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秋山草堂〇〇七部屋・映画「サンダーボール作戦」

DATA

サンダーボール作戦

1965年度作品
監督 テレンス・ヤング
脚本 リチャード・メイボウム
   ジョン・ホプキンス
脚本原案 ジャック・ウィッティンガム
音楽 ジョン・バリー
主題歌「THUNDERBALL」トム・ジョーンズ

出演
ジェームズ・ボンド
 …ショーン・コネリー
ドミノ(ドミニク・ダヴァル)
 …クローディーヌ・オージェ
エミリオ・ラーゴ
 …アドルフォ・セリ
フィオナ・ヴォルペ
 …ルチアナ・パルッツィ
フェリックス・ライター
 …リック・ヴァン・ナター
リッペ伯爵
 …ガイ・ドールマン
パット(パトリシア・フィアリング)
 …モリー・ピータース
ポーラ・キャプラン
 …マルチーヌ・ベズウィック
M
 …バーナード・リー
Q
 …デズモンド・リューウェリン
マニーペニー
 …ルイス・マックスウェル
内務大臣
 …ローランド・キャルバー
ピンダー
 …アール・キャメロン
フランソワ・ダヴァル少佐/アンジェロ・パラッツィ
 …パウル・スタシーノ
ブヴァール夫人
 …ローズ・アルバ
ブヴァール大佐(No.6)
 …ボブ・シモンズ

あらすじ

犯罪結社スペクターは、NATOから原爆を奪い英国政府に1億ポンドを要求してきた。
1週間以内に支払われない場合は、原爆を爆発させるというのだ。
奪われた原爆を探すため“00”要員が総動員される。
作戦名“サンダーボール”。
ボンドは手がかりを追ってナッソーに飛んだ……。

解説

シリーズ4作目。
豪華絢爛。007シリーズの一つの頂点とも言える作品。
優雅な雰囲気が作品全体に漂う大人の作品です。

シンプル且つ盛り上がるプロットも良いです。
原爆を盗んでの恐喝。
“00”要員総動員の期限付き作戦。
それだけでワクワクします。

カリブの海や空などのロケーションがとにかく美しくて、映像を見てるだけで満足感を得られます。
特に海中シーンの素晴らしさ。
海の青と潜水服の黒とオレンジ、そして潜水艇の黄色。
それらの鮮やかながら品の良い色彩が美しいです。
そして、(良い意味で)ちゃんとお金が掛かっているのが分かる豪華なセットも素晴らしいです。
なんか安心してみていられます(笑)。

役者も良いですねー。
コネリーも格好いいです。
水中シーンが多いので、つい髪の毛に目が行ってしまって(別の意味で)ハラハラしてしまう所以外は、非常に格好良く文句の付けようがありませんね。
クローディーヌ・オージェとルチアナ・パルッツィのふたりのヒロインも甲乙付けがたい美しさですが、役の魅力でルチアナ・パルッツィの方が断然印象深いです。
彼女の演じたフィオナは、シリーズの女殺し屋では間違いなくベスト1です。
黒のライダースーツ姿もドレスアップした姿も美しく、品があるのに何処か狂っている。
スピード狂で快楽主義者である所など、ある意味ボンドと同類の人間であるといえるでしょう。
ラーゴ役のアドルフォ・チェリも良いです。
品と貫禄、そして時折見せる残忍な表情が魅力的です。
あと、シリーズ初出張のQも良い味出してますし、皮肉を言いつつボンドを信頼しているMも良い感じです。

そしてこの映画、台詞がとても魅力的なのです。
ウィットに富んだとてもお洒落な会話が多く、ボンドとフィオナのピロートークとかボンドとQのやり取りなど、思わずニヤニヤしてしまいます。

と、良い所ばかり書き並べてきましたが、個人的に気に入らない所も一カ所だけあります。
それは、アクションシーンのコマ落としです(ビデオの早送りの様な通常より早く動く映像の事です)。
ピーター・ハントの編集は非常にテンポが良くて素晴らしいのですが、アクションシーンであからさまなコマ落としがリアリティを殺いでるシーンが幾つかあるのです。
特にクライマックス、暴走するディスコヴォランテの中のアクションシーンなど、やりすぎに感じて少々醒めてしまいます。
それさえなければ最高だったのですが……。

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