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秋山草堂〇〇七部屋・映画「ユア・アイズ・オンリー」

DATA

ユア・アイズ・オンリー

1981年度作品
監督 ジョン・グレン
脚本 リチャード・メイボウム
   マイケル・G・ウィルソン
音楽 ビル・コンティ
主題歌「FOR YOUR EYES ONLY」シーナ・イーストン

出演
ジェームズ・ボンド
 …ロジャー・ムーア
メリナ・ハヴロック
 …キャロル・ブーケ
コロンボ
 …トポル
ビビ
 …リン=ホリー・ジョンソン
クリスタトス
 …ジュリアン・グローヴァー
リスル
 …カサンドラ・ハリス
ジャコバ・ブリンク
 …ジル・ベネット
ロック
 …マイケル・ゴサード
クリーグラー
 …ジョン・ワイマン
ティモシー・ハヴロック
 …ジャック・ヘドレイ
マニーペニー
 …ルイス・マックスウェル
Q
 …デズモンド・リューウェリン
フレデリック・グレイ国防大臣
 …ジェフリー・キーン
ゴーゴル将軍
 …ウォルター・ゴテル
ビル・タナー
 …ジェームズ・ビリアーズ

あらすじ

イギリスの電子情報収集船がギリシャ近海で沈没した。
船には重要機密であるミサイル誘導装置“ATAC”が搭載されていた為、英国情報部は回収作業を退役将校で海洋学者のハヴロック卿に依頼するが、ハヴロック卿は何者かによって殺害されてしまう。
そして、事件の調査に乗り出したボンドの前に現れた一人の女性。
彼女は、殺害されたハヴロック卿の一人娘・メリナだった……。

解説

シリーズ12作目。
前作で(いろんな意味で)行く所まで行っちゃったので、原点回帰と言うかシリアスなスパイアクションを目指したのがこの作品。
しかしながら、それが成功してるとはとても言えない作品だったりします。

一番悪い点は、シリアスとユーモアのバランスを外しまくっている事だと思います。
渋いスパイアクションに戻そうとする意図は感じられますし、部分的には良い処も無くは無いのですが、行き当たりばったりな展開や軽薄な雰囲気はそのままなので、シリアスに徹しきれずに、意図が上滑りしているように感じられるのです。
アクションシーンも一つ一つはかなり凄い事をやっていても、物語から浮いてしまっている為に曲芸としての凄さしか感じられず、スリルやサスペンスにつながっていないのです。

もう一つの悪い点は、音楽です。
ハヴロック卿が殺されるシーンではメロドラマのパロディのような大仰な曲だったり、かと思えばアクションシーンでは安っぽいディスコ調の曲が流れたりと、全体的にズレてるとしか思えない曲ばかりで、映画全体の印象を安っぽい物にしてしまっています。

それでも、まあ、いい所もありますよ。って事で(笑)、個人的に好きなのがクリスタトスというキャラクター。
まあ、一応ネタバレなんですが、一見善人に見せかけて実は悪人って所も良いのですが、誇大妄想狂の現実離れした悪人ではなくて、リアリティのある小悪党な所がいいですな。
この映画で唯一地味さが成功している所だと思います。
以前、テレビで放映したバージョンでは、曲者を演らせたら天下一品の穂積隆信氏がこのクリスタトス役をアテていて、見事にはまっておりました。

あと、ヒロイン・メリナ役のキャロル・ブーケも素晴らしく美人でいいですな!
彼女、基本ノーブラらしく、そちらの方でもドキドキしてしまいます。

あと、アバンタイトルでボンドがトレーシーの墓参りをするシーンはすごく良いんだけど、その後のブロフェルドもどきは、どう考えてもやらない方が良かったと思います(笑)

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