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秋山草堂〇〇七部屋・映画「美しき獲物たち」

DATA

美しき獲物たち

1985年度作品
監督 ジョン・グレン
脚本 リチャード・メイボウム
   マイケル・G・ウィルソン
音楽 ジョン・バリー
主題歌「a view to a kill」デュラン・デュラン

出演
ジェームズ・ボンド
 …ロジャー・ムーア
マックス・ゾリン
 …クリストファー・ウォーケン
ステイシー・サットン
 …タニア・ロバーツ
メイ・デイ
 …グレース・ジョーンズ
ティベット卿
 …パトリック・マクニー
スカルピン
 …パトリック・ボーショ
チャック・リー
 …デヴィッド・イップ
ポーラ・イワノバ
 …フィオナ・フラートン
ジェニー・フレックス
 …アリソン・ドゥーディ
カール・モートナー博士
 …ウィロビー・グレイ
Q
 …デズモンド・リューウェリン
M
 …ロバート・ブラウン
ミス・マニーペニー
 …ルイス・マックスウェル
ゴーゴル将軍
 …ウォルター・ゴテル
フレデリック・グレイ国防大臣
 …ジェフリー・キーン

あらすじ

磁気電波の影響を受けない新型マイクロチップの情報が、KGBに漏れてしまっているらしい。
ゾリン産業の社長マックス・ゾリンが怪しいと睨んだ英国情報部は、その調査を007に命じた。
手掛かりを追ってボンドはパリに飛ぶが……。

解説

シリーズ14作目で、ロジャー・ムーア最後の007映画であります。
地味な展開と笑えないジョーク。
残念ながらパッとしない作品だと言わざるを得ません。
コネリー同様、有終の美は飾れなかったようで……。

しかし、と言ってはなんですが、役者は結構魅力的です。
なんと言っても、悪役ゾリンを演じたクリストファー・ウォーケン。
人体実験の産物であるいかれたキャラクターを、楽しそうに演じているのがイイですな。
特に、金門橋から落ちる直前に見せる表情。
思いも寄らなかった自分の死と言う現実に、戸惑いと可笑しさが綯い交ぜになったような微妙な表情がとても印象的です。
オールバックにサングラスで、グラハム・ボネットか横山やすしか、ってな風にも見えますが、ウォーケン格好良いです。

女性キャストでは、やはりグレース・ジョーンズ扮するメイデイの圧倒的な存在感。
その強烈な風貌とは裏腹に、ゾリンに対しては恋する乙女的な面を覗かせたりもして、おぞま……いや、可愛い所も。
対するヒロインのステイシーはと言えば、頭が悪く、役立たず、キャアキャア叫んでいるだけで、シリーズで一番存在感がありません(役立たずっぷりでは「黄金銃〜」のグッドナイト嬢に軍配が上がりますが)。
個人的に、彼女のルックスやハスキー・ヴォイスは結構好みですが、キャラクターが弱過ぎます。
それにせっかくタニア・ロバーツをキャスティングしておきながら、水着姿の一つもないのはどういう事か。
オジサン、ガッカリだよ。
ホント、ガッカリだよ。

パトリック・マクニーも、貫録ある演技で人の良さそうなティベット卿を演じていて、とても魅力的です。
だから、ティベット卿が殺された時は、素直に可哀相と思えちゃいますな。
殺すなら、ボンドを殺せよ!って(笑)

そんな感じで、キャスティング的には見どころも多いこの作品ですが、上にも書いた通り、内容的にはパッとしません。
アクションシーンも、スタントとしては頑張っているのですが、シチュエーション的にひねりが無く、ボンドが機転を利かせて敵に勝つといったカタルシスもあまり無く、サスペンス面でも弱いのが、この作品で一番の欠点ではないでしょうか。

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