です。
それに、スタッフもスタッフならキャストもキャストで、ピーター・セラーズやウディ・アレン、オーソン・ウェルズらが、それぞれの持ちネタを好き勝手に披露し、キャラクターも何もあったもんじゃない無法地帯と化してしまっています。

長年にわたって「007シリーズ」を映画化してきたイオンプロが、映画化権を買えなかった原作が二作品ありまして、それが「サンダーボール作戦」と、この「カジノ・ロワイヤル」(「サンダーボール作戦」は映画化権を持っていたケヴィン・マクローリーとの共同製作という形で「007シリーズ」として製作。そして、ご存知の通り「カジノ・ロワイヤル」の方も21作目にしてやっと「007シリーズ」として映画化する事が出来たわけですが)。
で、イオンプロより早く原作「カジノ・ロワイヤル」の映画化権を手に入れていたチャールズ・K・フェルドマンが、イオンプロのいわゆる「007シリーズ」に先を越されて、「だったら、こっちはパロディにしちゃうもんね」と開き直って作ったのがこの作品。という訳なんだとか。

元々いい加減なシナリオに、必要なカットが足りない為にシーンが繋がってなかったりと中身メチャクチャな上に、笑えないナンセンスギャグ満載の酷い出来の作品なのですが、なんとか最後まで見れてしまうのは、オールスターキャストの賑やかさと、お色気満載で、セットや衣装や音楽がオサレで雰囲気が良い為なのでしょうな。
一番重要なのは、お色気満載な所であるのは言うまでも無いですが(笑)。

という訳で、お色気以外にあまり書く事が無いのですが、とりあえずマタ・ボンド役のジョアンナ・パテットとマニーペニー役のバーバラ・ブーシェが可愛過ぎます。
特にマタちゃん(笑)。
彼女達がいなかったら、正直見るのが辛かったと思います。
…えーっと、アーシュラ・アンドレスは、やっぱり無理です、ゴメンナサイ(笑)。

あと、パロディ作品には欠かせない、本家シリーズの出演者が色々出演しているのも見所の一つです。
アーシュラ・アンドレスは言うに及ばず、ル・シッフルの代理人役で「ロシアより愛をこめて」のクロンスティーンを演じたブラデック・シェイバルが出演していますし、「ゴールドフィンガー」や「007は二度死ぬ」のバート・クウォークもチョイ役で出演しています。
あと面白いのは、この作品にでた後で、本家シリーズに出演した役者もいて、スメルシュの基地にいる女性の一人に、「私を愛したスパイ」のキャロライン・マンローの姿も…って確認不可能ですが(笑)。

個人的に外せないのは、ボンド卿と一緒にお風呂に入る、ちょっと頭の弱そうな女の子、バタカップ(字幕では“キンポウゲ”)役で登場の、「女王陛下の007」のルビー役のアンジェラ・スコーラーちゃん。
「女王陛下〜」でも、ヒロインのダイアナ・リグよりも印象的だった彼女ですが、この映画でも短い出番ながらエロ可愛さを振りまいてたまりませんな(笑)。

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